エドワード・ギラン監督
「さすらいのレコード・コレクター」を見る。
「音楽ファンが待ちに待った、
レコード掘りドキュメンタリー発掘公開!」というキャッチコピーだけど、
ホントに音楽ファンが待ちに待っていたんだろうか、
という突っ込みをしたくなるほどの
マニアックすぎるドキュメンタリー。
本作に出てくるおっさん、もといジョー・バザード氏は、
ただの筋金入りのレコードマニア(日本語が変だな)ではない。
収集するのは72回転のSP盤ばかり。
1920年代のブルースやカントリーが最高だと言い、
音楽として聞く価値があるのは1950年代まで。
ロックンロールなど音楽を滅ぼすガンだ、と放言、いや断言。
ロバート・ジョンソンがまともなヤツの最後だと言い切る。
でも、大量のSP盤を丁寧に保管しながらも、
けっこう乱雑にターンテーブルに置き、
「どうだ、いいだろう」とドヤ顔かつ
ノリノリでレコードをかけるこのおっさんは、
存在自体にドライブがかかっていて、
映画の被写体として完璧というか。
52分という上映時間もあっという間で、
なんという疾走感。こんなおっさんに
アメリカの音楽史を教えられるのも悪くない。