ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

やっぱり紅座!

2023-02-27 10:20:05 | 菜の花座
6月公演は、やっぱり「紅座」で行こう。『流れ旅 紅座』シリーズの3作目で勝負しようって話しさ。
3年に1度仕上げて来た旅一座の物語が「流れ旅シリーズ」だ。
第1作は大正時代末、世の中の激動に揺れる中、一座を守る女座長の奮闘を描いた。公演には地元日本舞踊社中の全面的な協力を得られて、少女の愛らしい舞姿から大御所姉さんたちの唸らせる舞踊を数々披露してもらえた。
前作は満州に慰問に出かけた一座の数奇な数日間が題材だった。抗日戦線に加わった日本人娼婦とか朝鮮人の皇軍兵士とか、異国の荒野を旅して商売を続ける女とか、日中戦争さ中の満州を濃密に表現した。そうそう、役者がアコーディオンで花を添える趣向も好評だったっけ。
それじゃぁ、今回は、戦後の話しかい?うん、それも魅力ある。でも、シリーズで書くとなると、もうちょぃひねりを加えたいよな。明治末の紅座草創期と終戦直後を絡み合わせて舞台を作ることにした。
どんな仕掛けで二つの時代がつながるのか、それは、内緒の話しはあのねのね、ってことでお楽しみ。
40年を隔てた二つの今を結ぶのは、農村芝居!大衆演劇一座と芝居熱心な農村青年たちとのかかわりが一つのテーマ。もう一つは切迫した時代と向き合う主人公・座長紅咲夜の生きざまだ。
よしっ、これで行く、って決めてから1週間、今さらながらまた参考本を買い集めてるって、もう。

農村歌舞伎、地歌舞伎関係の本、ざっと目を通してみて、うーん、これじゃぁないなぁ、ちょっと失望気味だぜ。これらの本で紹介されてる田舎芝居は江戸や上方の歌舞伎の出し物を取り込んだものなんだ。一方、紅座は大衆演劇、新派とか剣劇とか壮士芝居につながる演じものを得意にしているんだ、って改めて理解した。って、おいおい、遅いだろ、そんなこと頭に入れて資料当たれよ、ってまったくその通り。
ところが、この手の書き物って極端に少ないのさ。歌舞伎とかと違って、権威付けがないからだろうか、優れた既成台本も少ないし、豪華絢爛の衣装もない。村の芝居好きが頑張って座を組んでも、一過性で終わってしまってきたんだろう。門付け芸人の芸が体系的に伝承されていないのと同じことだな、きっと。
どうにかネットを探し回って庶民芸能の歴史を漁ってみても、あるのは、新派や新劇が生まれ発展して行った足跡をたどれるばかりだ。そう、歴史は名のある人、モノについて回る。歌舞伎の出し物以外を得意とする旅回りの芝居一座は、人々に歓迎されたとしても、それは一時の気晴らしでしかなかったのかもしれない。誰も記録しておこうなんて思わない。うーん、なんか我々菜の花座の芝居と同じ境遇じゃないか、共感するぜ。
ってことは、勝手気ままに想像の翼を広げていいってことなんじゃないか。そこら辺に心動く物語が生まれそうな気がする。場所も自由、時代の設定もこちら任せ、書きたい世界が広がって行く。
二つの危機の時代、そこを突破すべく情熱をぶつけた若者と役者の物語。
そう、流れ旅シリーズ第3弾はこれだぜ!
面白く仕上げるも詰まらない駄作に終わるも、頭脳中の想像力領域、前頭葉か?の働きしだい、本読むのなんてさっさと取りやめて、瞑想、妄想するとしようか。


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