たけちゃん活動・生活日誌

県議としての活動に追われてきましたが、引退後の生活の様子や、感じていることを発信しています・・・。

第三次安倍改造内閣の発足に当たって(社会民主党の談話)

2015年10月07日 | 社民党

                           社会民主党幹事長  又市征治 

1.安倍首相は、本日午前中に自民党の新役員人事を決定し、午後の臨時閣議での閣僚の辞表取りまとめの後、内閣改造を行い、第三次安倍改造内閣が発足した。「派閥の意向にとらわれず適材適所」、「仕事重視、結果第一の体制」というが、官房長官や財務相、総務相、外相、厚労相、経済再生相、地方創生相など9閣僚が留任し、目玉人事にも乏しく、国民的にも全く期待できるものではない。今回は見送られたが、「お友達」の稲田政調会長の閣僚起用が取りざたされたように、新閣僚には、「お友達」と総裁選の論功行賞が目立つものとなっている。社民党は、先の延長国会の最終盤で、他の野党と共同で不信任決議案や問責決議案を提出するなどして安倍政権と闘った。必要なのは、内閣改造ではなく、暴走を続ける安倍政治のストップであり、安倍首相の退陣である。 

2.新たに設けられる一億総活躍担当相には、官房副長官として首相を支えてきた加藤勝信氏が就任した。「突破力、結果を出す能力が必要だ」としながら、加藤副長官は、自らが参加した自民党議員の有志の勉強会において「マスコミをこらしめる」などと発言があった問題にも対処できなかった。また、一億総活躍担当相は、第三次安倍改造内閣の重要政策である、「アベノミクス・第二ステージ」の「新・三本の矢」を担当し牽引していくことになるが、「強い経済」は経済再生相と、「子育て支援」や「社会保障」も厚労相とどこが違うのかはっきりしておらず、権限も曖昧である。そもそも「一億総活躍」は、戦時中の戦意高揚のスローガンであり、国策遂行のために政府の統制下に国民を総動員した「一億総火の玉」を想起させる。「ママさんたちが一緒に子ども産みたいとか、そういう形で国家に貢献してくれればいいな」(菅官房長官)などのように、国民に対し、国家のための貢献を求める安倍政権の姿勢自体に違和感を感じる。また、加藤氏の後任の官房副長官に起用された萩生田光一党総裁特別補佐は、安倍首相の「お友達」そのものであるだけでなく、この間も問題発言を連発しており、その言動が懸念される。 

3.今回の改造で、新国立競技場やオリンピックのエンブレム問題、政治とカネの問題などで閣僚としての資質が問われた下村文科相が退任し、「法的安定性は関係ない」発言で追及された礒崎首相補佐官も退任した。事実上の更迭であるが、改造まで慰留し引っ張ってきた総理の任命責任も問われれなければならない。また、「お友達」の一人であり、年金機構の情報漏れ等で問題となった塩崎厚労相は留任したが、厚労省と関係の深い製薬・病院関連団体などからの資金提供や公私混同のある不透明な支出も問題であり、しっかりただしていきたい。戦争法の国家審議で迷走した中谷防衛相の留任も疑問が残る。 

4.農水相には、党TPP対策委員長である森山裕参議院議員が起用された。TPP交渉の大筋合意を受けて国内対策を担うといえばきこえはいいが、森山氏は石原派事務総長であり、自民党総裁選の無投票再選の論功行賞でもある。しかも、TPPに反対する農協に対し政治活動をやめるよう求めるなど、農家を裏切り、TPP参加反対という公約の転換を主導したことは問題である。また、ベテランの林幹雄経産相の起用は、自民党総裁選で首相支持をいち早く打ち出した二階派への論功行賞ではないか。

 5.復興相には、今回も被災地出身ではない高木毅元国土交通副大臣が就任した。東日本大震災の復興が進まず、被災地や被災者の切り捨てが進む中、現地の声が届かなくなることを懸念する。復興相には被災地出身者を充てるべきである。加えて、高木氏は原発再稼働などを求める自民党議員でつくる「電力安定供給推進議員連盟」の事務局長であり、高木氏の政党支部が原発で恩恵を受ける企業などから多額の献金を受け取っていた。福島原発事故再生総括担当大臣に、原発推進派で原発マネーと関わりのある高木氏を起用することは、極めて問題であり、大きな疑問が残る。 

6.党の行政改革本部や無駄撲滅チームで行革問題に取り組んでいた河野太郎衆議院議員が行政改革担当相となったが、河野議員は脱原発や再生可能エネルギーへのシフトの実現で知られており、原発推進の安倍政権の中でしっかりとした対応を続けられるか注視したい。 

7.女性閣僚として清新さをアピールする狙いからか、丸川珠代参院厚生労働委員長、島尻安伊子参院環境委員長がそれぞれ環境相、沖縄・北方担当相に起用された。「安倍ガールズ」の筆頭格で知られている丸川氏の起用も「お友達人事」である。また、基地の県外移設を掲げて当選したのに、手のひらを返したように新基地建設に転換し、基地を沖縄に押し付ける政府の先兵となった島尻沖縄・北方相に対しては、沖縄県民の中から議員辞職を求める声があり、そうした島尻氏の沖縄・北方相起用は、安倍政権の沖縄に対する姿勢を象徴する人事である。女性活躍推進法案に寄与した有村女性活躍担当大臣の退任は、女性閣僚数の減とあわせて、「女性活躍」が単なる人気取りのスローガンであったことを意味している。 

8.TPP交渉の大筋合意や内閣改造、経済情勢の変化などがあるにもかかわらず、秋の臨時国会の先送り論が浮上している。国民への説明も果たさず、新閣僚の所信表明も行わないのは、全く論外であり、臨時国会の早期召集を政府・与党に求めていく。

9.今後、安倍首相は、「アベノミクス・第二ステージ」など、経済政策の重視で支持率の回復を目指すほか、来年の参院選では憲法改正の発議要件の3分の2の162議席確保を狙ってくる。社民党は、今回の改造を安倍政権の「終わりの始まり」にする決意で、戦争法制の発動や辺野古新基地建設、原発再稼働、TPP参加、消費税増税、社会保障や労働法制の改悪などの安倍政権の暴走を食い止め、国民生活の向上と平和で安心して暮らせる社会の実現に向けて全力で対決する。

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