ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

韓国を学ぶ②

2009-05-02 21:21:18 | 地域文化

 韓国を学ぶ①で、かなりきまじめな学習成果をちょっぴり披露した。で、今度は、お気楽編だ。って言っても、これはかなり驚き桃の木の心境で、へぇーを連発して学んだ内容。

 まず、参考にしたのは、呉善花(オ ソンファ)の『スカートの風』『続・スカートの風』『恋のすれ違い』(いずれも角川文庫)と、金 智羽(キム ジウ)の『韓国男性に恋をしてはいけない36の理由』(成甲書房)の4冊だ。いや、驚いた!当の韓国人から、かくもあけすけな同国人批判を聞かされるなんて。僕の中では、韓国人は愛国心に燃える人たちで、多かれ少なかれ反日感情を抱えていて、ということは、韓国については自信満々の人たちなのかって思っていた。

 また、僕自身、韓国の現代史など追ってみて、逆境の中で自ら民主主義を勝ち取った人たちと、尊敬の気持ちが少なからずあった。そう、それに引き替え、日本人は、・・・ってうんざりする気持ちもあった。少ない経験ながら、直に接した韓国の若者についても、礼儀正しさとか、落ち着きとか、逞しさとか、好印象を持っていた。

 ところが、ここに書かれた韓国人、中でも男性の姿というものは、はぁぁ?それって本当の本当?ってもう、眉に唾を付け、首をかしげ、果てはがっくりうなだれてしまう程のものだった。例えば、『韓国男性に恋をしてはいけない36の理由』に取り上げられた理由の幾つかをあげてみても、凄い!「とことんエゴイスト」「女房よりもお母さん」「口より拳が先」「理性より感情」「たまには人の話を聞け、韓国人」・・・ねっ、どうです?これ章のタイトル!これ見ただけで、わかるでしょ、内容が、って言うより告発のすさまじさが!一瞬、これって韓国嫌いの日本人が偽名で書いたいかさま本か?って疑ってしまったほどだ。でも、この著者はれっきとした韓国人。同国人の体質、体臭に嫌気がさして、日本生活の拠点を移してしまったという若者なんだ。

 さらに、呉善花の方は、もっと早く自国に見切りを付けて、日本で文筆活動を展開し、今では、拓殖大学の先生になってるって人だ。こちらの著作を読むと、韓国がいかに男性中心社会で、女が生きづらい社会であるかが、よーくわかる。中でも、『スカートの風』は韓国パブのホステスを、そのど真ん中に飛びこんで取材して書かれたもので、日本に流れて来ざるを得なかった彼女たちの切実な思いが、ひしひしと伝わってくる好著だ。

 どちらも、同国人を嫌悪するあまり日本人を持ち上げ過ぎてるきらいはあるが、もし、これらに書かれていることが真実なら、日本の現実はよりましだとは言えるかも知れない。で、そのことで、韓国人を、やっぱりな!と見下すような悪用のされかたにならなければ、なんて老婆心さえ浮かんでしまった。

 さて、この二人の本で、僕の台本の骨格が定まった。主人公は韓国のエリート女性。彼女は知的で優秀であるからこそ、母国からはじき出され、日本でも居場所を見つけられなかった。自身を精一杯生かす道を探し求めながら、ついに二つの国から放り出された女性の激しくも短い一生を「恨」をモチーフとして、たどってみることにした。だから、タイトルは『恨の行方』。女性が、存分に力を発揮する社会は、韓国でも、日本でも、まだまだ彼方に霞んでいるようだ。

 それにしてもこの二人、勇気あるよなぁ!こんなこと書いて、きっと、韓国人から非難囂々、どころか、脅迫だって舞い込んだに違いないんだから。その断固屈しない力強さ、頑固さ、これってやっぱり韓国人のものなのかな。いや、僕が弱いだけの話しです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする