Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

その佇まい

2015年01月02日 | 映画など

石井裕也監督「バンクーバーの朝日」を見る。

第一次世界大戦から第二次大戦のあいだ、

カナダで活躍した日系の野球チーム「朝日軍」を描く。

移民として白人から差別されながらも、

バントを駆使したり、相手バッターの苦手な球種を

研究するなどの「スマートベースボール」で強い白人チームを撃破していく。

バンクーバーの朝日のポスター

 

ダイナミックなプレーが披露されることはなく、

塁に出て、盗塁して、

内野ゴロで1点をコツコツと取っていく。

そして、絶えず迫害される主人公たちとその家族の姿。

その淡々とした描写は、おそらく石井監督の個性なのだろう。

そもそも日本人は喜怒哀楽の表現が苦手であり、

たとえ試合に勝っても、白人に差別を受けても、

母国の戦争に巻き込まれても、それを受け入れ、

悲しみも喜びも、しっかりと噛みしめる。そんな映画であり、

こういうのが日本映画だよ、と言っているような佇まい。

 

だからこれまで作られた野球映画とは違う肌触りというか。

「メジャーリーグ」とも違うし、

「フィールド・オブ・ドリームス」にも似ていない。

強いて言うなら、

ジョン・セイルズ監督の「エイトメン・アウト」かな。

ホワイトソックスの選手が起こした八百長事件を描いた映画。

あれもどこか寂しげで、

淡々と野球への愛がさりげなく語られていたっけ。

イメージ 1

 

とかなんとか、シネフィルっぽいことを書いてますが、

この「バンクーバーの朝日」、

神様(宮崎あおい)が出てるから見たんです!

そうなんです。逃げも隠れもいたしません。

神様(宮崎あおい)は、日本人学校の教師の役で、

それはそれは素晴らしいのだけど、

なぜ出番が少ないのだ。ほんの数シーンしか出てないではないか。

どうしてくれるんじゃあ。責任者出てこんかい!

と、正月早々叫ぶ信者の体たらく。

 

 

 

コメント (2)
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