ノア・バームバック監督
「ヤング・アダルト・ニューヨーク」を見る。
中年のドキュメンタリー監督とその妻が、
自分を慕うドキュメンタリー志望の若者と出会い、感化されていく。
若者の価値観にアイデンティティーをぐらつかせながらも、
なんとか自分を保っていこうとする物語だ。
ノア・バームバック監督は才人だと思う。
前作の「フランシス・ハ」(傑作です)でも
アイデンティティーを確立できない女の子を
面白可笑しく描いていたけれど、
本作は、大人になりきれず、
若者の自由闊達なところに惹かれたドキュメンタリー監督が、
あれこれ振り回されながらも、ようやく自分の生き方に気づくわけで。
そのダメダメなところ、純粋なところもふくめて、
ときには辛口に、そしてときには優しく包み込んでいく。
ベン・スティラーっていい俳優だなあ。
実はアダム・サンドラーやオーウェン・ウィルソンとの区別が
つかなかったけれど、監督作「LIFEライフ」もいい映画だったし、
ほんと見直しました(なぜか上から目線)。
あとナオミ・ワッツのおばさんっぷりも微笑ましい。
若者に混ざってヒップホップを踊る場面の可笑しさ。
ハリウッド映画の女優さんには珍しく、
映画に溶け込むことのできる人だと思う。
それから
トリュフォー映画の定番だった、
ジョルジュ・ドルリューの音楽を効果的に使ったり、
ゴダールの発言を引用するなど、
おぬし、なかなかのシネフィルぶりじゃのう。
と、ひとりほくそ笑むのでした。