ブルース・スプリングスティーン
&Eストリートバンド
「ノー・ニュークス・コンサート1979」を聞く。そして見る。
スリーマイル島の原発事故を受け、
反核を掲げるミュージシャン有志が
マディソン・スクエア・ガーデンで
開いた大規模コンサートのなかで、
伝説の誉れ高いスプリングスティーンのライブが、
CDとBDでパッケージ化。
このときスプリングスティーン29歳。
「明日から俺は30歳。だから自分を信じないようにする」
と叫びながら、ロックしてロールする。
家の小さなテレビモニタからでもこれだけ圧倒されるのだから、
当時、生で見たファンは悶絶したに違いない。
自分がボスをちゃんと聞いたのは
84年の「ボーン・イン・ザ・USA」からだから、
その5年前のライブということになる。
もしそのときリアルタイムで見ていたなあ、
と嘆いても始まらないのだけど、
ものすごいエネルギーをモニタから浴びるおっさんがここに。
見ていて、
ずっと佐野元春のことを考えていた。
元春がデビューしたのは、このライブの1年後。
当時の元春は、かなりボスのスタイルを
意識していたことがよくわかるというか。
ここで演奏される07 Jungle Landと
元春の「ロックンロールナイト」はまさに生き写し、
という感じがする。
つまり当時の自分は、
元春のスタイルと演奏、唱法に、
ロックンローラーとしての出で立ちに
ボスを通して見ていたということなのだろう。
ともあれ、01 Prove It All Nightから
02 Badlandsの流れはいきなり体温が上がるし、
おそらくこのときに初めて披露したであろう
04 The Riverの溢れるペシミズムとロマンチシズム。
終盤のロックンロールメドレーは
観客より前に、本人が失神しそうなほどのテンションだ。
なんとも凄まじい90分というか。
見たあとはどっと疲労感が。全篇見通すには
体力が必要です。弱っているときに見るのは厳禁ですよ。