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EF60 500番代 直流型電気機関車

2013-09-03 22:28:00 | 国鉄・JR電気機関車(直流)
EF60 500番代 直流型電気機関車


EF60型電気機関車は、先に誕生していた新性能機関車であるED60型を基に、6軸のF型としてEH10と同等の性能を発揮させるものとして、昭和35年に誕生しています。

F級新性能車の元祖として誕生したEF60は、10‰の勾配で1200tの貨物列車を引き出せる性能を備え、最高速85km/hを超える高速性能を備えました。

昭和38~39年にかけて、それまでEF58がメインで牽引してきた東海道ブルートレインの任務を負うべく登場したのが、ブルトレ仕様の500番代でした。500番代は、ブルトレの牽引を目的としてあったものであるため、登場時からブルトレ塗装が施されました。

EF60500番代は、20系客車との連結に対応するため、運転台に客車との連絡用電話を設置したほか、架線異常時にカニ22形のパンタグラフを降下させMGを停止するスイッチも搭載していました。

しかし、EF60は元々牽引力に重点を置いて設計されていたため、高速連続運転には不向きであったっようで、ブルトレ牽引にあたっては故障も続発したようです。そこで、牽引力+高速性能に優れたEF65が開発されたため、ブルトレ牽引機の代名詞ともなったEF65500番代に道を譲り、本来の得意分野である貨物機としての道を歩むこととなりました。そのため、ブルトレ牽引機としての活躍は、わずか4年程度しかなかったようです。



昭和52年3月30日 名古屋駅にて EF60507牽引の貨物列車

未だ中学生時代で、初めて撮ったEF60500番台。別に狙っていたわけでなく、偶然写っていました。隣に停まっているのは、高山本線の急行「のりくら」でしょうか。



昭和52年頃 撮影場所不詳 EF60501単機

撮影記録が無いのですが、おそらく大船駅辺りでなかったかと思います。トップナンバーに食指が動く頃でしたので、番号を見て慌てて撮った記憶があります。
この時代は、EF60自体が東海道・山陽の貨物専用機であったため、私の住む地元では撮ることができない形式でした。500番代がかつてブルトレを牽いていたという知識は既に持っていましたので、500番代を見たときは何となく得した気分になったものです。



昭和54年12月頃 浜川崎駅留置線にて EF60514

511?~514号機は、基本番代でいうと3次型にあたり、ヘッドライト2灯で側面フィルタも変化し、EF65と区別し難い外観になっています。
この頃になると、首都圏で幅を利かせていたEF13やEF15の活躍に翳りが見え始め、淘汰が進むとともに東海道・山陽からEF60型が次々と流入してくるようになりました。



昭和57年5月 府中本町にて EF60504の牽引する南武線貨物

首都圏での活躍が目立ってきたEF60。かつてEF15が運用されていた線区を殆どカバーするほど広範囲で運用されました。
この時点ではまだED16でさえ最後の活躍をしていた頃ですが、EF60にとってもその活躍の終わりを迎えようとしている頃でした。


私の年齢では、もちろんEF60がブルトレを牽いていたところは見たことがありませんが、国鉄末期の頃、その姿を再現するという、すばらしいことをやってくれたセクションがありました。それが、高崎第二機関区です。
全国各地からトップナンバー車や廃車後に解体を免れた貴重な機関車を集め、保存に力を注いでくれました。そして、そんな車両たちを、惜しみも無く鉄道ファンに公開したくれたのです。





昭和60年3月30日 高崎第二機関区にて

高崎第二機関区で一般公開が行われました。私は既に国鉄に入社し、与野駅に勤務していた頃です。
私が注目したのは、復活前のEF551と、この特急塗装を施したEF60501でした。確か、この時点では既に車籍は外されていたと思ったのですが・・・。
それまで雑誌の記事でしか見たことの無い姿。それは驚きとともに感動でした。初期車の1つ目でありながら特急塗装という組み合わせ。今すぐにでも20系を牽かせてやりたいと思ったのは私だけではないでしょう。この時点でも二度と本線を走ることはない。そう思っていました。

しかし、そんな想いは見事に打ち砕かれることになります。
なんと、12系の団臨を牽いて、上野まで走ってきたことがあったのです。もちろん、そんなことは夢にも思っていなかったので、情報も知りませんでしたし、撮ることも見ることも出来ませんでした。この事実を知ったときは悔しかったですね。
後に、EF60501は2度目の廃車を迎え、現在は碓氷峠鉄道文化むらに保存されています。



平成25年5月25日 おおみや鉄道ふれあいフェア2013にて

30年の歳月が経過し、新たなサプライズがありました。
平成24年度に実施された「おおみや鉄道ふれあいフェア2013」において、EF60510が特急色となって姿を現しました。
この車両が保存されていることをまったく知らなかったので、ただ驚くばかりでした。
保存機とは言え、イベント時にかつて牽引をしたブルトレのヘッドマークを掲げる姿は感動モノです。
是非復活して本線を走ってもらいたいものですが、彼が牽引した20系ブルートレインは既に鉄路から姿を消してしまいました。


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