おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

注意なさってください

2023-05-31 | マンション管理関連試験等サポート   

 

次のような 質問(怪訝そうな 多少 怒りを含んだような ? お声で)が 

学習者さんから ありました


 『 マンション法に係わっている第一人者であるともいえる学者さんが

 <管理者は 区分所有法26条4項によって 基本的に区分所有者を代理して訴訟をする>

 と 著書に記しています

 訴訟の当事者 と 訴訟代理 のことあたりの

 昨日の 2012年度問5の肢1の解説は おかしな記述なのではないでしょうか ?

 誤り ではなく 正しい となるのではないでしょうか ? 』

 

 

自身も利用させていただいた 尊敬する学者さんの著したテキストでの記述

<管理者は 区分所有法26条4項によって 基本的に区分所有者を代理して訴訟をする>

という意の文章については以前から気になっていたのです

が・・・

過去にも 数件(各々の著者・著書について) そうしたことなどの指摘 というか 情報を 

出版社・編集者さんなどに報告しても 反応があったためしがないようなこともあり・・・

ついつい [そのうち 改訂版がでるだろうから] ということで・・・進言継続することを 

していなかったのでした (スミマセン  モウシワケアリマセン)

自身は その方面の業界とはマッタク無縁の 一介の 巷の 学習者の端くれにすぎません が・・・

 

 

もしも 皆様のテキスト等に

<管理者は 区分所有法26条4項によって 基本的に区分所有者を代理して訴訟(原告・被告となり)

 をする>

という類の記述がありましたなら 

また 関係国家試験資格保持者さんなどが そのような説明をしているようでしたならば

自分自身で検討し 判断し 精査した知識としてから

学習・受験資料となさいますよう 

どうぞ ご注意なさってください 

アイマイな知識のまま 無念なことに遭遇などしてしまいませんように               


前日の記事に関しての 追記 です

2023-05-31 | マンション管理関連試験等サポート   

 

昨日のブログの追記 です

載せておいたほうが好いと思われる民法条文などがあるので 記しておきます

肢4 に 登場していた <訴訟告知>などに関して です

 

2017年の民法改正で 債権者代位訴訟・詐害行為取消訴訟に関して 
訴訟告知を 義 務 付 け る 規定があります


民法

第二款 債権者代位権

(被代位権利の行使に係る訴えを提起した場合の訴訟告知)
第四百二十三条の六 

債権者は、被代位権利の行使に係る訴えを提起したときは、遅滞なく、債務者に対し、
訴訟告知をしなければならない
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
第三款 詐害行為取消権
 第二目 詐害行為取消権の行使の方法等
 
(被告及び訴訟告知)
第四百二十四条の七 

詐害行為取消請求に係る訴えについては、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該
各号に定める者を被告とする。
一 受益者に対する詐害行為取消請求に係る訴え 受益者
二 転得者に対する詐害行為取消請求に係る訴え その詐害行為取消請求の相手方である
       転得者

2 債権者は、詐害行為取消請求に係る訴えを提起したときは、遅滞なく、債務者に対し、
    訴訟告知をしなければならない


 



以前のブログを 貼っておきます(ポイントだけでも 参考になさってみてください)

 
 
 
 
 
 
 
 民事訴訟法・民事執行法 あたりの出題率は ほんのワズカ であるので
 そこに学習時間をあてるのは 合格のためには 冒険 ? であると思われます
 が
 マッタク 投げ出すのは 得策ではない気がします
 <超入門テキスト>の類を 検索して 一読 いや 二読 ほど してみると
 好いのでは と 思われます (自身の 学習スケジュールと相談してみて)
 あるいは 過去出題の超基本定義だけでも 検索し 理解しておく とか・・・


                                
 
    よろしくお願いいたします - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)                                                 

管理者として できること

2023-05-30 | マンション管理関連試験等サポート   

 

本日の マンション管理士試験過去問学習は

2012年度 問5 です

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                                                                                      ※  問い方を変え 利用させていただいております

【問 5】 

管理者に関する次の記述のうち、区分所有法、民事訴訟法及び民事執行法の規定による正誤を
答えよ。


1 管理者は、区分所有者のために、原告又は被告となることができるものであり、管理者が
  原告又は被告となった訴訟の確定判決の効力は、区分所有者には生じるが、管理者には生
  じない。


2 管理者は、その職務に関し、原告又は被告となることができるものであり、区分所有法で
  定める管理者の権限の範囲内において、原告又は被告となることが認められる。



3 管理者は、原告又は被告となることができるものであるが、仮差押え、仮処分の申請をし、
  又はその相手方となること並びに民事執行及び民事調停の当事者となることもできる。



4 管理者は、規約により原告又は被告になったときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通
  知しなければならないが、区分所有者に対し訴訟への参加を求める訴訟告知をする必要は
  ない。
 
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
 
 
 について                 誤   り
 
 管理者は自己の名で訴訟を追行する当事者ですから 確定判決の効力が及びます
                            (民事訴訟法115条1項1号
 
 第三者(管理者)の受けた判決の効力は 権利義務の主体とされている者(区分所有者)に対
 しても及びます                    (民事訴訟法115条1項2号


(権限)
第二十六条
4 管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し、
  区分所有者のために、原告又は被告となることができる。

   ※ 区分所有法26条4項で 区分所有建物の管理者の職務に関する訴えを 管理者が任意的訴訟
     担当者(第三者による訴訟担当という制度のひとつ)として訴訟追行することが認められます
     <権利義務の主体であるところの区分所有者からすると 管理者は 第三者 です
      その第三者が 権利義務の主体である区分所有者のために 原告又は被告となるのです>

     権利義務の帰属主体である区分所有者のために その授権(規約又は集会の決議による)に基
     づいて第三者(管理者)に訴訟担当者としての当事者適格が認められているということです
 
     任意的訴訟担当者であって当事者である管理人が判決名宛人なので 管理人に判決が言い渡さ
     れることになります
     当事者ですから 管理人にも訴訟の確定判決の効力が及びます[民訴115条1項1号] 
     

     <念のため>
     管理人は当事者なのですから 当事者の権利として訴訟代理人の選任権(民訴54条)があり
     ます(訴訟代理人は 当事者ではなく あくまで 代理人です
        あくまで 本人が当事者 です
    
 民事訴訟法
(確定判決等の効力が及ぶ者の範囲)
 第百十五条 
 確定判決は、次に掲げる者に対してその効力を有する。
 一 当事者
 二 当事者が他人のために原告又は被告となった場合のその他人

               ※ この 他人 とは  当該区分所有者

 
 
 
 について                   正しい
 
 
  その職務に関し 区分所有者のために原告又は被告となることができる
  ので 管理者の権限の範囲に限られることになる
 

 
(権限)
第二十六条
4 管理者は、規約又は集会の決議により、その職務(第二項後段に規定する事項を含む。)に関し
  区分所有者のために、原告又は被告となることができる。
 



 
 について                    正しい
 
 26条4項には 仮差押え仮処分の当事者になること や 民事執行及び民事調停の当事者
 となることも含まれる と 解されています 
 
 
 
 
 
  について                   正しい
 
 「通知」に関しては 区分所有法の条文どおりです
 
 「訴訟告知」を行うことは義務付けられていません
 
     ※ 「訴訟告知」とは 当事者の一方が 訴訟係属(裁判所で審理判決される状態のこと)を
        第三者に知らせる行為(参加の機会を実質化してやる等の意義があります)です
 
 
 

 
(権限)
第二十六条
 
5 管理者は、前項の規約により原告又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を
  通知しなければならない。

民事訴訟法
(訴訟告知)
第五十三条 
当事者は、訴訟の係属中、参加することができる第三者にその訴訟の告知をすることができる。
 
4 訴訟告知を受けた者が参加しなかった場合においても、第四十六条の規定の適用については、参
  加することができた時に参加したものとみなす。
 
〖参考までに〗
 ・・訴訟への参加を求める訴訟告知・・ という文言は 不適切だと思われます
 <  求める という部分は 促す という表現が妥当だと思われます が ← 私見です >

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
ということで このような出題もあり得る ということです
ので 載せさせていただきました

                        
                                    
 

エレベーターは利用してません が ?

2023-05-28 | マンション管理関連試験等サポート   



顧問としての経験上 管理費の増減が問題になったときに おおよそ登場する意見・主張は

[一階に住んでいてエレベーターの利用など まず ないのに なぜ 管理費負担が
 同じ専有部分面積同士で差がないのだ ? ]

という 設備の利用頻度を理由とする不満 です

「屋上保全の工事のために 業者さんが利用するなど つまるところ 建物利用管理の

 ための 資産管理のための全員のためのエレベーター でもあるので・・・」という

ような説明ではナカナカ納得していただけなくて

そのような場合には 現実論として 利用頻度を基準にしての管理費設定ということが 

一般論として 可能であるか ? というようなことも 延々と 論議になったり

する[どのような精度の基準を設け 対象となる日々の査定は 誰が担当し得るのか ??]

そのような議論まで 登場するのが常 でした が・・・

同様なことは 共同で設置するインターネット環境設備等においても [ パソコンな

ど不必要な者にまで その関連の管理費用を負担させるのか ? ] という主張が

あったりします

 

さて 本日の マンション管理士試験過去問学習 です

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2012年度                                                              ※ 問い方を変え 利用させていただいております

【問 4】
 
管理費等の負担に関する規約の設定についての次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定並びに
判例による正誤を答えよ。
ただし、各区分所有者の専有部分の床面積は同じものとする。


1 住居と店舗が混在するマンションにおいて、住居部分と店舗部分の区分所有者について、異なる
  管理費等の負担を内容とする。


2 エレベーターのあるマンションにおいて、1階部分の区分所有者とそれ以外の区分所有者につい
  て、異なる管理費等の負担を内容とする規約を設定することができる。


3 住居専用のマンションにおいて、居住者が日本国籍を有するか否かによって、異なる管理費等の
  負担を内容とする規約を設定することはできない。


4 住居専用のマンションにおいて、現に居住する区分所有者と現に居住していない区分所有者につ
  いて、管理組合の運営のための業務負担に応じ異なる管理費等の負担を内容とする規約を設定す
  ることはできない。

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区分所有法
(規約事項)第三十条 

建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に
定めるもののほか、規約で定めることができる。
3 前二項に規定する規約は、専有部分若しくは共用部分又は建物の敷地若しくは附属施設(建物の
敷地又は附属施設に関する権利を含む。)につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利
用状況並びに区分所有者が支払つた対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡
平が図られるように定めなければならない


 
 
1 について                     正しい
 
 使用目的に応じて 共用部分等の使用状況の差異があるなどの事情があるならば それらを考慮して
 管理費等の負担を定めても 合理的な範囲内にあるなら 区分所有者間の利害の衡平が図られる 
 ので 肢のような規約を設定することができる



2 について                     正しい
 
 エレベーターの利用状況に差異がある場合 それを勘案して異なる負担を定めても 合理的な範囲内の
 差であるなら 区分所有者間の利害の衡平が図られる ので 肢のような規約を設定することができる
 
     
    参考として 載せておきます
  <1階の区分所有者であっても エレベーターの保守管理費を負担しなければならない
                           札幌地判平成14・6・25>
  <管理経費の負担割合をどのように定めるかは 区分所有者の内部自治に委ねられる
   性質の事項であり 持分割合以外の要素を加味することも可能である
                           大阪高判平成18・5・18>

 
3 について                     正しい
 
 居住者が日本国籍を有するか否かによって管理費等の負担に差異を設けることは 公序
 良俗に反し合理
的な理由がなく 区分所有者間の利害の衡平を害するので 設定できない 


   民法
  (公序良俗)
   第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

  
  
              
 
4 について                     誤 り
 
  現に居住する区分所有者と現に居住していない区分所有者について 管理組合の運営の
  ための業務負担に応じ 異なる管理費等の負担を内容としても その違いが合理的な
  範囲にあるならば区分所有者間の利害の衡平は図られるといえるので 肢のような規約
  の設定も許される

 
  参考
  < 非居住区分所有者に協力金の賦課をする規約の変更が有効とされた
                     最高裁平成22・1・26第三小法廷判決 > 
 
                            
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   
  
 
 一切利用したことがないのに  それなりに利用している者と  
 同様の負担を
 ナニユエ
 しなければならないのだ ???
 
 その思い わからなくもない のですが・・・
 しかし・・・
 
 この悩ましい課題 マンションに限らず 巷に 多少 ? ありますよ ね
 皆さんの周辺では いかがなものですか・・・
 
 おおよそ イタシカタナイ こと多し ということ ? なのでしょう ネ


 共生 という言葉を 思ってみたりします
 
                  
                              
                           はたけやま・とくお事務所(goo.ne.jp) 



 

 

    

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前記事の追記です

2023-05-25 | マンション〔法 令・判 例〕

 

前回の記事に関して付け加えておくべきことを 
失念していました(スミマセン)


 おおよその基本書には登場していると思われますが・・・
 区分所有法6・57条等に関して



 最高裁平成24・1・17 

 その行為が共同利益背反行為に当たるか否かについて 
 その判断の対象となる行為が建物の管理または使用に
 関してなされたものであるのかそうでないのかという
 ことについて 問題にしていません

 <このことが 有斐閣マンション判例百選での解説には
  ・・本判決は、共同利益背反行為か否かの判断にあた
  って、専ら利益侵害の有無を問題とし、行為態様によ
  る限定を不要とした。これは最高裁判所として初めて
  の判断であり、本判決はこの点で意義を有する。・・
  と記されています>

差し戻し前の原審(東京高判平成22・7・28)では
 
建物の管理又は使用に関し」てなされたものではないのだから
当該行為(ひぼう中傷文書配布・掲出  防水工事受注業者への
業務妨害行為 等)は共同利益背反行為に当たらない
と されていたのでした



共同の利益のこと

2023-05-25 | マンション〔法 令・判 例〕

 

管理組合 に関しては 独特な内容の裁判が設けられています

   第七節 義務違反者に対する措置

(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
第五十七条

(使用禁止の請求)
第五十八条 

(区分所有権の競売の請求)
第五十九条

(占有者に対する引渡し請求)
第六十条 

 

どのような行為についてならば 上記に登場の裁判を起こせるのか は ナカナカ 微妙な

点の検討を要することもあります

 

そこで 本日の マンション管理士試験過去問学習 です

(区分所有者の権利義務等)
第六条 
区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の
利益に反する行為をしてはならない。
 
との条文に関するものです
                                                                                       ※ 問い方を変え 利用させていただいています
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
 

平成24年度 

【問 2】
 
区分所有法第6条第1項の区分所有者の共同の利益に反する行為に該当するか否か、各肢につき答えよ。


1 直上・直下階の特定の区分所有者間の騒音問題について、一方の当事者が虚偽の事実を記載した文書
  を作成し、それを他の区分所有者に配布する行為


2 隣接する専有部分2個を所有する所有者がこれを1個の専有部分とするため、その間にある耐力壁で
  ある戸境壁を勝手に取り壊す行為


3 廊下、階段室に私物を置いて倉庫がわりに使うなど区分所有者の一人が共用部分を使用し、その結果
  他の区分所有者の通常の使用が妨げられるような行為


4 専有部分で営業を行っている区分所有者が勝手に外壁やベランダに看板を取り付けたり、屋上に広告
  塔を設置したりする行為

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


1 について                該当しない
 
  特定の紛争当事者間においての侵害行為と捉えられるので 区分所有者の共同の利益に
  反する行為 とまでには至っていない と 解されよう

 
2 について                該当する
 
  建物の保存に有害な行為であるので 区分所有者の共同の利益に反する行為に該当する

 
3 について                該当する             
 
  共用部分を不当に使用するものなので 区分所有者の共同の利益に反する行為に該当する

 
4 について                該当する
 
  共用部分を不当に使用するものなので 区分所有者の共同の利益に反する行為に該当する 

 
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 
肢1については 
利益侵害の程度によっては 生活妨害等やプライバシー侵害においても単なる隣人間紛争のこと
ならばとの基準から該当しない とするのは 妥当でないのでは という考え方もあるだろう
その点からすると 該当しないとの判断は あくまで 肢の表現の捉え方によって微妙となるの
かな ? とも考えられる 
(4肢択一で「該当しないものはどれか」と 問われていた ので 正解率は高かったと思われるが)          

 

肢1に関連する判例として 「最判 平成24・1・17」 が考えられます
               (本日の過去問学習は 平成24年度 試験のものです)
            

そこで原審(東京高裁)に差し戻されて出されたもの(東京高判 平成24・3・28の一部

を 参考として載せてみました(膨大な?内容ですが その一部 だけです)
                     ※ 色付け等は 当職にてさせていただいたものです

・・・・・・・・・・・

(2) 最高裁は,控訴人の区分所有法57条に基づく差止め請求につき,マンションの区分所有者が,
業務執行に当たっている管理組合の役員らをひぼう中傷する内容の文書を配布し,それが単なる
特定の個人に対するひぼう中傷等の域を超えるもので,それにより管理組合の業務の遂行や運営
に支障が生ずるなどしてマンションの正常な管理又は使用が阻害される場合には区分所有法6
条1項の「区分所有者の共同の利益に反する行為」に当たるとみる余地があるというべきである
として,控訴人の請求が区分所有法57条の要件を満たしているか否かにつき更に審理を尽くさ
せるため,差戻し前の控訴審判決中区分所有法57条に基づく請求に関する部分を破棄し,これ
を東京高等裁判所に差し戻し,控訴人の本件マンション管理規約63条3項に基づく差止め請求に
ついては,上告を棄却した。したがって,当審の審判の対象は,差戻しの対象となった控訴人の
区分所有法57条に基づく請求部分の当否である。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(2) 以上の事実に照らせば,本件マンションの区分所有者である被控訴人は,業務執行に当たって
いる本件マンション管理組合の役員らをひぼう中傷する内容の文書を配布し,また,本件マンショ
ン管理組合の取引先等に対する業務妨害行為を行い,さらには,本件マンション関係者に対する暴
行及び嫌がらせ行為を行っているものであり,それらは,単なる特定の個人に対するひぼう中傷,
業務妨害,嫌がらせ等の行為の域を超えるものというべきである。そして,被控訴人の上記行為に
より,管理組合の業務の遂行や運営に支障が生じて,本件マンションの正常な管理又は使用が阻害
されていることは明らかである。
そうすると,被控訴人の上記各行為は,区分所有法6条1項所定の「区分所有者の共同の利益に反
する行為」に当たるというべきである。また,上記(1)アに認定のとおり,控訴人は,平成21年8
月23日,本件マンションの区分所有者の集会の決議により,被控訴人を除く他の区分所有者の全
員のために本件訴訟を提起する区分所有者に指定された者であり(区分所有法57条3項),本件
マンションの区分所有者の共同の利益のため,被控訴人に対し,被控訴人の上記各行為の差止めを
求めることができるものということができる。
(3) したがって,控訴人の被控訴人に対する上記各行為の差止め請求は,区分所有法57条の要件を
満たすものといえる。

 

 

 

「共 有」にも違い が・・・?

2023-05-22 | マンション〔法 令・判 例〕

 

 

以前にも記したことがあることです が

受験生さん(マンション管理組合の役員の方でもある)との相談のなかで

民法改正についての要点 の こと がありました

数年たったのですが 自身なども 未だ 改正事項には 実務においても

要注意ポイントを意識せざるを得ません

 

その方との会話のなかに 二三 誤解があったので 改正のあったこと(今さら ですが) 

記しておくこととします

 

: <物 権> の範囲にも 改正は ありました

 284・291・292・
 316・359・363・364・370・398の2.3.7

 の各条です
 
一部を載せておきます
 
 
 
(地役権の時効取得)

第二百八十四条 

2 共有者に対する時効の更新は、地役権を行使する各共有者に対してしなければ、その効力
を生じない。

3 地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の完成猶予の事由が
あっても、時効は、各共有者のために進行する。


(地役権の消滅時効)
第二百九十一条 
第百六十六条第二項に規定する消滅時効の期間は、継続的でなく行使される地役権については
最後の行使の時から起算し、継続的に行使される地役権についてはその行使を妨げる事実が生
じた時から起算する。

第二百九十二条 
要役地が数人の共有に属する場合において、その一人のために時効の完成猶予又は更新がある
ときは、その完成猶予又は更新は、他の共有者のためにも、その効力を生ずる。

 
(不動産賃貸の先取特権の被担保債権の範囲)
 
第三百十六条 
賃貸人は、第六百二十二条の二第一項に規定する敷金を受け取っている場合には、その敷金で
弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。

 
(設定行為に別段の定めがある場合等)
第三百五十九条 
前三条の規定は、設定行為に別段の定めがあるとき、又は担保不動産収益執行(民事執行法第
百八十条第二号に規定する担保不動産収益執行をいう。以下同じ。)の開始があったときは、
適用しない。
 
第三百六十三条 削除
 
(債権を目的とする質権の対抗要件)
第三百六十四条 
債権を目的とする質権の設定(現に発生していない債権を目的とするものを含む。)は、第四百六十
七条の規定に従い、第三債務者にその質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、
これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。

 
(抵当権の効力の及ぶ範囲)
第三百七十条 
抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)
に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行
為について第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は、この限
りでない。
 
 
 
(根抵当権)
第三百九十八条の二 

3 特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又
は電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権
をいう。次条第二項において同じ。)は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とす
ることができる。

 

:「共 有」は 以前のままの姿での条項として 継続されています

第三節 共有 (第249条~第264条) 

 

<参 考>

特別法である「区分所有法」での「共 有」 と  民法の「共有」の 異なるところ


第二節 共用部分等           <省略あり>
 
(共用部分の共有関係)
第十一条 共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。
3 民法177条の規定は、共用部分には適用しない。

第十二条 共用部分が区分所有者の全員又はその一部の共有に属する場合には、
その共用部分の共有については、次条から第十九条までに定めるところによる。

(共用部分の使用)
第十三条 共有者は、共用部分をその用方に従つて使用することができる。
 
(共用部分に関する規定の準用)
第二十一条 建物の敷地又は共用部分以外の附属施設(これらに関する権利を含む。)が区分所有者の
共有に属する場合には、第十七条から第十九条までの規定は、その敷地又は附属施設に準用する。

 

※ マンションに住んでいるからといっても専有部を数人で共有している場面のことは 

  管理組合が絡む管理運営のこととは性質が異なって 一般法民法の共有規定が適用 

  となりますから

・持分 は 協議で自由に決め得る

・持分権自由譲渡可 (区分所有法15では 共有持分の分離処分不可)

・いつでも 自分の持分についての 分割請求 が可能

・専有部にある備品持分がハッキリしないと 相等しい と推定(民250)

・共有物の全部について 持分に応じた 使用可(民249)

・賃貸しするには全員の合意{ 管理というより 変更 と捉えて }

などなど と 扱われます

[共用部分 の 共有] のことではなく 専有部分の共有 のこと なので 区分所有法12条の

適用場面ではないからです


                                     

    よろしくお願いいたします - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)

 

 

 

 

 

 


時間配分度合? 出題頻出度合? それよりも気にすべき?は 

2023-05-18 | ◆ 国家試験受験サポート 〔 全 般 〕

 

予報通り 30度越えの当地です

みなさんのところでも もう夏 というような陽気でしょうか ?

まだ 5月半ば ですのに・・・

 

 

国家試験学習伴走者としてのお仕事もさせていただいているのですが 学習内容だけ

ではなく

多い相談として

本番試験における 時間配分 のこと

出題頻度からしての 本番登場問 予想のこと ナドナド も ありますが

 

本試験では

どの科目から手を付けるべきか ・ 得意度の高い科目から挑戦すべきか ・ 確認の

ための

いわば予備時間は どれほどのものを想定しておくべきか ・ 試験時間を合理的に過

ごす手法としては どのようなことをポイントにすべきか ? などについて

総じて 処理時間・処理科目順番などのこと 時間配分に関連すること はては デジタ

ル時計とアナログ時計のどちらが心理的に好い試験当日に適する腕時計なのか という

ようなことさえ ?

 ですが・・・

〔例えば 最初の5ページ目までの手ごたえ印象を基にして ヨーシ 予定の科目順に答

 えることにしよう・一問に費やす処理時間も いつもどおりほどで OK だな・ など

 と

 思ってみたところで その先のことは 当然のごとく誰にとってもチミモウリョウの

 世界 出たとこ勝負するしかない問との時間制限格闘 なのです

 その後に総登場する問題群 は どのような姿で 現れてくるのか・・・

 問題がさらに長文化しているか 初出のものがどれほどか 難易度は近年の傾向どお

 りか

 前回と どの点で どれほどの差異があるか 個数問題は増えているのか(試験中に

 個数問題数を数えている

 ような受験生の方はおられないと思われますが ?)

 現実は 想像以上に難問が続くかも知れない・得意科目で効率よく加点だと目論んで

 いたのだけれど初出といえる問の連続で過去問中心の自分には手ごわすぎる・ソロソ

 ロ比較的易しいものに出会えるはず 加点チャンスにも巡り合えるはずだ など と 

 思ってみても・・・そこにある それが それだけの 本番

 ということで とにかく ベストの処理を目指し 一気に挑戦し続けるその本番しかない

 と 思うのです <  時間不足で 悔しい結果となる かも知れないのですから・・

 加速度にも配慮して  

 とにもかくにも 走り抜けるほかない(点検用の予備時間がとれるかどうかを気

 にしている場合じゃないナ) というのが 会場での現実なのではないでしょうか




 というようなことですが 受験者・学習者さんとの相談時 の 最後の一句 は 
 自身の場合は決まっています

 〖どのような国家試験会場においても 一点を得るためには その席に着くまでに得た
  シッカリとした理解だけが 武器

  オボロ矛軍団でどのように攻めてみても 強固な盾をまとった相手は 半歩も退かない 〗

 

 出題予想にしても

 
 〖アイツは頻りに出るから 今回は 現れないだろう 
   
  しばらく姿を見せないから 今度こそ コイツ の出番だろう

  と

  アイツは頻りと出るから 今回も 現れるだろう

  と

  しばらく姿を見せないから 今度も コイツ の出番はないだろう〗 

  どちらの言いぐさも ソウダヨネ と 言えそうな そうでないような・・・

 
 

 ということで 自身が言えそうなこと

        ( 生涯一受験生でもある者の私見 ) は

繰り返しになりますが

〖 どのような国家試験会場においても 一点を得るためには その席に着くまでに得た
  シッカリとした理解だけが 武器

 オボロ矛軍団でどのように攻めてみても 強固な盾をまとった相手は 半歩も退かない 〗


本番で いざという時の アドリブにしても それまでの 学習次第

                             モウシワケアリマセン

                             

  よろしくお願いいたします - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)

 

 


文言への繊細さ が ポイントになるのだろう

2023-05-16 | マンション管理関連試験等サポート   


当地は 明日 30度を超えるだろう との予想

みなさまのところは いかがな5月中旬 ですか ?

 

本日の マンション管理士過去問題学習 は

2018年度 問7 です

 

                                                                 ※  問い方を変え(肢の順番を変えることも含む)
                       利用させていただいております

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〔問 7〕 

集会の決議における電磁的方法の利用に関する次の記述のうち、区分所有法の
規定による正誤を答えよ。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

 

1 区分所有法又は規約により集会において決議すべきものとされた事項につい
ての電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。




2 集会を招集すべき者は、電磁的方法による決議を行うときには、回答の期限
とされている日よりも少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項を示して、
各区分所有者に通知を発しなければならない。



3 区分所有法又は規約により集会において決議すべきものとされた事項につい
ては、区分所有者全員の電磁的方法による合意があったときは、電磁的方法に
よる決議があったものとみなされる。



4 区分所有法又は規約により集会において決議をすべき場合において、電磁的
方法による決議をするためには、区分所有者の4分の3以上の承諾がなければなら
ない。

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 について                   正しい

 45条3項 そのまま です

 集会の決議と同一の効力が認められる としても 集会が招集・開催された と みなしているわけ
 では

 ありません


3 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法
  による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。





2 について                   正しい      

 集会に関しての35条が 準用されています(45条5項)


(招集の通知)
第三十五条 
集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項を示して、
各区分所有者に発しなければならない。
ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。

 

 

3 について                  正しい

 45条1項は 集会は開催しませんが 決議(普通決議・特別決議)は 行います
 が 
 2項の 「合意」の場合は 全員一致の成立ということで書面又は電磁的方法による決議
 があつたものとみなされ 

 集会の決議と同一の効力(3項 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされ
 た
事項
についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有するを認
 める
もの です 


(書面又は電磁的方法による決議)
第四十五条 
2 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の
書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす。

 

 

4 について                 誤 り

 4分の3以上の承諾では要件を充たすことはなく 区分所有者全員の承諾が必須となり
 その承諾は法務省令で定めるところによらなければなりません

    (念のために述べておきますが 45条1項の承諾は あくまで[書面又は電磁的方法
  による決議]をすること についての いわば方法についての 承諾 であり 議案
  についての承諾というようなこととは無関係のものです)

 

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行政書士試験には 「〇〇字以内で ▽▽について説明せよ」式の 記述式問題が
民法と行政法についてあります が これを苦手にしている方が 多いですね

45条の 書面又は電磁的方法による決議 について シンプルに説明してみてください
と訊かれたら 
どのようなポイントを挙げますか

ポイントは   「集会」無し で の 決議   ということに尽きるのですが・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(議事)

第三十九条 
2 議決権は、書面、又は代理人によつて行使することができる
3 区分所有者は、規約又は集会の決議により、前項の規定による書面による議決権の行使に代えて、
電磁的方法
(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて法務

省令で定めるものをいう。以下同じ。)によつて議決権を行使することができる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

という「集会」を前提の39条と 45条をゴチャマゼにして覚えてしまって 整理できていない方
が 多いように思われます


区分所有法
(書面又は電磁的方法による決議)
第四十五条 
この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員承諾があるときは、
書面又は電磁的方法による決議をすることができる。
ただし、電磁的方法による決議に係る区分所有者の承諾については、法務省令で定めるところによらな
ければならない。

2 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の
書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす。

3 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法
による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。

5 集会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。

 
                                           

区分所有法に登場の競売

2023-05-08 | マンション管理関連試験等サポート   

 

 

競 売 と呼ばれる仕組みにも サマザマなものがあるのです

物をお金に換えて 債権者に配当するための 競売

配当ということを想定していない仕組み

として の 競売

というように・・・

そうして 民事執行法 とか 民事訴訟法 というような法の知識が その理解に必要に

なったりします

 

 

さて 本日の マンション管理士過去問学習

2012年度

問 9

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                      問い方を変え 利用させていただいております

【問 9】 

区分所有者の管理費の滞納が共同利益背反行為に該当する場合において、当該区分所有者を
被告(以下「被告」という。)として、管理者が、区分所有法第59条の区分所有権及び敷地
利用権の競売(以下「競売」という。)を請求する場合の訴訟に関する次の記述のうち、区
分所有法、民事訴訟法及び民事執行法の規定並びに判例による正誤を答えよ。


1 競売の訴訟の口頭弁論終結後から競売開始までの間に、被告が区分所有権及び敷地利用権を
第三者に譲渡した場合には、管理者は、その譲受人に対しては、当該訴訟の判決に基づいて競売
を申し立てることはできない。


2 競売の請求の訴えにおいて、管理者は仮執行の申立てを行うことができ、当該訴訟において
勝訴判決を得た場合、仮執行の宣言を付した判決を債務名義として、競売を行うことができる。


3 競売は、滞納管理費を回収するために行われる担保不動産競売であるので、区分所有権及び
敷地利用権に設定されていた担保権が買受人に引き受けられることはない。


4 競売の目的である区分所有権及び敷地利用権にその価額を上回る優先債権がある場合において、
競売による買受可能価額が手続費用及び優先債権の見込額の合計額に満たないときは、競売を行う
ことができない。

 
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 について                     正しい
 
 共同の利益に反する行為をし 又はその行為をするおそれがあることを原因として認められる
 「競売の請求」なのであるから 被告であった区分所有者の譲受人に対しては 当該訴訟の判
 決に基づいて競売を申し立てることはできない。(判例  最決 平成23・10・11)

   ※ 第三者に譲渡してしまえないようにしておけば よいのでは という考えもあるで
     しょうし その手法とし 民事保全法上の処分禁止の仮処分の申立てを認めるか否
     かについて
     <当該区分所有者が任意にその区分所有権等を処分することは 区分所有関係から
      排除しようとする趣旨に反するものとはいえないので 処分を禁止することは相当
      でない との判例もあります (判例 最判平成28・3・18) >


 
      
 について                      誤 り
 
 判決の確定によって 競売権が形成されることになる
 当該競売をする権利は 判決の確定を待って生じるものであるので 勝訴判決に対し仮執行の
 宣言を付す(確定する前であっても仮に執行することを許す)ということは できない


 
 
 について                      誤 り

 59条における競売は 
 民法、商法その他の法律の規定による換価のための競売
 であって 担保不動産競売 ではない
 担保権の実行としての競売のように目的物の強制処分を行って債権の満足を図る(お金の回収)
 という仕組みとは異なるもの(競売代金は 競売のための費用を控除した後に 共同利益背反
 をした区分所有者その者に 渡されることになる)
 


 第三章 担保権の実行としての競売等
 
 (留置権による競売及び民法、商法その他の法律の規定による換価のための競売)
 
第百九十五条 留置権による競売及び民法、商法その他の法律の規定による換価のための競売については、
       担保権の実行としての競売の例による。

 



 について                      誤 り

 59条の競売は 共同利益背反区分所有者から当該権利をはく奪する(他の者の住む権利を
 害する者が住めないようにする)ことが目的
 
 競売による配当を予定していないので 肢4にあるような場合等(費用との関係等において
 の配慮からの剰余が生ずる見込みがないことなど)でも 民事執行法63条の適用はなく
 <剰余が生ずる見込みがないとしても競売手続きを取り消すことはない> との判例〚東京
 高決平成16・5・20〛があります


 
(区分所有権の競売の請求)
第五十九条 
第五十七条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上
の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共
同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に
基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の 区分所有権及び敷地利用権 の 競売 を請求す
ことができる。

 



この問題は 専門語が 多く 登場します

・・・・・訴訟に関する次の記述のうち
区分所有法
民事訴訟法 及び 
民事執行法 の規定 並びに
判例
による・・・
とのことで 民事訴訟法 & 民事執行法 についても 受験上の理想としては
極く 基本の基本のような知識には触れておくのが好い とは言い得ますが・・・
なかなか 時間がとれない ことでしょう ね・・・
 
しかし 例年 もう一点あったなら に苦しんでいる方こそ
こうした問いに登場の語句 というか 定義 のようなものは ナントカ理解しておくべき
と思う心 が 大事かな
と 思われるのです・・・


                            
 
                          はたけやまとくお事務所