Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

不在で不毛な悪戦苦闘

2011年12月23日 | 日々、徒然に
ようやく『監督失格』の続き。

『由美香』は、まさに林由美香に捧げた映画である。
彼女の一挙手一投足をカメラでとらえ、
限りない愛情を注いだ、プライベートフィルムであり、
自転車という、映画にはうってつけの小道具を使い、
ロードムービーの傑作となった。



この映画では、林由美香がとにかく愛らしい。
笑っても、泣いても、怒っても、平野監督は彼女にカメラを向け、
その表情と仕草のすべてを記録しようとする。
しかし、彼女と大喧嘩をしたときなど、
肝心なところを撮影できないことがあり、
そんな監督のチキンな面を見て、彼女は「監督失格ね」と笑う。

『由美香』の公開後、二人は別れるのだが、
それなりに良き友人関係を築いていたようだ。

平野監督はその後、『流れ者図鑑』『白?The White』という
「自転車三部作」の残りの2本を撮ったあと、
表舞台に出てくることはなくなった。

AV女優としての盛りが過ぎた林由美香は、
ピンク映画にも頻繁に出演するようになる。
なかでも04年に公開された、
いまおかしんじ監督の『たまもの』は一般の映画ファンからも
高い評価を受け、ピンク女優としても確固たる地位を築く。

そして2005年6月26日??。
林由美香が亡くなったとのニュースが。
薬物とアルコールの摂取による事故死だったと報じられた。
そのとき、さぞかし平野監督は驚いているだろうと想像したのだが、
実際は、それどころではなかった。
彼女の死について、平野監督は当事者だったのだ。

うう。終わらない。あと1回ぐらいで終わります。たぶん。


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