マル鉄・鉄道写真館

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国鉄 直流型電気機関車:EF5865(宇都宮運転所)

2016-12-05 23:48:00 | 国鉄・JR電気機関車(直流)
国鉄 直流型電気機関車:EF5865(宇都宮運転所)


EF58シリーズ、今回は65号機です。

この65号機と言うカマ、なかなかの遍歴を持っているようです。
広島機関区に配置され、関西対九州のブルトレを牽引するなど、輝かしい経歴を持ちます。当初は原型大窓の美しい姿をしておりましたが、昭和50年3月に原型大窓のまま、広島区特有の一体型のヒサシが取り付けられたとのことです。このカマがあのヒサシの取り付け第1号であったようです。

その時点で山陽新幹線が博多開業、数多くのブルトレが削減されることになり、その煽りか、宇都宮運転所に転属となったようです。当時の宇都宮運転所ではEF57の淘汰が始まっていますので、その置き換えに選ばれたと思われます。
結果、宇都宮運転所にSG搭載の変わった面構えのカマがお目見えしたということのようです。この辺りで東京機関区の10号機も転入しているようなので、宇都宮運転所にSG車が複数存在したようですが、東北本線で電気機関車の牽引する客車列車はすべてEG化されており、EF56撤退後はSGは使用されなかったようです。他の方の記述によると、暖房装置を使用しない夏季や、12系など暖房不要の牽引列車に限定して運用していたとのこと。
事実、沿線でEF58牽引列車の写真を結構撮っていますが、10号機を含め、これらのカマを一切見た記憶がありませんでした。

しかし、仲間の情報を聞いて驚き!研修用として廃車後も東大宮操車場に留置されていたEF58が、なんとこの65号機であったというのです。
当時、色褪せたEF58が留置されているのは知っていましたし、その辺りで撮影などもしたことがあったのですが、廃車体に全く興味が無く、見に行ったことも無かったのです。これには後悔しました。


そんな情報を得たのち、フィルムをスキャニングする機会があり、怪しいEF58が写っている1枚の写真を見つけました。



昭和51年頃 宇都宮運転所にて

EF57を見たくて宇都宮運転所に何回も通っていた頃の1枚の写真。
もちろん、EF57を撮るためにカメラを向けたものですが、問題の怪しいEF58は、一番右側に小さく写っているヤツ。

ハーフ版で非常に不鮮明なのですが、その影から一体型ヒサシであることは一目瞭然です。これは65号機に間違いありません。

65号機の廃車体は、既にHゴム化された後となっていますが、どうも転属してきてから2年くらいは原型大窓のままであったようです。つまり、この写真の時期は原型大窓であり、確かにそのように見えます。これを見つけた時は、非常に驚き、そして嬉しく思いました。


当時はEF58など全く眼中になく、大窓か小窓か、ヒサシがあるか無いかなど全く興味も知識もありませんでした。
ちょうど昭和52年途中から部活のため写真を撮る頻度が低くなり、高校生になって再開したころには廃車になってしまったようでもあり、本線を走行するシーンを見ることが出来なかったのは必然的だったようです。せめて興味があれば近くで撮影していたと思いますが、そんな時代のことですから後悔しても仕方ありません。


65号機

昭和28年 7月 1日 川崎車輌・川崎重工製
昭和55年 2月11日 廃車