城繁幸『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』を読む。
いわゆる学歴とか年功序列といった
昭和的価値観とは無縁の仕事をしている僕だが、
いい学校→いい会社→幸せ
というモデルケースを理想とした社会で育ってきているので、
いくら「学歴なんかあったってダメだよ」とうそぶいても、
そして実際、学校の勉強なんかできたって、
社会に出たら大して役に立たないことは百も承知でも、
昭和的価値観が僕の体と心に染みついているのは否定できない。
そんな価値観を、ゆっくりと事例を上げて、
少しずつ崩してくれる好著だ。
印象に残った箇所を引用しよう。
──キャリアとはそもそも何だろう?
あえて訳せば「職歴」となるが、それだけでは不十分だ。
そこには自分の意志でキャリアを
積み上げるという主体性が抜け落ちている。
──よくスキルアップのために休日を犠牲にしてスクールに通う
ビジネスマンがいる。もちろんそれが望みなら止めはしない。
ただ、それが自分のものではない何かにせかされているものだとしたら。
いっそ諦めてみるといい。何かを諦めることで
きっと別の何かが見つかるはずだ。
著者が繰り返し書いているのは、
「自主性」の大切さ、だ。
自分は何をしたいか、何ができるかをしたたかに計算し、
スキルをみがき、自主的にキャリアを積んでいくことの必要性を説いている。
それは金持ちになるとか、という俗っぽい成功のためではなく、
あくまで自分が幸せになるために、面白い人生を送るために。
豊富な取材をもとにした明晰な考察で、
読むとわかるのだが、かなりの労作だと思う。
そのあたりが、アナリストがデータを分析するだけの
新書とは一線を画すのではないだろうか。
売れる本かどうかは、なんとも言えないが。
いわゆる学歴とか年功序列といった
昭和的価値観とは無縁の仕事をしている僕だが、
いい学校→いい会社→幸せ
というモデルケースを理想とした社会で育ってきているので、
いくら「学歴なんかあったってダメだよ」とうそぶいても、
そして実際、学校の勉強なんかできたって、
社会に出たら大して役に立たないことは百も承知でも、
昭和的価値観が僕の体と心に染みついているのは否定できない。
そんな価値観を、ゆっくりと事例を上げて、
少しずつ崩してくれる好著だ。
印象に残った箇所を引用しよう。
──キャリアとはそもそも何だろう?
あえて訳せば「職歴」となるが、それだけでは不十分だ。
そこには自分の意志でキャリアを
積み上げるという主体性が抜け落ちている。
──よくスキルアップのために休日を犠牲にしてスクールに通う
ビジネスマンがいる。もちろんそれが望みなら止めはしない。
ただ、それが自分のものではない何かにせかされているものだとしたら。
いっそ諦めてみるといい。何かを諦めることで
きっと別の何かが見つかるはずだ。
著者が繰り返し書いているのは、
「自主性」の大切さ、だ。
自分は何をしたいか、何ができるかをしたたかに計算し、
スキルをみがき、自主的にキャリアを積んでいくことの必要性を説いている。
それは金持ちになるとか、という俗っぽい成功のためではなく、
あくまで自分が幸せになるために、面白い人生を送るために。
豊富な取材をもとにした明晰な考察で、
読むとわかるのだが、かなりの労作だと思う。
そのあたりが、アナリストがデータを分析するだけの
新書とは一線を画すのではないだろうか。
売れる本かどうかは、なんとも言えないが。