Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

それまでの価値観に中指立てて

2008年04月20日 | 読んでいろいろ思うところが
城繁幸『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか』を読む。
いわゆる学歴とか年功序列といった
昭和的価値観とは無縁の仕事をしている僕だが、

いい学校→いい会社→幸せ

というモデルケースを理想とした社会で育ってきているので、
いくら「学歴なんかあったってダメだよ」とうそぶいても、
そして実際、学校の勉強なんかできたって、
社会に出たら大して役に立たないことは百も承知でも、
昭和的価値観が僕の体と心に染みついているのは否定できない。



そんな価値観を、ゆっくりと事例を上げて、
少しずつ崩してくれる好著だ。

印象に残った箇所を引用しよう。


──キャリアとはそもそも何だろう? 
  あえて訳せば「職歴」となるが、それだけでは不十分だ。
  そこには自分の意志でキャリアを
  積み上げるという主体性が抜け落ちている。
──よくスキルアップのために休日を犠牲にしてスクールに通う
  ビジネスマンがいる。もちろんそれが望みなら止めはしない。
  ただ、それが自分のものではない何かにせかされているものだとしたら。
  いっそ諦めてみるといい。何かを諦めることで
  きっと別の何かが見つかるはずだ。

著者が繰り返し書いているのは、
「自主性」の大切さ、だ。
自分は何をしたいか、何ができるかをしたたかに計算し、
スキルをみがき、自主的にキャリアを積んでいくことの必要性を説いている。
それは金持ちになるとか、という俗っぽい成功のためではなく、
あくまで自分が幸せになるために、面白い人生を送るために。

豊富な取材をもとにした明晰な考察で、
読むとわかるのだが、かなりの労作だと思う。
そのあたりが、アナリストがデータを分析するだけの
新書とは一線を画すのではないだろうか。
売れる本かどうかは、なんとも言えないが。

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春の嵐

2008年04月19日 | 日々、徒然に
しばらく平穏な日々が続いていたかと思ったら、
いきなり朝から暴風雨。
心もなんだかざわめいてしまい、
春の嵐という感じである。

春の嵐、というヘルマン・ヘッセの小説があった。

大学を出て、最初の会社に就職した頃、
僕は会社と自宅のアパートの往復だけで、
すごくシンプルな生活をしていた。

休日は日曜だけで、僕は映画を見にいくか、
本を読むかのどちらか、という過ごし方をしていた。
酒はたまに友人と会って呑むぐらい。
現在のように、やさぐれたらすぐ呑みにいけるような仲間もいなかった。

アパートの近くに大きな有料の庭園があり、
僕はそこで入場料を払って、中にあるベンチに座り、
ヘッセの『春の嵐』を読んだ記憶がある。

季節もちょうど春で、
強い風も吹いていて、まさに春の嵐。

あの頃はたまらなく孤独だったけど、
それはそれで楽しい日々だったような気がしている。

ほどなくして僕は転職をして、
それまでとはうって変わった、
慌ただしい日々を過ごすことになるのだが、
それまでのシンプルで静かな時代をいとおしく感じてしまうのだ。



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雨の日の語感

2008年04月17日 | 日々、徒然に
雨が降ると、寒い。
今日はS社で単行本の打ち合わせ。
タイトルを決めるのに2時間ほどかかる。
ようやく腑に落ちたというか、
いよいよ本格的にスタートという感じである。

それにしてもタイトルを決めるのは難しい。
この仕事をしていて、いちばん大変なのは
タイトルや見出しを考えることだ。
スラスラとセンスのいい言葉が出れば問題ないのだが、
悩むと、どんどん深みにはまってしまう。
売れる本というのは、やはりタイトルがいいものが多い。

『おひとりさまの老後』とか、
『生物と無生物のあいだ』とか、上手いと思う。

センスとか語感とか勢いとか響きとか。
言葉というものは、どうしてこんなに難しいのだろう。


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いまここにある危うさ

2008年04月17日 | 日々、徒然に
今日は図書館で調べもの。
最近は何でもネットで調べられるのだが、
どうも信憑性がないので参考程度と考えるほうがいいようだ。
ウィキペディアは信用すべきではない、と多くの人が言うのだが、
実際、図書館にある新聞の縮尺版で確認したら、
思い切りウィキペディアの記事が間違っていた。
危ない危ない。

夕方から阿佐ヶ谷に移動して、
雑誌に未来はあるか、と題したイベントに参加。
ビールを飲みつつ、雑誌のありかたと街との関わりについて
ミニコミやインディーズマガジン(同じ意味ですな)、
フリーペーパー(「R25」とは違うモノ)の意義と未来について
いろいろと考えさせられるのだった。
尊敬するミニコミ誌「谷中・根津・千駄木」(谷根千)と、
ミニコミとは言えないけど、
ある意味ミニコミのトップ雑誌的存在の「広告批評」が休刊と聞く。
雑誌の未来は暗いのか。それとも明るいのか。

イベントは4時間にも及び、
気がついたら終電間近。
一緒に参加していたHさんとMさんと、
イベントが終わったら、軽く一杯やろうと思ったのに、叶わず。
泣く泣くJRに乗り、家路をたどるのだった。



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日本文化を根底から

2008年04月15日 | 邪悪なT君
丼(どんぶり)は日本の誇る文化である。
カツ丼、天丼、親子丼。
戦前、あるいはモノによっては江戸時代からある丼。
深川丼、鉄火丼、そして牛丼。
どんぶりにご飯を盛り、そこに具を乗せて食べるシステムは、
お手軽であり、ファーストフードとしてはかなり優秀だと思う。

「うひょひょひょひょ。
 知ってますか~ウインブル丼って」

邪悪なT君は、満面の笑みを浮かべながら
僕に報告してきた。なんだ、その「ウインブル丼」って?

「ご飯の上にハムカツが乗ってるんですよ、
 そこにデミグラスソースがかかってるわけで~」

なぜハムカツなのだ? と、
(よせばいいのに)問いかけると

「あのですね~テニスの伊達公子っているじゃないですか。
 あの『公』っていう字を上から読むと
 『ハ』と『ム』になるからですよ~。
 こりゃ一本取られましたね~うひょひょひょひょ」

一気に脱力する僕。はいはいそうなのか。

「でも、なぜデミグラスソースがかかっているのか、
 それは謎なんですよ~不思議ですね~」

邪悪なT君は、それ以外にも、

ポセイ丼
ロン丼

といったモノがあると大喜び。
日本の誇る文化、(邪悪なT君と共に)地に墜ちたり。




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七夕へのディスタンス

2008年04月15日 | 日々、徒然に
今日は、夏に出る予定の単行本に収録する対談をおこなう。
滞りなく対談は終了したが、
版元さんから、完全入稿は七夕です、と言われて
それほど時間がないことに愕然とする。

締切はこの本だけではない。
差し迫ったものがいくつか待ちかまえている。
きっとすぐGWが来て、夏になり、
暑い暑いと言っているあいだに、秋から冬となるのだろう。

そんな無常観にひたる暇もなく、
明日もやってくる。そして明後日も。




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ジャンピングジャック胃腸

2008年04月13日 | たまには音楽でも
ローリング・ストーンズ『シャイン・ア・ライト』を聴く。
マーティン・スコセッシ監督によるライブドキュメント映画のサントラだ。
もう65歳になろうとしているのに、
ミックにしてもキースにしても元気だ。
少しは見習わねば、というのと、
その元気にあやかりたいと思いながら、聴く。



ストーンズのライブには、
90年の初来日ライブ以外はすべて見に行っているが、
これだけ長く聴いていると、
レア曲はどれだ? 的な探し方をしてしまう。
キースがリードボーカルを取る
「You got the silver」「Little T&A」に感動。
個人的にはやはり「As tears go by」。

2年ほど前の東京ドーム公演でも
演奏してくれたのだが、
あれは泣けたなあ、と。

「As tears go by」は、ゴダールの『メイド・イン・USA』で、
唐突に現れたマリアンヌ・フェイスフルがアカペラで歌うのだが、
そのシーンを見て以来、僕はこのストーンズの曲が大好きなのだ。
あの映画のマリアンヌ・フェイスフルのヴォーカルは
たまらなくクールで切なかったことを覚えている。



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タッコングで心の平穏を

2008年04月13日 | やさぐれ男のつぶやき
このオイル怪獣をじっと見つめながら、
エネルギーをチャージする(できるのか?)



体調はかなり戻りつつある。
クスリで痛みを紛らわせているだけかもしれないが、
とりあえず、溜まっているものを
ひとつずつ、ひとつずつ。
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本調子にはほど遠く

2008年04月12日 | 満身創痍な
胃痛はかなりおさまったが、
本調子にはほど遠い感じ。

いったい何だったのだろう、この痛みは。
二日ほどずっとまともに食事ができなかったが、
今日、ようやく固形物が食べられるようになった。

午後からプライベートな用事で
いろいろと疲れたり和んだりと、
妙にせわしない時間を過ごす。

気がついたら、もう夜。
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しかめっ面はキミのせいじゃない

2008年04月11日 | 満身創痍な
チャハーン、とかではしゃいでいたら、
急に胃痛に襲われてしまいました。

かなりやばい感じ、
以前入院したときの感じに近いほどの痛みだったので、病院に行く。

(白髪の目立つ)E先生は、僕を見るなり、
「このあいだ、胃カメラやったばっかりじゃないの。
 悪いところはないから大丈夫だよ」

と僕の訴えを一笑。

「実は、最近、暴飲暴食気味で…」

と言ったら、苦笑していた。

「じゃあ、クスリ出しておくから、大丈夫だよ、ね」

とあくまで僕の訴えを本気にしていない。
そこまで言うなら大丈夫かな、と。
「暴飲暴食」のくだりで、そばにいた看護師さんにも笑われてしまう。

相変わらず笑われる人生だが、
とりあえず、クスリを呑み、仕事場に行く。

僕に会う人たちへ。
しかめっ面してますが、体調が悪いのでそうなってます。

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