Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

ナイトメアシェイクスピア

2015年01月24日 | 映画など

オーソン・ウェルズ監督「マクベス」を見る。

シェイクスピアの中でも

血なまぐさナンバーワンと言えるこの作品。

黒澤明やポランスキーなど、

いろんな監督が撮ってきたけれど、

オーソン・ウェルズが監督した本作は、

より不気味さが増しているというか、悪夢のような呪われた映画というか。

 

「マクベス」ってそもそも物語自体、後味が悪いというか。

魔女と悪妻にそそのかされて、王を殺したマクベスは

代わりに王座につくのだけれど、その罪にさいなまれて

結果的に自滅していく。見ていて気持ちのいい話ではない。

マクベスを演じる俳優は、

そのあたりの狂気を存分に見せる必要があるわけで、

さぞかし演じがいがあると想像する。

 

オーソン・ウェルズがまさにそのマクベスを演じているのだけど、

もともと存在感がありすぎる人なので、とにかく濃いし、暑苦しい。

予算がなかったのか、チープなセットと衣裳で彩られたウェルズの熱演が

これでもかと見る者に迫ってきて、これ以上やると笑ってしまうぐらいのレベル。

変な映画だなあと思いつつ、最後まで一気に見せる。強引だ。

 

実は今年、オーソン・ウェルズって生誕百年らしい。

「市民ケーン」と「第三の男」しか知らない人(自分もそう)のために、

どこかで回顧上映をやってくれないかな。

天才と言われつつ、どこか胡散臭いイメージを纏い、

俳優としても規格外の存在感を示すこの人は、

まだまだ正当な評価がされていない気がするわけで。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする