菜の花プラザシニア団公演『クロスロード』について、書きたいことはまだまだある。台本のこととか、演出の反省とかね。でも、さすがに5回目となると、読みに来る人も、またかよ!と思うだろうな。全部が全部、演劇や菜の花座やシニア団に関心ある人とは限らないから。なので、今回は一区切りつけて、番外編だ。
公演終了後の打ち上げについて書く。飲み会の話しなんて読みたくないぜ!と顔そむけないで。菜の花座の打ち上げ、ちょっと変わってるんだから、知っておいて損はないと思うよ。まっ、得にもならんけどね。
公演終えて、記念写真撮って、
片づけ撤去を完了して、いざ、打ち上げ!乾杯は各自好みのもので、この辺、今どき風、町の乾杯条例、最初の乾杯は日本酒で!!は軽く無視。全員が飲み物を掲げて叫ぶだけじゃない。立ち上がり歩き回って全員とグラスを打ち合わせるまで座らない。まぁ、こんなのも感動しきりの飲み会ならよくある光景かもしれない。
司会は決まって制作担当のGが買って出る。絶対に譲らない。司会がしたけりゃ5000円で権利を譲るとまで豪語する。根っからの司会人間、仕切り男なのだ。ノリにのり、ツッコミ満載の進行に急き立てられて代表の挨拶。四方八方から飛ぶ毒舌やら揶揄やらに代表への愛がこもっている。終われば、20分間の給餌&水分補給タイム、昼飯はおにぎり2個だけだったからね、みんな食うは食うは!飲むは飲むは!どうにか空きっ腹と乾いた喉の応急処理が終われば、いよいよ、反省・感想タイムだ。
ここが、菜の花座打ち上げのユニークなところ。えっ、そんなのどこでもやるでしょ?そう、一人数十秒、ありきたりの言葉を連ねる程度ならどこの団体だってやっている。さらっと反省やら感謝を述べて、後は無礼講、席を替え、酒を酌み交わしつつの談笑の輪があちこちに広がる。これが普通のあるべき飲み会の正しき姿。だが、菜の花座は、違う!
立ち上がった一人の感想の言葉が、なんと5分、10分と続くのだ。その間、ヤジが飛ぶ、ツッコミが突き刺さる、チャチャが入って爆笑の渦。司会からしてどこか口をはさめないかと虎視眈々、いや、全員が受け狙いのツッコミところを狙っている。そう、まるでテレビのワイドショーの趣きなんだ。あっちから割り込み、こっちから話題をさらい、立っている当人を肴に満場大いに盛り上がるのだ。
凄いのは、この間、ご近所同士の雑談がほとんどおきないってことだ。たまに、隣の人と雑談が起きようものなら、司会者から鋭い叱責が飛び、周囲も立っている人の話しに耳を傾けるよう注意する。これがなんと2時間以上も続くのだ。当然、トイレタイムと称して、司会者他、数人の一服タイムも入る。この短い中断時間が、貴重なおしゃべり時、再開すれば、また、全員集中の反省・感想タイムが続くのだ。
最後は座長たる僕の有り難くも退屈な話し、さすが、ここだけはツッコミは全員自粛、それをいいことに延々だらだらとしゃべり続ける座長・作者・演出つまり僕。もういいぞ!いい加減にしろ!暗黙のビーム光線を無視し続けること、20分、さすがに、団員たちのうんざり視線に堪えられなくなり、終了。結局、この反省・感想タイムが終わって、飲み会もタイムオーバー、飲み足りない、話したりない連中は、2次会へ!これが菜の花座の打ち上げ風景なのだ。
どうだい?飲み会中、ほぼすべての時間、みんなが一人の話しを集中して聞いている。こん光景、見たことあるかい?どこだって、最初の儀式が終われば、あちらこちらで勝手放題、一人が全員の耳を引き寄せるなんて絶対に不可能、それが飲み会。なのに、菜の花座打ち上げは、全員が一人の話しに耳を傾ける。しかも、その話にまっとうなチャチャが入り、笑いが巻き起こる、だから、楽しい。まるで視聴者参加で笑点をやってるみたいな感じなのだ。他者の話しをしっかり聞く、一人の言葉を肴に酒を飲む。実に大人の飲み会じゃないか!日本恒例、乱痴気騒ぎとは縁遠い、知的で愉快な飲み会、それが菜の花座の打ち上げだ。
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