ペンギンブックスはお馴染みイギリスの出版社。其処が選んだと言うので飛びついた、がしかしアメリカの翻訳家が選び、N賞を欲しがっている日本のあのM氏が介在してえっ!と思う短編集です。M氏は小説は全く読まなかったと言う。ある若い作家のAさんも全く古典は読まない。今と言う時点しか注視していないとテレビである大学の先生が評していた。29の短編の中には三島の”憂国”、永井荷風の”監獄署の裏”"芥川龍之介の"大地震"や"金将軍”など表現は細やかで言葉に重さがある。出版社はもう少し日本文学に精通した人に選ばせるべきだったと思う、ペンギンブックスと言う冠をつけるならば。唯単なる短編集でいいのでは…。”名”ではない。福袋を開けるような感覚で読んで…とM氏も言っているが当然でしょう。まあ個人的嗜好もあるのですが、河野多恵子の”箱の中”はたった4頁の超短編、でもうまいなあ…と感心してしまった。