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国鉄 ワキ8000系列:ワサフ8800

2015-11-23 15:08:00 | 荷物列車、荷物車
国鉄 ワキ8000系列:ワサフ8800


ワキ8000系列は、パレット輸送用に製造されたワキ10000系列を基本とする構造で、荷貨物兼用車として製造された車両です。
台車は高速型ではなく、TR203を履いていました。

中間車のワキ8000は、貨車記号を有しながらも、専ら荷物列車に連結されて使用されることが殆どであり、緩急車を設備するワサフ8000も同様となっていました。


昭和50年3月10日、寝台急行「北星」が20系による寝台特急に格上げされると、それまでマニ36等で行っていた仙台地区の新聞輸送をそのまま寝台特急「北星」に引き継ぐことになり、20系に連結させる車両として専用形式とも言えるワサフ8800~8802が製造されました。

これは、20系客車に旧型客車を連結させると20系客車のブレーキ性能を害してしまうためであり、また、それまでのワキ8000系列においても元空気溜管と電磁指令ブレーキ回路のための制御信号線を付加する必要があったことから、専用車を用意する必要があったためとなっています。

外観はそれまでのワサフ8000と大差が無いようですが、性能が大幅に違うことから番台区分をし、外観も20系と同様に青色とした非常に特徴を持つ車両となっていました。



昭和50年夏頃 ワサフ8800を連結した寝台特急「北星」(再掲)

昭和50年3月改正で誕生した20系寝台特急「北星」は、運転開始当初よりワサフ8800を連結して新聞輸送を担いましたが、当時建設真っ只中の東北縦貫自動車道が昭和50年11月に仙台地区まで延伸開業したことによりトラック輸送に切り替えられ、僅か8か月でその使命を終えることになってしまいました。


その後、用途を失ってしまったワサフ8800は、本来の使命である20系寝台客車と併結される機会もなく、他のワキ8000系列と同様に、主に東北地区の荷物列車に使用されていたようです。
EF58の運用が終焉となる頃、地元などでも荷物列車の写真を撮る機会が非常に多かったですが、残念ながらその後のワサフ8800を撮影した記憶も目撃した記憶もありませんでした。



昭和60年3月26日 東大宮~蓮田間にて 回9101レ

荷物列車の運転が終焉を迎える頃の写真。EF5889が牽引する12系転属車の回送列車です。
おそらく、一関~青森方面の旧型客車を淘汰するための代替車を送り込むための回送ではないかと。全てがオハフ13のようです。
そして、機関車次位に連結されているのがワサフ8800です。被写体が遠くて車番までは残念ながら判別できません。
久し振りに会ったワサフ8800に感動してしまいましたが、この移動が何を意味するかは今もって良く分かりません。

特異な経緯で誕生したワサフ8800ですが、本来の活躍はあまりにも短く、その割には非常にインパクトが強い車両でした。




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1 コメント

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Unknown (通りすがり)
2021-09-18 10:49:59
岩手県にワサフ8800が倉庫として使われている所がありますが、そちらへの売却目的の回送かもしれないですね。
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