トランプ大統領、ツイッターで、
ゴラン高原はイスラエル領だと認める発言。
それを受け、ネタニヤフ首相は大喜び。
贈賄疑惑で窮地に追い込まれて
いたところに、追い風が吹いてきた模様。
トランプ大統領はユダヤ票のため、
ネタニヤフ首相は自国の保守系の基盤を固めるため、
利害が一致しているようで。まさにウィンウィンの関係。
ていうか、この「ウィンウィン」という言葉は苦手。
お互い勝って儲かって、いいことだらけ、というビジネス用語で、
この言葉を聞いたのは10年ぐらい前だったか、
とある企業の取材をしたときに、インタビューイが
「ビジネスはどちらか一方がいい思いをするだけではいけません。
やっぱりお互いいい思いをしないと」という言葉のあとに発せられた。
なぜ、こんなにもやっとするのだろうと、
思っていたのだけど、
武田砂鉄さんの「紋切型社会」(新潮文庫)を
読んだときにこう書かれてあったのを発見。
ちょっと長いけど、引用します。
常識人ぶると、「WIN-WIN」という
流行りのビジネスワードの陰には
確実に「LOSE」がいるのだし、
ならば、ジャーナリズムの役務は、
埋もれてしまった「LOSE」に目を向けて、
そこへ強引に追いやろうとする
WINの存在はないかと監視すること、なのであろうが、
人はWIN-WINを目の前に差し出されると、
ついついお互い勝ち合っているのだしと、
そのハグをそそくさと許容し、
足元で誰かが踏んづけられている光景に目をやることを失念してしまう。
チャンスなんていくらでもあったのに、
WINになれない方が悪い、とWINでもないくせにWINに加勢してしまう。
株価が上がって儲かるのなんて
大企業だけだと憤っても、WINは「そんなこと言ってないで
株を買えばいいじゃんか」と言う。
WINに参画できないからLOSEなのだと鼻で笑う。
WINとWINは「-」でつながっている。結託している。
だからこそ、LOSEはなかなかWINには立ち代われない。
引用ここまで。
イスラエルの話に戻ります。つまり、
パレスチナの人はWINになれないんだなあ、と。
足元で誰かが踏んづけられている光景に目をやることを失念してしまう。
ところで今日見たのだが「ROMA」いいぞ。
まさに足元から始まる。
そして、
アルフォンソ・キュアロン、いい。必見。
で「ROMA」見たよ。
両脇ギリギリで通る車、犬のウンチ、
水と火、群衆、それから波。
すごい。驚いた。