ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

微生物様の御利益です

2014-12-28 10:10:27 | 農業
 心配だった。いくら万能の微生物様でも、この寒さじゃ働き、期待できないんじゃないか。水が足りなくて雪でごまかしたりしたから、寒さとお怒りでお眠りになったままなんじゃないか。米ぬかと油かすを積んで仕込んだぼかし肥、春までに発酵終わらないと、米作りに大ブレーキとなる。前にも書いたが、米作りは苗半作って言って、苗作りで秋の実りの半分は決まってしまう。それくらい苗は大事だ。今年、天候に恵まれながら豊作にたどり着けなかったのも、苗を焼いてしまって種のまき直しをしたりして頑丈で自信満々の苗が作れなかったからだ。このぼかし肥の出来不出来は来年の米の豊凶に直接つながているってことなんだ。

 恐る恐るぼかしを積んだ鶏小屋の中を覗く。鶏は昨年、いたちにやられ全滅したので今は無住のがらんどう空間だ。金網だけの周囲から吹き込んだ雪で、床は一面真っ白。だが、おっと、ぼかしの上は雪がない!ってことは、・・・期待できるよぉ。覆ったビニールをはぐると、湯気が立ち上り発酵のほのかな香りが一気に辺りにひろがった。表面は、かび?それとも放線菌?



 まっ、放線菌もかびの一種だから、気にしない。それより、この極寒の環境でここまで見事に増殖してるってことが凄い!まさしく微生物様の偉大なお力と崇めないわけにはいかない。固まりをほぐして手に取ってみると、中までびっしりと糸状菌が覆っている。



 これならいい。二週間でこれなら、手間を惜しまず切り返しを繰り返していけば、2月頃には十分に発酵の済んだ最上ぼかしが完成することだろう。スコップで大雑把に上下を切り返してから、手で丁寧にもみほぐす。この作業を怠ると、固まりはぎゅっーと凝縮して、かちんこちんの石のような状態になってしまう。そうなると苗箱用には使えない。だから面倒でも丁寧に細かくほぐしていく。手を突っ込むと温かい。外気温は氷点下だっていうのに、温泉に手を差し入れたような心地よさだ。



 改めて、微生物の驚異的な生命力に感動した。ものみな凍てつくこの寒さの中で、ひたすらもくもくと増殖しつづけるこの逞しさ!その分解力!この素晴らしいお力に人間はどれだけ助けられていることだろう。農業では、土を肥やし作物を育み、森林など生態系では有機質の分解作用で永続的な自然環境を保ち続け、そして、食の分野では多彩な発酵食品として、僕らの暮らしと健康を支えてくれる。そう、隣りのいろり部屋=保存庫では、キムチ。乳酸菌の働きでじんわりじんわりと味が調い栄養価がますます高まっている。



 と言うことで、あだやおろそかにしてはなりませんぞ!微生物様の御利益を!!

 


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