お品書きに次は”中皿”と”煮物”とあります。手前の新じゃがいものムースはメインより赤、黄のパプリカが出汁で和風に煮てあり新鮮な味、これも良いものです。煮物は京芋饅頭錦糸餡。じゃがいもや京芋山芋と昔から言われている女、子供の好きな芋類が多いようですが、手が込んでいて素人ではちょっと出来ないと思うものばかり。素材が単純な物であればあるほど工夫をしなければ”ご馳走”にはなりません。少々塩味が強い感じもしたけれど、どれも出汁が上手く取れていて美味しい。40代の料理人が作っていると聞いた。
次の御椀盛りは水無月豆腐。煮なすやとろろ昆布パプリカを乗せ大根の薄切りで覆い奉書掛け、波間に透けて見える宝の数々はミステリアスで小さなお椀の中の美しい物語のよう…は少し言い過ぎかな。向付けは勿論、鮮魚のお刺身盛りです。
水無月のお献立を頂いた。まず座付、蛸の洗いと養老豆腐。山芋で作ったお豆腐を養老豆腐と言うのですね。それに生うにとじゅんさいを乗せて山葵で頂く。爽やかな前菜です。
長泉の桃沢にある長泉山荘は100パーセント源泉かけ流しの温泉つき料理旅館です。街の喧騒を離れ車で30分も登れば当に桃源郷のような所です。KさんがN会社の同窓会と称して招待してくださった。こんな田舎に…田舎だからこそ静かなオゾンいっぱいのユートピアがあるのだと思う。小雨に濡れた初夏の緑の綺麗なこと、身も心も洗われます。