おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

日々の 業 務

2019-09-25 | ◆ マンション管理業務  《 全般 》

 

 

『 植栽の管理のことなのですが 駐車場の四つ角にある 高木というか 中木 というか

その一部の枝が 少々邪魔という感じがしたということで 理事長が 自身の判断で 

数箇所の枝を切断した

というのです

 

そうしましたら 日除けにもなっていたし 駐車場の出入りの運転中眩しくもなくて

敷地内の交通安全のためにも チョウドよかったのに

・・・

だいいち あの木にしたって みんなのものでしょう

独裁者みたいで 勝手すぎる 

と 

一部住民から ショッキングな言葉での 苦情がありました

 

マズカッタでしょうか ネ ?

 

理事長としては 良かれと思ってしたことなのだそうですけれど 

苦情の対処に困惑気味で・・・ショボンとして 元気がないのです・・・』

 

 

『 管理組合から委任されている者として 我々 役員にも 損害賠償請求なんぞもあり得ること

なのでしょうか ? 

今どきの 特に 若い威勢のいい人は 率直で 是は是 非は非だ と 実にハッキリしているようで 

なんとも 心配で 心配で・・・ 

理事長だけでなく 執行部員としての理事や 全体の見張り役の監事 それぞれも 

それなりに責任問われたりするものでしょうか ? 

 

そういえば 業務執行の監視 監督も 理事会の職務なんですよね・・・』

 

どうも 私のブログは 少々専門的なことの記載が多めで 実際のマンション管理の具体策

には どうも 遠すぎる理論が見うけられる との 意見も伺ったりします・・・

 

でも 諸々のケースの 一つ一つに答えるのも必要でしょうが そうした答えを出す 基盤の考え方

こそ大事なことで その理解に努めれば おおよその具体的案件の答えは 自ずと見える と思うので

硬めの理論も載せさせていただいているのです  

要するに 細かいことを100項目述べるより 肝心なところの基を 10個示すほうが応用が利くと 

考えられます ので

 

いずれにしても

受験者さんのためのブログをも兼ねているので 硬すぎる傾向については 申し訳ないとは 

思っておりますが

さて

理事長の職務として 標準管理規約【単棟式】には

(理事長) 第38条

理事長は、管理組合を代表し、その業務を統括するほか、次の各号に掲げる業務を遂行する。

規約、使用細則等又は総会若しくは理事会の決議により、理事長の職務として定められた事項

二 理事会の承認を得て、職員を採用し、又は解雇すること。

 

と あります

 

日常的な植栽の枝の剪定については 集会(総会)承認の予算の範囲内で  執行意思決定を担当する

理事会に諮るまでもなく 理事長が業務執行に及ぶことは可 と思われます

組合員間で賛否が分かれるかも と 疑義がある場合 あるい諸々の配慮が必要とされることありとの

場合は 

自身だけの判断での執行は 避けるべきと考えます 

 

ということから 広く 組合員の意向を探るべきだとする場合

ベストな途は と 問われれば 総会決議を経ることだ と するのが より妥当となるでしょう

<規約、使用細則等又は総会若しくは理事会の決議により、理事長の職務として定められた事項 >

とあるのですが 実際には 微妙な解釈を必要とする場面が多いです

 

よく訊かれることなのですが

日常的な事項(このことの意味も 一義的に決まっていることではありませんが 一応 

明確な範囲が文言では規定されていない

示されていない事柄のことであって いわゆる 定型的な およそ一般的な判断基準での処理で

結果も許容されること とでも言えそうな事項のこと 

と表現されるようなこと でしょうか)

については

執行部である理事会で執行意思を決めることができるとされるでしょうが 理事会は

なにせ招集によって会合する機関

なので なんでもかんでも 招集会合で ということではなく 一般的には そういった

ことの決定は理事長に委譲されていると考えるべきでしょう

相関連することとして

理事会のことにしても

(理事会) 第51条

2 理事会は、次に掲げる職務を行う。

一 規約若しくは使用細則等又は総会の決議により理事会の権限として定められた管理組合の

  業務執行の決定

とあります

 

総会のことにしても

(議決事項)

・・・・・・

・・・・・・

十五 その他管理組合の業務に関する重要事項

とあります

総会の決定 と 理事会の権限のことで 次のような判例があったりします

《 修繕工事に関し 実施するとの総会の議決があっても 執行部において 議決されたこと

すべて実施(執行)する義務があるということでなくて 実施の権限が与えられた という意味

であるので 一定の裁量が 理事会には認められているというべきである 》 

 

このような理解がされることもあるのです

 

ということで 総会・理事会・理事長という機関の いわば守備範囲のこと  

総会の議決・執行意思の決定・執行権限のこと 

あたりのことの解釈のことでの断言は 少々 勇気が必要となることがあります

 

モチロン 回答担当する者として プロとしてベストを尽くして 諸々の事情を確かめながら 

求めに応じ 助力に努めること 

当然のことですが

 

念のためですが 

条文中の 職員 は 管理組合自身が採用する対象者のことであり 管理会社の雇用者たる管理員

のことを指しているわけではありません

 

ということで 

マンション管理組合管理運営の実際の執行場面での諸々の判断は シンプルな定型作業とはいかない

こと多し

という 本日の 記事でした

今までの実務上の具体例について これまでより多く 示すこと 

できる限り心して増やしていきたい と 考えてはおります 

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