ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

初めての取材

2009-03-14 22:13:38 | 演劇
 台本書くのに、初めて取材ってものを敢行した。
 菜の花座、第20回公演に向けてだ。これまでは、もっぱら本やネットを通しての資料収集だったけど、今回ばかりは、実際にご本人たちに当たっておかなくては、って思った。書こうと思っているのが、外国からの花嫁さんたちのことだったから。高畠も、結構多いんだ、中国や韓国からのお嫁さん。今回取材で聞いたところでは、国籍を変更していない人で130人強いるってことだから、人口2万人程度の町では、かなりの数だって言える。そう、我が家の近所にも何人かいるしね、今、東北の農村を書くとしたら、避けて通れない主題だと思っていたんだ。
 これほど多くの人たちが、母国を後にこの東北の地に根を下ろしつつある。これって凄いことだと思うんだ。ただ単に、嫁不足の解消なんてことを超えて、東北の将来、ひいては、日本の行く末にも大きく関わる問題だって思っている。今のところ日本は、外国からの移住を厳しく制限しているけれど、少子化の問題一つとっても、近い将来必ず多くの移民を受け入れざるを得なくなるだろうから、その時は、東北の地で苦労した先達とも言える彼女たちの経験が、きっと大きくクローズアップされることと思う。
 で、こういう身近で具体的な話題だから、これはやっぱり、話しを聞いておかなくては、書けないって思ったわけだ。もちろん、書籍による事前調査も十分に?行った。
 昨日、お世話になったのは、来日してすでに15年、もうすっかり高畠町に土着し、今では町の職員(嘱託?)として、町内在住外国人の生活相談を担当しているRさんと、彼女の紹介でお会いした3人の花嫁さん。3人の女性とは短時間の取材だったけど、Rさんからは1時間半近く、じっくりとお話をうかがうことができた。
 面白かった!一人一人の人生を垣間見るわけだから、とっても大きな広がりが感じられて、聞いていて、こちらの世界がぐいぐいと広がっていく気がした。台本にどれだけ生かせるかはともかくとして、こうやって直に話しを聞くって機会は、なかなかもって、癖になりそうだって感じた。ただ、極端に人見知りの僕としては、かなりの勇気のいることだったけどね。
 例えば、Rさんの話し。ご両親が文化大革命で農村に下放させられて、たった一人の都市戸籍を取るために全財産を投げ出した、なんて話し聞くと、今まで、ニュースの世界の話題でしかなかった文化大革命や毛沢東が俄然身近に感じられたりして、圧倒される思いだった。つい隣近所に暮らす彼女たちが、大きな歴史を背負っている、そんな重い現実を知ったことも、大きな収穫だった。
 さて、この貴重な体験を、果たして、舞台にまで仕上げることができるか?うーん、難しい!聞いたからこそ、厳しい。でも、せっかく取材に応じてくれた彼女たち、なんとか、台本仕上げることが、せめてもも礼儀だとは思っている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする