故キム・ギドク監督の特集上映。
新宿のケイズシネマとヒューマントラストシネマ有楽町で
来週から行われる予定が、中止になったらしい。
あなたは何者だったのか。
というキャッチコピーがあしらわれて、
さまざまな論争を呼んだこの監督の作品を
あらためて見直すという企画だったようだ。
伝え聞くところによると、
この監督は、キャストやスタッフの女性に対して、
パワハラとセクハラをくり返しており、
PTSDに悩まされている被害者は少なくないという。
作り手と作品は分けて考えるべきだという意見がある。
でも、この監督の場合、
作品自体に色濃くパワハラとセクハラそのものが
映し出されていて、当事者には堪えがたいものであり、
二次被害、三次被害の危険性があるのは明らかだ。
上映中止はやむを得ないと思う。
ケイズシネマはいち早く上映中止を決めたが、
ヒューマントラストは予定通り上映するつもりが、
非難の声が大きくなり、やむなく中止にしたようだ。
しかし、どういう理由で中止にしたのかは、
両館とも明確な説明はしていない。配給会社の
クレストインターナショナルも同様だ。
ここ数年、日本でも世界でも映画業界では、
権力のある者から弱い者へのハラスメントの横行が
次から次へと明らかになってきている。
映画の名のもとに、何をしてもいい、
という人たちの存在というか、
好きだった俳優とか監督、映画館とか映画雑誌とかが、
そんなコトをしていたと聞くのはなんとも辛い。