Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

繭のように生きる

2021年06月24日 | 読んでいろいろ思うところが
昨日は沖縄慰霊の日。
そうか。この本があった、
と、仕事場に置いたままだった
今日マチ子「COCOONコクーン」(秋田文庫)を再読。


戦地に赴いたひめゆり学徒隊のサンとマユを中心とした、
ひたすら可愛らしく、ひたすら残酷な少女たちの生と死。
無残にも命を落としていく彼女たちを、
著者はその透明感のある筆致で容赦なく描いていく。

タイトルの「コクーン」は、
少女たちのコミュニティを繭にたとえていて、
羽化しないことで自分たちの夢や理想、潔癖さを保っている。
しかし、戦争を起こした者たちの勝手な論理が、
彼女たちを押しつぶしていくのだ。

主人公の母が大事にとっておいた石鹸の匂い。
そして、次々と死んでいくクラスメイトたちの死臭。
嗅覚のイメージで研ぎ澄まされたコミックでもある。

また来年も沖縄慰霊の日がやってくる。
この本は仕事場に置いたままにしておこうかな、と。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする