ステージおきたま

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舞台装置ミニチュア版、完成!菜の花座『異聞・巷説「安寿と厨子王」』

2019-04-16 09:29:11 | 菜の花座

 装置さん、またまたやってくれたぜ。早くも舞台ミニチュア完成!

そうそう、こういう感じなんだよ。笹薮に囲まれた屋敷。上手に座敷があって、下手は岩組、奥には板塀または垣根があって中央に門。この舞台は通して据え置きだ。つまり、庭の石組にもなり、海辺の岩礁にもなる。装置の出し入れをするスタッフなんていないからね。一つ装置を演出と照明の工夫で使い回す。

 思い切って抽象舞台で、とも考えたが、物語の進行そのものが、時間はもちろん、虚実も超越してるし、これ以上、あやふやにしたら、見てる人戸惑うだろと思ってね、具象的に作り込んでもらった。菜の花座の装置さんの得意技でもあるから、その力を発揮してもらうってことも大切な要因なんだぜ。

 中世の地方小豪族の館。門が不釣り合いに立派なのには、理由がある。いや、仕掛けがある。注意深い人なら、画像から想像つくはずだ。こちらの意図をバラしちまえば、本番での驚きは半減するはず、今日のところは間違い探しクイズということにしておこう。そう、門としちゃ不自然なところがあるんだよ、何か所か。わかるかなぁぁぁぁ?

 座敷はさらに上手奥に何部屋も連なっているつもり。なんせ、正妻さんと愛人が一緒に住んでる屋敷なんでね。手前の廊下は正妻さん一家の住まいへ、奥の廊下は二号さんの部屋へと使い分けるつもりだが、果たしてどんだけの人がその意図を汲みとってくれるもんだか。まっ、気にしなくたっていいんだ、そんなこと。ただ、正妻と愛人が同じ空間で一緒に暮らしてるって変だろ、ってクレーム出ないように弁解の余地を残しておいたってだけのことだ。

 下手岩組はいろんな場所に見立てられる。処刑場やら、潮汲みの岩場やら、姉弟が閉じ込められる船底やら。ここは照明さんの腕の見せどころでもあるな。もちろん、役者の演技もそれをリードする演出にも責任はあるけど。

 こうやって、ミニチュア舞台ができるのって、とても大きいことなんだ。作者・演出としちゃ、すべて頭に入っているんだが、役者の方は今一舞台の構造がはっきりしない。それがこのミニチュアですっきり理解できるわけだ。はぁはぁ、ここに立つわけね、とか、説経節語りと三郎の対決はこことここなんだぁ!とかね。この先、立ち稽古に入れば、この模写舞台が常に横に置いてあることで、自分の立ち位置や動きに不安がなくなるってことだ。

 と、ここまで作ってもらったんだ、この先、セリフだって、舞台に立つ自分をイメージしつつ発してもらいたいもんだぜ。

 ただ、もう一つ、大きな仕掛けが用意してあるんだが、それは究極の部外秘ってことにおくかな。

 

コメント
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