佐野元春「自由の岸辺」を聞く。
2011年の「月と専制君主」に次ぐセルフカバーアルバム。
今作も、いわゆる有名曲や人気曲を敢えて避け、
元春ファンの心の片隅にこっそりこびりついていた
マニアックな曲を、現在の解釈で再現。
ディランはライブで原曲をかなり違うアレンジでやる。
元春もディランほどではないけれど、
自分の曲をアレンジするのが好きである。
だから今に始まったことではなく、
原曲とはかなり異なるアレンジで、しかも歌詞も変わっているので、
まさに今やりたい音楽、語りたい言葉があって、
それがたまたまセルフカバーという形になっているというか。
それでも原曲の良さは残っていて、ディランのように
原曲の良さをぶち壊すということはない。
そのあたりはまだ、元春は常識人なのだろう。
ともあれ、
03 夜に揺れて
はファーストアルバム「バック・トゥ・ザ・ストリート」の
1曲目だったりして、その変貌に驚きつつも、
62歳になった元春なりの疾走感が出ているし、
09 最新マシンを手にした子供達
は、ジャングルビートというか、
ストーンズの「悪魔を憐れむ歌」みたいで
割とゾクゾクしながら、聞く。
11 グッドタイムス&バッドタイムス
も「バック・トゥ・ザ・ストリート」からの名曲だけれど、
レゲエ調でそれはそれで味わいがあったりする。
ライブに行ったら、
これらの曲は本作のアレンジなんだろうな。
でもやるなら原曲のアレンジで聞きたいと思うのは、
古くからのファンのわがままなのだろう。きっと。
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