昨日は沖縄慰霊の日。
そうか。この本があった、
と、仕事場に置いたままだった
今日マチ子「COCOONコクーン」(秋田文庫)を再読。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/4d/b88ad153284251c9fd36d7b07124de0f.png)
戦地に赴いたひめゆり学徒隊のサンとマユを中心とした、
ひたすら可愛らしく、ひたすら残酷な少女たちの生と死。
無残にも命を落としていく彼女たちを、
著者はその透明感のある筆致で容赦なく描いていく。
タイトルの「コクーン」は、
少女たちのコミュニティを繭にたとえていて、
羽化しないことで自分たちの夢や理想、潔癖さを保っている。
しかし、戦争を起こした者たちの勝手な論理が、
彼女たちを押しつぶしていくのだ。
主人公の母が大事にとっておいた石鹸の匂い。
そして、次々と死んでいくクラスメイトたちの死臭。
嗅覚のイメージで研ぎ澄まされたコミックでもある。
また来年も沖縄慰霊の日がやってくる。
この本は仕事場に置いたままにしておこうかな、と。