Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

アジア憧憬

2015年07月07日 | もう瀕死で

「もう6年もやってないじゃない」

そう言われたのは、自宅近くにあるかかりつけの病院で、

かなりのご老体と思われる先生からだった。

 

胃の調子が上向かず、

ここらが潮時だろうと病院に行ったのが運の尽き。

13年前に胃で大病をしたわけだから、

老先生、毎年検査(胃カメラ)をしてるものだと思ったらしい。

「じゃあやっておこうね、久し振りだし」

とカルテを見ながら、先生が曖昧な笑顔を向けた。

久し振りだろうと何だろうとやりたくないんですけど、

とは到底言えず、予約を入れる。

 

会計で呼ばれるまで沢木耕太郎の本を読む。

夏になると、なぜかこの人の書いたものが読みたくなる。

アジアを旅する沢木青年の心の動きをなぞりながら、

行きてえなあ、アジア。その前に胃、だけど。

 

 

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