ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

草との戦い、佳境に入る!

2015-06-21 13:38:26 | 農業
 田植えから1ヶ月、2回の除草機を丁寧に押したので、ぱっと見にはきれいな田んぼだ。でも、近寄って見れば、怖ぁぁぁい!株間に草がびっしり!なんとかしなくっちゃ。



 田植機で植えた田は、条間31cmの株間は18cm。除草機が入れるのは、畝の間だけ。イネの草丈が大きくなって株間を日陰にするまで、雑草の方もはばはばと生育する。昔は、この株間の草を四つん這いの手取りで取っていた。田に両手を突っ込み、指の感覚を頼りに草を引き抜き、大きなものは畦に近ければ田の外に放りだし、投擲不能距離に至れば、穴を掘って深く埋める。そんな作業を中腰の苦しい姿勢でひたすら続ける。

 これはきつい!有機農業の創世期、取り組もうとする先進的な若者たちに浴びせられた言葉は、「また、四つん這いで田の中這いずり回れってのか!」だった。だから、除草剤は、米作り農家にとって偉大なる救世主だったわけだ。無農薬栽培が脚光を浴びる今の時代にあっても、主流は除草剤農業だ。1~2回の散布でまったくの手間要らず、こりゃ止められんわ。便利に慣れれば、さらに手抜きをする、それが人間。以前は丁寧に草を刈っていた田の畦も除草剤で枯らすなんて不精者も出現している。除草剤で枯らされた田の畦は荒んだ赤茶けた外観と化学的に息の根を止められた生き物の異臭ですぐにわかる。

 我が家も数年前までは手取り除草を実践していた。田んぼもイネも無農薬に馴染んでおらず、雑草もとてもひどくて除草機押しだけではとても刃向かえなかったからだ。若くて元気な頃は3回も手取りに入ったことだったあった。お陰で、イネに見まがい易くおがり方も旺盛なヒエだけは完全に駆逐することができた。

 でも、ここ数年、土が肥えてきたせいか、イネの育ちも順調になり、草に負けない勢いを見せるようになって、これならなんとか四つん這いにならなくともなんとかなるんじゃないかってところまでたどり着いた。とは言っても、株間の草はなかなかの曲者で、ちょっとでも気を抜けばイネを追い越そうと手ぐすね引いて狙っている。

 で、今我が家の手取り除草は、この草刈り器具、ユーホーが頼みの綱だ。Uの字形をした草削り器(ホー)だからユーホー。先端は両側研ぎ出され刃になっており、これでひっかくようにして草を刈り取る。長さ1.5mほどの柄が付いているので、立ったまま作業をすることができる。このUの字の幅がほぼ15~6cmあるので、イネを痛めずに株間を掻き取ることが可能だ。水を深くし雑草の根本を掻き取ると、さくさくと切れ味が良い。



 昨年まで、除草機作業が終了してから、最後の仕上げにこのユーホー除草をしていたが、大きくおがった雑草はなかなか切れずついうっかりとイネまで刈ってしまって心痛むことが多かったので、今年は、2回の除草機押しの後すぐにユーホー除草に入ることにした。

 草もまだ若葉の状態だし、根本を覆う苔のような雑草も根が浅い所為もあって、楽にユーホーで土がらみ削り取ることができた。半日済ませ、肩やら肘やら腰やら、張ってきたぞ!ってところで、思いがけず雷!田んぼの中で落雷、感電死!なんてお断りなので、今日はこれにて終了、そそくさと田んぼを上がった。

 まず毎日こつこつと田の草を削り続けるしかないだろうな。草とイネのせめぎ合いのこの季節、なんとか手を貸してイネが勢力優勢になれば、後はイネの力で雑草を抑えてくれることだろう。ここが踏ん張り所、ここが我慢のし所だ。
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