泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

合宿3日目

2021-09-20 21:09:33 | 丹下一の泡盛日記

前日朝、水野俊介さんが亡くなったという知らせを受けて、
「昔の」(以前、「”昔”って言葉を若造のあんたが使うたびに可笑しくて」と老けていることを自慢する女優さんがいた、とふと思い出す)。
昔の仲間たちに連絡を取り、稽古場の何人かにもシェアした。
自分がブレていたら、申し訳ないので。
そんな夜、一人パソで「六月の湿った森の子守唄」をかけて、
持参した日本酒を、ぱこん、と開けて飲み出した。
しばらくすると、部屋のドアノブが、ガチャリとなった。
この日同室のメンバーが戻ってきたのかと思っていたけど、
そうではなかったようだ。
おと、だけだった。
でも、誰かが入ってきたことが嬉しくて。
音を聴きながらゆっくり飲んだ。
なのに3時間しか眠れなかったのは、何故だろう。
水野さんとの時間を共有したかつての仲間たちと、飲みたいなあ。

3日目の稽古は無事終了。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

この朝のことは一生忘れない

2021-09-20 20:53:17 | 丹下一の泡盛日記
この日の高尾の朝のことを忘れることはないだろう。
ラインの着信音で目が覚めて、早すぎるので見なかった。
目覚まし前に目が覚めるのはいつものことで、
ラインを見ると、
ヒグマ春夫さんから「水野俊介さんが9月14日に亡くなった」と。
くらくらした。
iPhoneを確かめる。
前夜、水野さんの曲を聴きながら眠ったのは間違いない。
ベーシスト(五弦ウッドベース)の水野俊介さんとは、1990年代に何度仕事をご一緒したかわからない。
日本だけでなくポーランド・ツアーも。
奥飛騨、仙台、新潟、桐生、金沢、後どこ一緒に行ったかなあ。
当時の新宿の我が家に泊まりに来たこともたくさん。
前夜聴いていた「六月の湿った森の子守唄」を、
彼が運転する車内で聴かせてもらったことも思い出だ。
それは二人で奥飛騨に移動する途中、長野県側から岐阜県へ安房峠を越えようしている夏のこと。
霧が深くなってきた山中で「これ聞いてよ」と。
レコーディングしたばかりの、もちろん発売前の音源を聴かせてくれた。
それが標高2500メートルの山中にぴったりで、感動した。
そしてシアターχのオニール のシリーズで再会。
3年のプロジェクトをご一緒した。
2019年12月の「春琴抄」の舞台を見にきてくれて「とてもよかった!」と
何度も褒めてくれた。
ああ、もっと仕事をしないといけないんだねえ。

晴れ渡る空、夜までの稽古は実り多いものになった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ふと水野俊介さんの音が聴きたくなった

2021-09-20 20:45:16 | 丹下一の泡盛日記
土曜日は高尾へ。
月曜日まで2泊3日の合宿稽古。
もちろん11月の「野盗、風を走る」の、だ。
この連休に配信用の収録が予定されていたのだけど、キャンセルになった。
その時間を稽古に当てることになった。
台風が近づいてくる中、缶詰の予感。

原作を昨年来読み込んでいるのだけど、なかなか進めない。
というのも完成度が高い戯曲を「朗読」に収めようとしているからで。
きっといい役者ばかりだったんだろうなあ、という録音(50年以上前の!)を聞いても
演出はこれをどう料理するのだろう? と思っていた。
この日は終日「産みの苦しみ」の時間だったかもしれない。
長い稽古の後は、湿度の高い部屋で一人、
ちびちびと日本酒を舐めていた。
ふと水野俊介さんの音が聴きたくなった。
大好きな「六月の湿った森の子守唄」を耳元で流しながら
眠りについた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

川風に吹かれに

2021-09-20 20:37:46 | 丹下一の泡盛日記
これだけはどうしても、という「企画」または「儀式」が年に一度あって。
このコロナの季節だからこそ、川を渡ってくる風に吹かれに、出かけるのだった。

年をとると振り返ることばかりになっていかん。
それは、もちろん、目の前の「仕事」や「本番」が次々に消えていくから。
「未来」が消えていく。
それでもまだまだ「予定」はある。
未来はある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする