昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

エッセイ(171)薬疹

2013-09-03 05:04:43 | エッセイ
 週一回のプライベート麻雀で、久しぶりに2週連続でお寿司を驕る立場になった。
 気分よく寿司屋で雑談を交わし、酒を飲み、寿司を食った。
 
 しかし、めずらしく食欲がなく少し残した。
 熱があるようだ。市販の総合風邪薬があったので服用して寝たら、翌朝には熱が引いていた。
 さすが有名薬品メーカーの最新薬だ、と日ごろ薬を飲まないぼくも痛く感心してしまった。 
 ところが、午後になって、手の内側柔らかい所に発疹が出ている。
「絶対ダニよ! あなたの部屋は掃除もしないで汚くしているから!」
 毎日掃除はしているのだが、確かに万年床のベッドは上っ面だけだ。
 この際にと、徹底的に掃除する。
 しかし、発疹は腕だけではなく、身体全体に及んでいる。
 
「風疹かもしれないわよ! 人に移す心配があるし、病院で診てもらいなさい!」
 というわけで、昨日、病院で診断を受けた。
「薬疹ですね。風疹じゃない!」
「薬疹?」
「風邪薬は何を飲みましたか?」と聞かれる。
 注射を打ってもらい、薬を処方してもらう。
 
 薬屋でも「市販の薬はどこの?」と聞かれる。
 ネットで調べてみると、薬疹ていうのはけっこうあるんだ。
 自分はアレルギー体質ではないし、無関心だったが。
 解熱効果のある非ステロイド性抗炎症薬が反応したようだが、ややこしい名前を列挙されても自分に問題を生じる可能性を見極めるのは難しい。
 
 だいたいそういう症状を引き起す可能性のある薬剤を一般の市販風邪薬に使用するのが問題だ。効き目を競って入れるのだろうが・・・。
 患者サイドからすると、一度経験しないと自分に合う合わないが分からない。
 重篤なったらどうするんだろう、薬害訴訟で訴えられるのか、それとも泣き寝入りか?
 最新技術を目指すために多少の犠牲はやむを得ない。
 その犠牲者の一員になったことを実感した。