おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

マンション管理士/〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師が生業の巷の一介の素浪人の日常

理事長の行為を訴えた案件の一例

2021-01-06 | マンション〔法 令・判 例〕

 

 

・・・管理組合に代わって
  個々の組合員が 理事長に不法行為による損害賠償を請求できるのか ?・・・

 

 

完成時に一括して支払えばよいとされていた外壁などの工事代金を 理事長が 約束より早めに
支払ったため損害が生じてしまった として 契約どおりの支払時までに運用されて得られたはず
の 約200万円を損害賠償請求する事件が東京地裁でありました〔平成 4年7月〕

 

『裁判で勝訴した時は 得られたものを直ちに管理組合に引き渡す』 として 一人の組合員が 共用
部分の保存行為は単独で行動できるはずだから と 裁判を起こしたのでした


理事長に対する
不法(違法があるとして)行為による損害賠償請求
(債務不履行による損害賠償請求としてではなく)

 

 

マンションの管理運営上の大事な論点のいくつかが この裁判から理解できそうなので 管理運営上
の重要な参考の一例として 説明させていただくことがあります

説明させた頂く概略は 以下のようなこと

・一人で裁判を起こすためのの根拠とされた <保存行為> と理解されるか?

・自身の益のためではなく 管理組合のためにする意思でも この案件の単独の提訴は許されないのか ?

・管理組合の資金の所有権は 誰にあるのか?

・各区分所有者は 徴収された管理費等に対し どのような権利を持っているのか

(仮に 管理組合が法人化されているならば どうか) ?

・・・などなど ですが

 

: 共用部分の保存行為とは 共用部分そのものの現状を維持することと理解すべきで
   
共用部分の工事費の支払に関しての損害の訴求を保存行為と捉えることはできない

: この件の賠償請求権は団体の全構成員に総有的に帰属するにすぎないので 訴求する
  ことによって得られるものを直ぐに管理組合に引き渡しての損害補填の目的であった
  としても 構成員単独での賠償請求は許されない

: 管理組合が徴収する管理費等(管理費・修繕積立金・一時負担金等)の金銭債権
   
管理組合に帰属し 管理組合の固有資産となる
  債権と同様に 徴収された金銭そのものについても 同様の理解がなされる

  そうであるので 個々の組合員は 管理費等の金銭債権金銭の権利者ではない
  法人化していない管理組合は 一般的には 「権利能力なき社団」として組合員全員で
 
その債権金銭を総有(各組合員が持分権を有しない)しているので分割請求はできない

 ≪法人化済み組合では 管理組合法人に債権・金銭が帰属する≫

 

: 他の判例では[総員の同意で 総有の廃止などの処分があれば 持分権・分割請求権が

 観念できることもあり得る]とされていたりしています(最判昭和32年11月) が

 管理組合の通常の運営では どのような解釈がとれるのか

 管理組合では その固有資産を保有し 管理規約の定めに従って 処分できることもある 

 という解釈もあったりします が・・・

 

 

というような説明になります

もちろん 以上も ひとつの 判例 の説明 です

 

いつもいうことですが

配当を得ることが可能となる立場の株式会社の社員(株主)などと比較すると 多少わかり

やすいかもしれませんが

管理組合 と 各組合員 との法的関係

理事長(役員) と 各組合員 との法的関係

それぞれの 委任・受任関係 債権・債務

不法行為の 加害者 と 被害者の捉え方

個々人 と 団体 の 捉え方

 

管理組合員は 専有部とともに 共有部にも レッキトシタ所有権を持つ 一国一城の主の集まり
なので 
複雑な権利義務関係を検討しなければならない場面が 世のサマザマナ組織のあり方に較べても

その性質上 多いのでは ? と思われます


(共用部分の管理)

第十八条 共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、
               保存行為は、各共有者がすることができる。

 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。

 

(選任及び解任)

第二十五条 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によつて、管理者を選任し、
                  又は解任することができる。

 管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、
    その解任を裁判所に請求することができる。


 

 

【最後に 繰り返しますが 
上記の理論は 判例に現われた 地裁等の 一つの見解の 概ね です】


判断 紙一重・・とでも の感じ??

2020-03-06 | マンション〔法 令・判 例〕

 

電力自由化のなかで 電力料金を安くするために地域ごとの大手電力会社から変えるなど 

選択肢を探っている

マンションに高圧一括受電を導入した場合は 居住者は電力会社を変更することができず 

電力自由化の恩恵を受けることができない 

このこと 高圧一括受電導入に反対する理由にもなる

そのような情況に おおむね 変更はないのでは と 考えられる が
(なにしろ めまぐるしいように巷は変わるので 断言することはできないが・・・)

顧問先でのマンションにおいても 電力の供給契約のことで いろいろ検討が行われていた

こともあったりしたので 破棄自判の判決が示されたときは その判断に ある意味 衝撃を

受けたのでした


 

以前に記した [ 所有権絶対 ]と[ 私的自治 ]という二つの原則のことなどを思ったり

マンション生活における 『 共同の利益 』 という実質的な意味を思ってみたり・・・ 



とにもかくにも
マンション管理に携わる者にとって(モチロン マンションで暮らす人にとって) あまりにも重要な
裁判でした



ちょうど 判決が出てから 一年が経ちました
あらためて 読み直したりしました

そのままを 記してみたいと思います


<裁判要旨>

団地管理組合法人が一括して電力会社との間で高圧電力の供給契約を締結した上で団地建物所有者等が当該団地管理組合法人との間で専有部分において使用する電力の供給契約を締結して電力の供給を受ける方式への変更をするために,団地建物所有者等に対し,その専有部分において使用する電力につき個別に締結されている供給契約の解約申入れを,規約を設定するなどして義務付ける旨の集会決議がされた場合において,上記変更は専有部分の電気料金を削減しようとするものにすぎず,上記変更がされないことにより専有部分の使用に支障が生じ,又は団地共用部分等の適正な管理が妨げられることとなる事情はうかがわれないなど判示の事情の下においては,団地建物所有者は上記集会決議又は上記規約に基づき上記解約申入れをする義務を負うものではなく,団地建物所有者が上記解約申入れをしないことは,他の団地建物所有者に対する不法行為を構成しない。

<判決全文>
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/462/088462_hanrei.pdf

 

 

 

つまるところ 専有部分において使用する電力のことの判断であるので 「所有権絶対」ということが
最大の武器 かなとは思われたが なにしろ 
団地建物所有者  542 戸  対   戸  の争訟
ということだったし しかも 原審も それなりの盾を持っているところへの上告であったので やはり
一変したといえる結末は 衝撃的だった


≪ ・・・上記変更は専有部分の電気料金を削減しようとするものにすぎず,上記変更がされないことにより
 専有部分の使用に支障が生じ,又は団地共用部分等の適正な管理が妨げられることとなる事情は
 うかがわれない・・・

 ならば ある意味共同体であっても 個々の所有権者の意思決定までに干渉することは できない ≫

ということあたりを最大の根拠としているように読めるのでは と 思うのですが・・・

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何が起こるかわからない けれど

2019-12-06 | マンション〔法 令・判 例〕

 

 

マンションでの生活 おおよそ比較的強固な建物での日常 まずは 安心

そうであるにしても

たしかに 何が起こるかわからない

とにもかくにも 大災害だって 増えている

関連性も不明な ? 不気味な 地震も 彼方此方に 起きている

 

前回の記事の 補足になりますが ヤヤコシイ範囲で 確かに誤解も多いので

ポイントだけを 記しておこうと思いました ( 繰り返しになるところもありますが )

 

最大のポイントは 「 被災マンション法 」 というのは 大規模な火災・震災その他の

災害で 政令で定めるもの限って そのつど 適用される ということ

一般の場合(いわば個別災害)には 全部滅失で一人でも再建等に反対 とか 大規模一部滅失

の場合
で一人でも反対なら それぞれの場合に可能な 再建等とか建物と敷地の売却等 をする

ことが
できない          (共有物の変更) 第251条 
                   
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、
                   共有物に変更を加えることができない。

前者なら 敷地について共有物分割請求の訴え等になるのでしょう〔民 256・258〕



極くシンプルに繰り返しますが
区分所有建物の全部または一部が滅失した全ての場合に適用されるのではない ということです

 

                

それと 
「 マンション 」にだけ ではなく  「 区分所有建物 」ならば 適用される法律です

店舗や事務所だけの区分所有ビル等も 「 被災マンション法 」の適用対象 だということです

ちなみに 「建替え円滑化法」 は マンションに適用 です





上に記した いわば 特別の場合のことと比較して 少しでもわかりやすくなるかもしれないこととして

区分所有法上の(いわば おおよそ通常の状態時のための法律上の)建替え決議 というのは

既存の建物を取り壊し かつ 敷地もしくはその一部の土地またはその敷地の全部もしくは一部を含む土地

に 新たに建物を建築する旨の決議 》

なので

マンションの 全部が滅失し または朽廃してしまった ような 場合 には 

区分所有法の建替えの規定などは適用できないのです(取り壊す建物が そもそも存在しないのだから)

それなので 特別な法律が必要となって「 被災マンション法 」などがあるのです

                     

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売渡を求めたり買取りを求めたり

2019-12-05 | マンション〔法 令・判 例〕

 

 

 

マンションというものの歴史も それなりに長い ともいえるでしょう

区分所有法という法律が施行されたのは 昭和38年4月1日

その時期からしても 約60年が過ぎていてるのです



その建物と敷地の間柄もサマザマな形のものがあり 敷地権の

仕組みにくるまれて おおよそ不安を覚えることなどナイ という

ものばかりでは 当然 ? ないのです

長い間 穏やかに? 住環境が続いていても 事が起こり 経緯を

追って権利関係をあからさまにしなければならないことも 起こり得るのです


建物には 敷地というものが 必要です

区分所有者が敷地を利用する権利を持たない場合は 敷地の権利者は

専有部分の収去を請求できるということになります〔権利のない者が敷地を勝手に使えないのは 当然のこと〕

区分所有法 10条

(区分所有権売渡請求権)
第十条 敷地利用権を有しない区分所有者があるときは、その専有部分の収去を請求する権利を有する者は、
     その区分所有者に対し、区分所有権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。

一例をあげますと 

区分所有者が敷地を賃借したけれど 解約権留保特約で解約されたり 賃料の不払い等で解除されたり

という場面もあります

専有部分の収去とはいっても 実際は物理的にも 社会の通念上も まず 不可能

そこで 時価で売り渡すことを請求できるとされているのです

硬い話になりますが この権利は形成権というものなので 意思を伝えれば 一方的に売買契約成立の効果

が生まれます
 
 
マンションの仕組みでは 広い意味で 似たような権利として

売渡請求 : 建替え関係で 建替の不参加者に対しての 区分所有権・敷地利用権の売渡請求   〔63条〕

買取請求 : 建物の一部が滅失し復旧などで賛成者以外の者からする建物と敷地権利買取請求  〔61条〕

被災マンション法〔4・12〕にも類似の仕組みがあります
 
積極的に復旧・建替えへの参加の心を持つ者が使う [売渡請求]
消極的に離脱することを望む者が使う[買取請求]
という感があるのでしょうが マンション生活 いつ どのようなことがあり得るのか ?

もっとも 戸建であろうと どのような住環境にあろうと サマザマなことがあり得ることは 同様

 
 
政令で定める災害によって大規模滅失した場合には

区分所有法による復旧 〔 61 〕

建替え 〔 62 ・ 70 〕

建物敷地売却 〔 被災マンション 9 〕

建物取壊し敷地売却 〔 被災マンション 10 〕

取壊し 〔 被災マンション 11 〕

一括建替え等決議 〔 被災マンション18 〕

の決議があり得ます


 
敷地についての共有物分割請求〔 民法256 〕のみが可能という場面もあったりします
 
 
 
被災マンション法の正式な名前は 

< 被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法 >
こういった法律に関し よく 述べられることとして
『 区分所有法という民法の特別法が用いられるのは 区分所有の建物が現に有る場合に限られる


建物の全部が滅失した場合には 法律上「建物」は存在しないで 瓦礫などが土地の一部として在る

だけで 建物全部が災害によって滅失した場合も同様で 共用部分等共同の管理に服すべきものが

無い以上 法律上区分所有者もその団体も存在しない
  

区分所有法を適用する余地はない 』

 
 
 
建物全部が滅失した場合 それについての定めは 区分所有法 には ありません
 
 
建物の「朽廃」とは 偶然の事故によってではなく 物理的社会的な耐用の限度を超えることによる

効用を失うこと と理解されましょうが 「滅失」と異なって 予測と対策は 不可能なことではないこと
 
ということですが 「朽廃」のケースに「滅失」に関しての扱いが許されるか ?  61条のことか18条の

ことなのか 諸々 説はあるようで・・・

ということで とにかく マンション関係法規は 奥が深い です

 
 
当地 不気味な地震の連続  茨城・栃木・群馬で 正体がハッキリしないような 不明の ?

そんな折の 相談などは 熱心な理事さんから サマザマな突発的なケースのアレコレなども問われ

あり得ないことではないので 次から次と 円環的に条文などを漁りながら 確認しながらの 

タドタドシイ 説明になってしまい

実力の涵養の必要を ドカーン と 反省させられ 

シンミリと 

冷めたコーヒーを ススッタリ

するのです
 
 
              
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共用部分からの収益を頂きたい ?

2019-11-15 | マンション〔法 令・判 例〕

 

 

 

役員になって 法というものに 初めて具体的な条文などで接するチャンスを

得ることがあると

いろいろと 疑問が湧き 興味を持ち それをキッカケに 学習するようになる方も 

多いです(お見受けするに もともと 学習するということが 好きなような方 なのかも

しれません)

 

 

 

そのような組合員さんから

『 駐車場などから上がる収益は 持分に応じて 一人ひとり 組合員がもらえる

 というわけではないのですか ? 共有者なのですから権利はありますよ ね・・・ ? 』

と 質問

疑問に思うのも ある意味 モットモ ? とも言えそうな・・・

 

 

 

区分所有法

(共用部分の負担及び利益収取)
第十九条 

各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、


共用部分から生ずる利益を収取する
 
 
 
次のような 裁判がありました

駐車場からの収入をエレベーターのための修繕積立金・補修工事用に充てるとするため

規約の変更をしたところ 反対した組合員が 駐車場収入について 持分による自己への

収益金分配を主張したのでした

 

< 各々の組合員が 当然に具体的な請求権というものを行使できる ということでは
 
なく 団体的な拘束から自由というわけではない(団体の事業として 一連の団体的な

意思形成と業務執行で得られる 収益 というものなのだから)ので 共用部分から生じた

利益は いったん 団体に合有的に帰属し 団体の財産を構成し 集会決議などで諸々

決められて初めて 具体的に行使ができる権利としての収益金分配請求権が発生する > 

との要旨の 判例があります 〔 千葉地裁 平成8年9月4日 〕

 
 
 
参考までに
 
標準管理規約(単棟)には 

(使用料) 第29条

駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料(以下 「使用料」という。)は、

それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。 
 
 
とする条項があります
 
 
 
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紙一重 的 とさえ言えそうな?

2019-11-11 | マンション〔法 令・判 例〕

 

 

 

 

前出の ブログを記しながら思ったことですが

高裁控訴審段階で 前審を変更しているのですが 

内容をながめると 利益相反管理運営下での区分所有者・管理組合・役員・

管理会社・工事会社 が諸々かかわる事案 そのもの

のような案件でしょうが

ここまで結論が翻った決め手は

管理組合という私的団体においての団体意思の規約明文約束事を より重視するか

それとも それに依っていては なんとも理不尽な結論に

なりそうなところに メスをいれるような手法として 

民法645条の威力を引き出してきて(さまざまな団体関連法など法的分野から 

その後ろ楯となる妥当性の根拠を呼び集めて) 決め手とした

というような・・・



裁判というもの 波乱万丈展開読めぬドラマ という感あり

ということを 思いおこされたのでした

 

約5年ほど 北の地の法律事務所で 弁護士の指示で事務所内で蠢いていたの

でしたが 身をすり減らす闘争 という実感を味わいましたので すこしは

裁判というものの 紙一重感?的か? というものも 理解できるのです


それにしても 判決文を読むと マンション学関連知識が ワンサカ登場し

学習に実務に とても インパクトがありますね

白熱のヤリトリの雰囲気が 情報に漂っています

 

まったくのところ 一旦管理運営上の疑義が膨らむと 格闘となりえること

実例のオドオドしさ 理解できます


 

 

おおよそ 組合員は 我関せずの日常で そういった事態も やむを得ない

(日々の生活で 手一杯 とのことやらで)かもしれませんが

任せきり 無関心 からの手当て手遅れ過ぎは 断じてあってはいけないこと

私的とはいえ それなりの資産管理団体として 社会的資産 という面ももち 

周辺環境にも物的ばかりではなく おおいに 影響を与える組織なのですから



判決文にも 国交省発の管理の適正化の指針 が登場していますが この告示も

裁判官によって 判断の証拠資料的に扱われていますね

 

そうしたこともあり

先日 この指針についてのセミナー講師を担当したばかりの 今

とっても 思うところありの 前出ブログでした

 

指針 というものの有用さを あらためて思ったことでした

 

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知識 の 罠

2019-10-20 | マンション〔法 令・判 例〕

 

 

 

自身も気をつけていることなのですが

ある範囲の知識を持っていて それに関した検討議論がはじまったとき

つい 曖昧な知識のまま やや 暴走的に発言を拡げてしまうことが

ときに あったりします

 

 

 

『理事会には 執行部としての 裁量権というものがある

総会は管理組合の最高議決機関

だからといって 全ての事項を隅から隅まで決めなければならないということは困難すぎる

 

執行部の裁量に基づき事をすすめることを委ねる ということも 妥当なことといえる

判例にも 総会議決と執行部裁量など そうしたことに関して述べたものがある

 

それらのことをふまえて この場は執行部を信頼して 議決成立ということで 収めてもらいたい』

 

こうした発言があったとして 

内容を見ての感想として とても曖昧なものを含んでいそうで 後々 心配 と 感じられると

思わざるを得ない とも言えそうですが・・・

皆さんの感覚では どのようにな解釈に落ち着きそうでしょうか ?

 

 

 

総会で 修繕工事を実施するということが 議案として登場

反対者の 威力ある?発言 により 会場が騒然とした状態となった

執行部の一部の者が なんとか場を収めようと

『 総会で議決されても 必ずしもそれを決行しなければならない

わけではなく 実行してもいいのだ というお墨つきをもらうことにすぎないのです

それなので ここでは 一応 工事承認の議決をさせてほしい 』

 

このような進行の下での総会終了後 しばらく経って 工事開始となって

反対者は “御墨つきだけだ ナンゾと言っていたのに 騙された” と 反発を強め 

妨害行為が始まってしまうかも ? しれません

執行部追及が起こりかねません

 

 

 

理事会の裁量権に関しての判例として <東京地判平成24.3.28> があります

事案の概要は 

大規模修繕工事の施工が総会で決まったが 一部組合員の店舗前の共用部分のタイル張替等の工事

は その組合員のそれまでの規約違反に対する扱いなどの諸々の事情から 理事会決定で 留保された

というものでした

 

総会で決められたことを なぜ 実行しないのだ という主張と損害賠償請求等に対し

裁判所は 

《 総会での工事決定とは すべてについて理事会がその実施を義務付けられたというものではなく 

 執行(実施)する権限が授与されたもの というべきで 実施するにあたって 理事会には 

 一定の裁量が認められているというべき 》

と判断したのです

 

 

要するに 総会決定のことでも すべてについて実行すべき義務を負っているわけでは

ないのだ

実行することはかまわない という許しを得た ということなのだ 

という趣旨

と 解されましょう

 

いずれにせよ

理事会の裁量権とはいえ 総会での工事実施決定を全面的に撤回するような裁量が不当

であることには 異論が無いと考えられます

あくまで 事案によっての 一定の裁量 のことを認めている ということでしょうから

 

総会は 管理組合における 最高の意思決定機関です

 

 

 

あくまで 一つの判例     事案によって どのような適応となるのかも定まっているわけではありません

持っている知識を 正しく よく調べて 

採用するか否か

その知識を適用すべき場面なのか 

そのことに気をつけなければいけません

集合体としての 管理組合運営   後に タイヘンなことになり得ます

学習しているから大丈夫 という人ほど その点 十分に注意する必要があると思います

 

なんとか この総会を収めて 自分の務めを全うしなくては ということで どちらかというと

几帳面すぎるような ? 責任感が強すぎるような ? そうした方にみられるような傾向 ?

特に 新人役員さんに ありがちなのですが 中途半端な にわか理論を持って走ってしまうことが

ありますので そうしたことの関連事例を記してみました

 

 

 

それにしても 〔裁 量 権〕 と 〔一定の 裁 量 権〕 との違い 重いですね

           

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債務の相続

2019-10-09 | マンション〔法 令・判 例〕

 

 

 

昨日のブログに直接関係するものではないのですが

共有 という感覚に近いもので 思い出す重要な判決が

あるので それを思い出しました

 

 

それを材料にして 例としてですが

 

マンション住人の Cさんが Bさんと連帯して(負担部分平等) Aから900万円を借りていた

のですが 突然亡くなってしまった

Cさんには 3人の相続人(相続分均等)がいるが この3人は Aから どのように請求されるか

連帯の債務なのだから 請求としては 『900万円払え』と請求されるのか ?

(最終的に Aは計900万円で

満足することは当然 として

<利息のことなどは考慮しないでの例>)

 

 

有名な判決があります

・・・・・・・最判昭和34年6月19日

連帯債務は、数人の債務者が同一内容の給付につき各独立に全部の給付をなすべき債務を負担しているのであ

り、各債務は債権の確保及び満足という共同の目的を達する手段として相互に関連結合しているが、なお、可分

なること通常の金銭債務と同様である。

ところで、債務者が死亡し、相続人が数人ある場合に、被相続人の金銭債務その他の可分債務は、法律上当然分

され、各共同相続人がその相続分に応じてこれを承継するものと解すべきであるから、連帯債務者の一人が死

した場合においても、その相続人らは、被相続人の債務の分割されたものを承継し、各自その承継した範囲に

おい本来の債務者とともに連帯債務者となると解するのが相当である・・・・・・・

 

不等額連帯債務関係 などと呼ばれたりもします)

 

 

ということで 上の例の3人は それぞれ 『300万円』の範囲で 請求される ということになります

 

青字のところが ポイント でしょう

求償される負担部分とかを考えると 数字としては

900・450・300 とかの数字が浮かび上がると思われますが 青字のところを シンプルに理解する

と C が負っていた連帯債務金900万円の3分の1 として 300万円 ということで

 

 

 

 

顧問とか相談役 とか マンション関連業務といっても 管理運営に関して 単に私的とは

断言できないような アッサリとそのようには言えないような サマザマな問いもあり

そのような問いも つまるところ 管理運営の助力になるようなことであったりします

 

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亡くなった組合員に相続人がいない

2019-10-08 | マンション〔法 令・判 例〕

 

 

本日も マンション管理士試験受験者さんの学習の参考のことですが

住民さんも 関心がある方は お読みくださると うれしいです

 

あり得るかもしれない事例 ですので

 

 

区分所有者が死亡したとき 相続人が不存在で 特別縁故者への財産分与がなく(最高裁判例は 

民法255条での他の共有者への持分帰属よりも 特別縁故者への財産分与を優先させています)

共有者もいないならば 

専有部分(住んでいた部屋)は 国庫へ ということとなります(民法959)

敷地の利用権については 他の部屋の持ち主さんたちと敷地の共有で 民法255条を

そのまま適用ならば 

それら共有者の持分に配分ということになってしまいます

 

そうすると 

専 有 部 分 (部 屋)       ⇒  国 庫

敷地利用権の共有持分            ⇒  他の区分所有者

となってしまい 分離処分禁止なら それに反してしまいます(区分所有法22・24条)

 

そこで 区分所有法24条で 敷地利用権には 民法255条の適用を除外しています

そうすることによって 部屋と敷地についての権利が分離しないようにしています

つまり 部屋も敷地の権利も 国へ ということ

 

 

上のことを説明するためには 次のような条文が登場することになります

ビッシリと 条文が絡みます

 

 

 

<省 略 部 分 も あり>

 
《 区分所有法 》
 

(分離処分の禁止)

第二十二条 敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、区分所有者は、その有する
 
専有部分
 
その専有部分に係る敷地利用権とを
 
分離して処分することができない。
 
ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。

 

 

(民法第二百五十五条の適用除外)
 
第二十四条 
 
 
 
 
二十二条第一項本文の場合には、民法第二百五十五条(同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)
 
の規定は、
 
敷地利用権には適用しない。
 
 
《 民 法 》
 
(持分の放棄及び共有者の死亡)
 
第二百五十五条 共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分
 
は、他の共有者に帰属する。
   ↑
【共有物弾力性の原則】
 
 
(特別縁故者に対する相続財産の分与)
 
第九百五十八条の三 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を
 
同じくしていた者、
 
被相続人の療養看護に努めた者
 
その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、
 
清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
 
 
(残余財産の国庫への帰属)
 
第九百五十九条 前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する
   ↑
【国庫帰属の原則】
 
 
 
 
 
 
少々込み入っているかもしれませんが まとめて覚えておくと 一石二鳥的に 理解できることに
 
なるかもしれません
 
 
 
 
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団体等 議決権代理 役員指定 など

2019-09-18 | マンション〔法 令・判 例〕

 

マンションで ○○株式会社など いろいろな法人などが 専有部(部屋)の所有者となっている場合

所有者自体が 自然人 ではないので

そのマンション管理組合員としての 権利義務のあり方の理解に 困ることがあったりします

 

ある意味 細かいことですが

総会での議決権 や 役員に就任のこと などで 諸々 考えさせられることなど

実際に 問題になったりすることがあります

 

 

 

規約などには 「代理人は 組合員に限る」 などとあっても 自然人以外の場合等

の実際の 行使のあり方など 輪番制役員の場合の 実際の理事会参加者のこと など

そのあたりのことまでを 正確に定めてあるものは 

まず 見たことがありません

 

いろいろ トラブルになることもあり得ます

 

(あの人は 議決権を行使できる立場にはなかった どういう権限があったのだ

とか

理事会に参加していたが 権限も明らかでない者が加わっている執行部方針など 無意味だ

議案がオカシイ のだから 議決をやりなおさなければならない

というような争いになりかねません

 

そういったことには 整理整頓された理論で疑念を取り払いながら 進むべきで 曖昧なままの

進行は 後に 無益な エネルギーを要し 長期 非難合戦に拡大してしまうことも あります

役員あるいはその候補者間派閥抗争などの キッカケとなる代表的なこととして 

手続き上の瑕疵の扱いの杜撰さ が 挙げられます

議決権行使のあり方 や 役員の資格に関することは 問題点としてとりあげられること 多しです)

 

管理に熱心な 学習好きな?組合員さんから 質問を受けたりしました

 

 

いろいろ考えていく場合に関係資料となるようなものを 載せておきたいと 思います

 

 

〔考える参考になる 判例〕

一、株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合

  株主である地方公共団体、株式会社の職員又は従業員による議決権の代理行使

 
[裁 判 要 旨]
 
 
 一、株式会社が定款で株主総会における議決権行使の代理人の資格を株主に限定している場合においても、
 
   株主である地方公共団体、株式会社が、その職制上上司の命令に服する義務を負い、議決権の代理行使に
 
   あたつて
 
   法人の代表者の意図に反することができないようになつている職員又は従業員に議決権を代理行使させる
 
   ことは、
 
   右定款の規定に反しない。              <最判 昭和51・12・24>
 
 
 
 
 
株式会社の場合の議決権のことですが マンション管理組合 に置きかえて考えると
 
とても参考になると思います 
 
定款 を 規約とみる などしながら 眺めてみてください
 
 
 
もっとも こういった場合は 代理ではなく 使者ととらえてしまう解釈もあり得るのではと思いました
 
そのように解することが可能なら 議決権の代理行使者ではないので 議決権行使の代理人の資格を株主に限定
 
している場合においても アーダコーダと争うことも必要ないのか と ?
 
 
 
〔考える参考になる国交省コメント〕
 
 
標準管理規約の 35条関係のコメント
 
本標準管理規約における管理組合は、権利能力なき社団であることを想 定しているが(コメント第6条関係参
 
照)、
 
役員として意思決定を行える のは自然人であり、法人そのものは役員になることができないと解すべき であ
 
る。
 
したがって、法人が区分所有する専有部分があるマンションにお いて、法人関係者が役員になる場合には、
 
管理組合役員の任務に当たるこ とを当該法人の職務命令として受けた者等を選任することが一般的に想定
 
される。
 
 
外部専門家として役員を選任する場合であって、法人、団体等から派遣を受けるときも、同様に、当該法人、
 
団体等から指定された者(自然人)を選任することが一般的に想定される。
 
 
 
 
※ なお 念のためですが 区分所有法上の管理者ですが 法律上 資格に制約はありません
     法人でも可とされています
     
     参考までですが 一般に 法人は他の法人の理事となることはできず(大判昭和2.5.19)
     法人法<一般法人法>には その旨の明文もあります(65条)
 
 
 
 
 
 
 
 
ということで 自然人以外の関係では いろいろ 独特な 考慮を要することがありますが 
 
上記のようなことも
 
参考になるかもと 記してみました
 
 
 
もっとも 上記のコメントの文章のなかにさえ 権利能力なき社団・自然人・職務命令・外部専門家・法人、
 
団体等・派遣・指定された者・
 
など 専門用語 や 一般的な語の理解でもって解釈していいのかどうか明確でない語が 
 
登場しています
 
率直に言って アッサリと理解できる内容というわけにはいかない と 考えられます
 
 
派遣 という語など チョット 身構えてしまうような表現だと思える(遣わす者 遣わされる者 
 
どちらが マンション管理組合との当事者なのか
 
少々 迷う かもしれないし 派遣法などのことを想起したりしてしまう が) 
 
法人そのものは役員になることができないと解すべき
 
とコメントされている ので つまるところ 役員は その遣わされた者と解さざるを得ない が
 
その遣わした者と 管理組合の法的な関係は どのように理解すべきなのか
 
一切 無関係 とは 少々理解し難く思える だが・・・・? そう捉えるのだ  と
 
国交省担当者からは伺った
 
それと 念のためだが コメントに登場する 派遣 という語は 労働派遣法関係定義に
 
無関係である 
 
とのことも 伺った)
 
 
 
〔 ここでは 詳細なことは 省いています
いろいろと 専門的な理論の説明をしながら
でないと ナカナカ 理解していただけないような
説明も とても長文になるような 困難なところ
ですので 〕
 
 
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