斉藤耕一監督「約束」を見る。
言わずとしれた岸惠子とショーケン主演の名作だけれど、
実はこれまで未見。
シネフィルってどんな映画でも見ているようで、
大して見ていないのです。
大して見ていないのです。
それはともかく、
人物は風景の一部であるという作り手の確信のもと、
決して結ばれることのない女と男の宿命が描かれ、
なんという名作なのだと、初公開から49年も経ったあとに
ようやく思い知ったのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/b0/b5065f9277a1cc3a605ab389915e56f8.jpg)
岸惠子演じる女は受刑中の身であり、
警察の保護下に置かれつつ、亡くなった母の墓参りに行く。
列車で偶然乗り合わせたショーケン演じる青年のまっすぐな心根に
惹かれつつも、自分が犯した罪が足かせとなる。
彼女の悶々とした心が、ひなびた港町の風景とシンクロする。
なんとも言えない侘しさが漂ってくるのは、
70年代という時代の特異性なのだろうか。
いわゆるアウトローや負け犬が
映画のヒーローやヒロインだった時代。
ショーケン可愛いなあ。
カッコいい、というより可愛い。
岸惠子ならずともイチコロでしょう。
でも映画はそう素直に転がることはないのでした。