マル鉄・鉄道写真館

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大宮操車場:ハンプ入換における客車の取り扱いについて

2013-09-08 13:43:00 | 駅・停車場・操車場
本日、マル鉄コレクション館において、『KATO スニ412000』をアップしたところですが、大宮操車場のハンプに勤務していた際、同車に一度だけ乗ったことを思い出しましたので、憶えているうちにハンプ入換における客車の取扱いについて記しておきたいと思います。


まずは手ブレーキについて。

貨車については、基本的に単車での入換を可能とするため、各車に手ブレーキ装置が設備されています。
その殆どが突放入換やハンプ入換に支障の無いよう、添乗ブレーキとなっているのですが、特殊な用途の車両では、添乗ブレーキを備えていないものも存在します。
例えば、思いつくところでは、車運車(ク5000)や大物車などがあります。

この場合、これらの貨車は「突放禁止」の指定を受け、突放入換はできず、ハンプも原則通過できなくなります。ただし、添乗ブレーキの備わる車両と組んでいれば、その添乗ブレーキを使用することによって、突放やハンプ通過も可能となります。


ここにブレーキハンドルが付いていたら、突放はできませんよね。


では、客車はどういう扱いになるでしょう?

これは、ごく特殊な例を除き、突放禁止の貨車と同じ扱いになります。
特に、中間車は手ブレーキすら備えていないため、当たり前の話となります。

一方、緩急車はどうなるのか?

客車でも緩急車は車掌室或いはデッキに手ブレーキを備えており、添乗しながらブレーキを掛けることが可能です。しかし、これも突放はできません。
なぜか・・・それは、乗り込む設備にあります。



客車の場合、突放入換を想定していないため、客車に「飛び乗る」ためのステップが付いていないのです。※写真の差す部分は単なる乗降用のはしごになります。
つまり、走行中の客車に飛び乗るのは非常に危険な行為となるため、突放禁止の扱いとなるのです。

大宮操車場のハンプ入換では、いわゆる客車の通過というのはないのですが、大宮工場に入場する荷物車に限り、貨物列車に併結されてくることがあったため、稀ではありますが、何度かその場面に居合わせたことがあります。

やはり原則どおりの扱いとなりますが、強硬手段があります。

ハンプの山から直接荷物車に乗り込み、転送するのです。つまり、飛び乗りをしないでブレーキ扱いをするわけです。これも何度か経験したことがあります。
このような手段をとれない場合には、DEが荷物車を連結したまま降りてきて、所定の位置で停車してから乗り込み、ブレーキを掛けることとなります。



ちなみにですが、私が大宮操車場にいる間、客車の中間車や気動車がハンプを通過したところは見たことがありません。

貨物の大合理化以来、貨車もコンテナ車ばかり、ハンプは全廃となり、突放入換もなくなったためか、コキ100系にも添乗ブレーキが備わらないものが出現しています。

※タンク車などでよく「連結注意」の表示が見受けられますが、「突放禁止」とはまったく別物です。連結注意でも、通常の入換では遠慮なくぶつけてました。

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