泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

ウクライナ軍はなぜ東部に攻勢をかけているのか

2014-08-11 11:42:16 | 丹下一の泡盛日記

マレーシア機がウクライナで撃墜されてから4週間が経とうとしている。未だに真相は藪の中。亡くなられた方々のご冥福を祈りつつも、納得がいかない、腑に落ちない気持ちでいる。
当初、自分はウクライナ東部を支配/占拠している親露派の誤射かと思っていた。だが、背後にロシアがいるとは信じられなかった。あの周到なプーチンがアメリカ人のような雑駁なやり方をするだろうか。
そして、興味深い記事を読んだ。著者は、ウクライナ軍部が意図的に撃墜したと主張している。
ウクライナ極右政権の軍部に、外国の民間機を撃墜し、その責任をロシアの支援を受けている(とされる)親露派の軍事勢力に押し付け国際世論を味方にする。その間に一気に東部に攻勢をかけて進駐、親露派勢力を一掃する、というシナリオがあるというのだ。
300人もの民間人、しかも戦闘には一切関係ない人々の命をそんな謀略のために奪うとはにわかには信じがたかった。だが、今ウクライナの東部の親露派が「占拠」している地域をつなぐエリアはウクライナ軍に奪還され、地域は分断されている。ウクライナ軍は、一気に侵攻を開始。地域の重要な拠点でも市街戦が展開されているという。
そして、墜落現場でも戦闘が激しくなりオランダの調査団が撤収を余儀なくされた。ウクライナ側は親露派が撃ってくる、というのだが、なぜ調査が終了していない現場に戦車で進攻しなければならないのだろうか。
ソ連時代、ウクライナ民族の誇りと自治を掲げて闘った「ルフ」という団体に親近感があった。あの誇り高い人々はどこへ行ってしまったんだろう。

8月になると太平洋戦争を含め戦争のことを考える機会が増える。
先日、テレビでオーストラリアの収容所での日本兵捕虜集団脱走事件が取り上げられていた。
日本軍がオーストラリアを空襲し甚大な被害を与えたことさえ知らない人が未だに多いことを不思議に思う。
これも日本の「教育」の成果なのだろう。
そして、そんな広い地域に喧嘩を売って歩いて、その後はどうするつもりだったんだろう。
先のことなど考えずに、気分と目先の利益だけで動いたとしか思えない。
教え込まれた「名誉」のため、死ぬために脱走した人たちと、本土でその帰国を待っていた人たちのことを思うとあまりに切ない。
コメント
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