Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

オフビートな正統派

2020年06月14日 | 映画など

ジム・ジャームッシュ監督

「デッド・ドント・ダイ」を見る。

ほぼほぼ予想通りというか、ジャームッシュ監督らしい

オフビートでサブカルなゾンビ映画。

でも最後まで見終わったとき、

笑いと恐怖、そして、絶望感というか諦念のようなものが

しっかりスクリーンから伝わってきて、

これはロメロ先生の流れを継ぐ、

正統派のゾンビ映画だなあ、と感心しきりだったという。

 

 

ただひたすら、ひとりまたひとりと

ゾンビに喰われていく映画。

出てくる人物に思い入れのある描写などなく、

あーあ、喰われちゃったというとぼけた感じが残る。

そんな阿鼻叫喚をただ、呆気にとられながら眺めるしかない

ビル・マーレイとアダム・ドライバー。

このふたりの受けの芝居というか、アホ面(褒め言葉)が

なんとも素晴らしい。たぶんこの映画を見ている観客も

彼らと同じくアホ面でスクリーンを見つめるしかないというか。

 

イギー・ポップとか、スティーブ・ブシュミとか、

ただでさえ怪しい面構えの連中に

ゾンビをやらせたら、それはそれは栄えるだろうな、

とジャームッシュは思ったんだろう。

さらにティルダ・ウィンストンに

「キル・ビル」のユマ・サーマンみたいな

サムライガールを演じさせたりとやりたい放題の映画。

前作「パターソン」がものすごい名作だったジャームッシュの

次作を見る自分がアホ面になるとは思わなかった。

 

シネフィル的には、

アキ・カウリスマキがゾンビ映画を撮ったら、

似たような映画になりそうだな、と。

マッティ・ペロンパーのゾンビとか見てみたい

ってすでに死んでるか。

あるいは小津安二郎が生きていて、

ゾンビ映画を撮ることになっても、同じ映画になるはず。

笠智衆や杉村春子がゾンビを演る。おお。なんだかすごく見たくなってきた。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« まやかしの人生 | トップ | やさぐれ桃源郷 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画など」カテゴリの最新記事