ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

対決!カイガラムシ

2018-06-02 09:00:16 | 農業

 ブルーベリーが元気だ。去年の衰弱状態が嘘のように、葉がたくさん付き、新しい枝もグイグイと伸びている。思い切って剪定したのが良かったんだなぁ。古くなって弱った幹はどんどん間引く、痛ましいようでもこれが若返りの秘訣なんだろう。人間も同じか?との思いがふっと浮かんだが、慌てて消し去った。

 植物ってのは、不思議なもので、生命の危機に瀕すると、目いっぱい実を成らせる。傷んでほとんど葉のない枝の先に鈴生りの未熟な果実。その様子、痛々しいほどだった。種の保存という生命の絶対使命を必死の思いで成し遂げようとしていたのだろう。そんな絶滅危機から引き戻したのが、情け容赦ない剪定、間引きだった。

 さらに、老いさらばえ、枯れる寸前の幹に追い打ちかけていたのが、憎っきいカイガラムシめだ。古木と言わず、新梢と言わず、びっしりとこびり付き、せっかく光合成で作り出した養分をすべて吸い尽くす勢いだった。そうだ、ミノムシもたくさんぶら下がってた。老体に寄ってたかってってことだ。

 今年は、昨年の必死の防除の甲斐あってか、ずいぶん少ない。とは言っても、この通り、所狭しとへばりつき枝を覆ってチューチューと樹液を吸っている。

 わかるかなぁ?このつぶつぶの一つ一つがカイガラムシの1個体なんだ。なんだって、こう群れるのか?お互い棲み分けすりゃたっぷり吸えるだろうに、ってつまらぬ心配をしてしまうほどに密集している。このまま放置すれば、この枝は確実に痩せさらばえる。実も落ちる。

 さて、この怖気をふるう惨状にどう立ち向かうか。農薬使えばいちころなんだが、そんなこたぁできない。生物的防除法ってことで、牛乳やせっけん液を撒くってのもあって、実際試してみたが、ほとんど効果はなかった。と、なりゃ、もっとも原始的かつ非効率的だが、確実無比のやり方で戦うしかない。

 そう、指先でこそぎ落とすんだ。爪を当てて、ずずっとはぎ落す。気持ちのいいもんだしゃない。が、体液がにじみ出るようなことはないから、見た目ほどのおぞましさはない。ただ、あちこちの枝に付着しているので見逃さぬよう一本一本探していくのが厄介だ。着き過ぎた実も大胆に切り落としながら進める。

 時々見つかるミノムシも引きちぎって、ポイ。

 こんな作業があって、無農薬栽培って成り立っている。無農薬栽培が自然に優しいなんて、嘘だ。所詮は己可愛さ、人間の強欲の行いに過ぎない。などと、センチメンタルな気分に浸っている暇はない。ええいっ、邪魔だてするなっ!カイガラムシどもめ、一掻き打尽だぁ!

 

 

コメント
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