ステージおきたま

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憧れの永井愛さんが戻ってきた!二兎社公演『ザ・空気ver2』

2018-08-04 08:59:16 | 劇評

  おいおい満席だってよ!搬入・搬出請負の我らシルバーお手伝いさんは、席からあぶれ立ち見席、いや、それは俺の趣味だけど。良かったねぇ、プラザで超満員、いつ以来だい?副館長に聞いたら、小曽根真の生ピアノが呼び物だった『組曲虐殺』とか小泉今日子主演の『頭痛肩こり樋口一葉』以来かなぁ、ってほんと嬉しそうな顔してた。井上ひさしさん亡くなってからこの方、こまつ座と言えども7割と埋まることないし、他の劇団公演じゃ、200前後なんて寂しい客席風景だったんだ。そう、二兎社の前回『ザ・空気』だって、めちゃめちゃ入らなかった。なのに、今回のこの盛り上がりはなんじゃ?

 地元出身の眞島秀和が出るからかねぇ?と、俺。うんそれもあるが、そればかりじゃないな。この作品、他の会場でもすべて満席、なんか異様なブーム巻き起こしてるな、って副館長。それはそれは、楽しみじゃないか。

 前回の『ザ・空気』は入りも芳しくなかったが、舞台の方もかなり不満だった。いやいや悪かないよ、問題作だし、全編を駆り立てる緊張感と不安感、たしかに今の時代の病巣を抉っていた。菜の花座の座員だって、圧倒されたって大感激してた。でもなぁ、違うんだよなぁ。

 理由の一つは、既視感。海外のテレビドラマでも見たような設定だったし、番組に圧力がかかるって内容、こうなんだ!現実は、って押っ付けられても、それ、知ってるから、って引いてしまった。それと、一番の不満は笑いとゆとりのないこと。なんかもう、永井さんの怒りが収まり切れないほど膨れ上がり、作品にどばーっと吐き出されてるって感じだったんだ。社会や政治の現状への憤り、よぉぉぉぉくわかる。安保法制、森友・加計、次官セクハラ、アベ友強姦から直近のLGBT非生産性論まで、一日として腹の立たない日はない。「どこに行くんだ、この国は?」、ってせりふ、菜の花座最新作『予兆 女たちの昭和序奏』にも書いちまったものね。だから、わかる、わかるんだが、憤懣の速射砲でいいのか?警鐘の乱打でいいのか?それで、Jアラートに対抗できるんか?

 頼む!お願いだ!憧れの永井愛さんカムバック!観客を笑いで絡めとり、ゆるゆると引き回しつつ、気付けば現実の核に直面している、そんなあんたの舞台を目標に拙いながも芝居の道を歩んで来たんだ、おいらは。大いに笑い転げながら、最後には溢れる涙を拭っている、そんな経験をどんだけさせてもらったことだろう。

 そんな願い?祈り??が通じたんだ、きっと。って勝手に思い込みながら、嬉々として今回の舞台を見終えることができた。そうさ、こんな芝居が見たかったんだ。こんな永井愛さんに再開したかったんだ。懐かしの初恋の人が、圧倒的に美しく魅力を蓄えて現れた。そんな一晩だった。もちろん、観客はスタンディングオベーション!珍しくおいらも、ってあっ、最初から最後まで立ったまま見てたんだった。

 この『ザ・空気ver2』の笑いについて言っておかにゃならんこと、それは、安倍晋三にゃ笑いがお似合いだぜって事実だ。彼のやってること、彼の開き直り、のべつ幕なしの嘘!腹が立って我慢ならんのだが、もう、こうなったら、とことん笑いのめしてやろうじゃないか!彼の言動は、笑いの礫をぶつけるのに最適だ。それを永井愛さんが実践してくれた。そして、その嘲笑は、多くの観客に共有されている!松尾貴史の見事な安部物まねは言うまでもないが、そこまでやるとは不届きな!って感じる人(ネトウヨ安部応援団とか劇中揶揄された安部の付き人NHKの岩田明子とか安部の御用記者時事通信社の田崎史郎とか)は感じるレベルでも、堂々とおちゃらかし、くすぐり、笑いのめしている。そして、その痛烈パンチに観客は大喜びなのだ!そうか、これがこの芝居が異様に盛り上がってる理由の一つなんだ。

 みんな、待ってたんだよ、安倍に忖度して委縮するメディアをこっぴどく尻を叩き、安部に立ち向かえ!って檄飛ばす劇を、なぁんて駄洒落。そう、真っ向勝負も大切だが、あっちの窓から、こっちの物陰から、笑いの投石を繰り返し続けようぜ、って提案なんだ、この舞台は。だから、なお一層、この大成功が嬉しい。アンコール5回に涙出る。

 で、最後に我田引水。安部の手法のおちゃらかし、実は、おいらも書いてた。9月30日のコント大会で上演するコントの一つ『危機管理講座』。この間、安倍が駆使してきたはぐらかしの手法を、いかさま危機管理アドバイザーが指南するって話しだ。同じ題材で笑いの芝居を書いてた、なんて、ちょっと自慢。『ザ・空気veer2』で出て来る録音で反撃ってシーンもある。ただし、「録音の声って自分のものかどうかわからない」、ってあれね、福田財務事務次官のおとぼけ、あれは思いつかなかった。ぜひ、パクらせてもらおう。ついでに、こっちのコントじゃ、録音も出るが、最後の決め手は動画の作成にした。それをYouTubeに上げるってぞ、って下っ端が蜂の一刺しをする、だけど、・・・ってことにしてある。

 なんたって、安倍の言動が腹立つくらい滑稽だから、このコントけっこう受けるとおもうんだよな、ってことで、最後は宣伝になっちまった。9月30日(日)爆笑コント大会、会場はフレンドリープラザロビー特設ステージ。

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