ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

水見は夜の快楽?

2015-06-16 10:41:01 | 農業
 雨が降らない!連休の頃からだから、もう1ヶ月は軽く越えた。たまに降っても、お湿りにもならない。いい加減にしてくれよ!

 畑は毎日の水やりが日課になっている。午前中2時間近くかけて、水をやる。中でもブルーベリーは乾燥が大嫌い!ちょっと晴天が続くと、枝先がくたぁっと下を向き、身も世もないほどの萎れようだ。せっかく実がついていよいよ収穫が始まるっていうのに、ここで降参されちゃ、これまでの手厚い介護はなんだったんだ。だから、水やり欠かせない。

 田んぼの方も、やばやばの状況になってきた。水路の水、来るには来るが、圧倒的に足りない。夜通し引き込んでも、朝、田面が一部顔を覗かせている。上流の人も、下流の人もいるから、むやみやたらと引っ張ってきて、すべて我が家の田に流し込むなんて、そんな我田引水はできない。仕方なく、日中も水を入れ続ける。本当は、止めて田の水を温めたいんだけど。

 その点、地下水くみ上げの二つの田んぼは、たっぷりと水があるので気が楽だ。特に我が家だけで水を使ってる井戸は、いつ出そうと、どんだけ出そうと自由気まま、常にイネのお好み次第、気持ち良さそうぅぅな水位を保つことができる。

 日中、ちょうどいい湯加減、大袈裟じゃない本当にぬるま湯になる、にとどめて、蒸発と地下浸透で失われた分を夜間に補給する、これがもっとも望ましい形だ。ただ、夜通しポンプを回していると、水位が深すぎることになり、時には畦からあふれ出ることもある。これはもったいない!電気も水も。それ以上に、10時間以上も地下の冷水を浴び続けるイネの辛さを考えると、とても、そんな出し方で、イネの悲鳴を聞くのは忍びない。

 で、今年から、夜、仕事を上がる6時頃に出し、寝る前の11時前後に止める、そんな方法を実践している。幸い田んぼまでは100mほど、ほろ酔い加減で歩いたところで大した負担ではない。週のうち3日は、菜の花座とシニア演劇学校で帰りは夜11時近く、帰り際に止めてくればいいわけで、これまた好都合。と、いうことで、田植えからかれこれ1ヶ月、田んぼの夜回りを続けている。

 さて始めてみると、これが思いのほかの心地よ。時間は遅いが夕涼み気分がぴたりとはまった。星空を眺めながら、散歩気分で道をたどる。賑やかなカエルの大合唱。のどかだなぁ、って夜中に言うせりふじゃないか。そして、この夜の水見で、今、一番気に入っている風景が、これ。水面に整列したイネの隊列だ。



 神秘的な美しさ!なんか、宮沢賢治の世界のようじゃないか!「バナナン大将」とか「月夜の電信柱」とか。星空の下、きちっと整列したイネたち、これからどこかに向けて行進していくかのようだ。この不思議な光景を見るってことも、夜の水見の大きな喜びの一つになっている。さらにぐいぐいと育って行って、イネの軍隊はどうなって行くんだろう。あと1ヶ月もすれば、水面を覆うほどにおがって、また別の光景を見せてくれるに違いない。それも楽しみだ。

 そうそう、そのころにゃ、蛍の乱舞も楽しめることだしね。
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