Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

貯金か友達か

2008年05月07日 | 読んでいろいろ思うところが
『反貧困』のつづき。
著者は貧困に至らないためのセーフティネットは
「溜め」だと書く。少々長いが引用する。

──溜め、の機能はさまざまなものに備わっている。
  たとえば、お金だ。充分なお金(貯金)を持っている人は、
  たとえ失業しても、その日から食べることに困ることはない。
  当面の間、そのお金を使って生活できるし、
  同時に求職活動費用ともなる。
  落ち着いて積極的に次の仕事を探すことができる。
  このとき貯金は「溜め」の機能を持っている、と言える。
  しかし、わざわざ抽象的な概念を使うのは、
  それが金銭に限定されないからだ。
  有形・無形のさまざまなものが「溜め」の機能を有している。
  頼れる家族・親族・友人がいるというのは、
  人間関係の「溜め」である。
  また、自分に自信がある、何かをできると思える、
  自分を大切にできるというのは、精神的な「溜め」である。
  (中略)逆に言えば、貧困とは、
  このようなもろもろの「溜め」が総合的に失われ、
  奪われている状態である。(湯浅誠著『反貧困』より引用)

一概にお金がないから「貧困」になるのではない。
自分を助けてくれるものが、どのくらいあるのか。
言葉を変えると、それが「豊かさ」というものだろう。

頼れる家族や友人がいない人は「貯金」をするべきだろう。
お金のない人は、誰か頼れる人が必要だ。
うまくバランスを取っていけば、この世の中、
なんとか渡っていけるのではないだろうか。
と、書くのは簡単だが、
これはすごく難しいことのような気がする。














コメント
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