旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

命脈尽きたか広島カープ … マエケン乱調、4回5失点

2014-08-29 11:35:16 | スポーツ


 昨夜のカープの敗北にはまいった。前回(22日)の前田の阪神戦完封で、いよいよ最終場面をエースの連勝で乗り切れると思っていたからだ。その前田の登板で、当然のことながら昨夜は勝利するものと信じていた。
 ところが4回9安打5失点という乱調…、何と言っても負け方が悪い。大きな先行き不安を残した。

 家の近くの行きつけの飲み屋に、『H…』という割烹がある。親父さんが包丁を振るい美味しい肴を作ってくれる。やがて跡を継ぐ息子さん(Tチャンと呼ぶ)がせっせと働く気持ちのいい店だ。
 その息子さんが野球がうまく、地元球団の選手で野球に詳しい。私は店に寄る度に彼の野球評を聞くのを楽しみにしている。22日のマエケン完封のあと店を訪ね、「Tチャン、カープは踏みとどまったのではないか? 優勝の可能性をどう思う」と問うと、彼は、「マエケンが15,16勝すれば可能性がある。つまり残る登板(5,6回)を全勝することだ」と言った。
 実は私はそれに気を良くしていたのだ。22日の調子でいけば、すべて完封でなくても勝利はたやすいのではないかと思っていたのだ。その矢先の一戦が「4回5失点」の体たらくだ。がっくりきたのだ。
 
 しかし、考え直せば巨人との差はまだ3ゲームだ。残り試合も30試合ある。自力優勝の可能性は十分にあるのだ。どうもファンというものは、1勝を10倍悦び、1敗を100倍悲しむ傾向があっていけない。マエケン自体は、「相手のあることだ。勝つことも負けることもあるサ」ぐらいに思っているのかもしれない。


恐ろしい医療費の伸び … 主因は老人医療費

2014-08-27 16:15:07 | 政治経済


 今日の日経新聞によれば、日本の医療費は年間40兆円に迫るそうだ。主因は高齢化によるもので、「75歳以上の一人あたり医療費は92万7千円、74歳以下の4・5倍近くにもなる」、しかも「75歳以上の人口は13年で1560万人で10年前の約1・5倍に増えている」(同紙2面)そうな。
 私もその医療費増高の主因となる老人を構成する一員で、読むほどに申し訳ないような気持になってきた。事実、眼医者と歯医者と内科医に通っており、内科医では脳梗塞予防のため2週間ごとに3種類の薬を配されており、診療費を加え月に1万円(3割負担)を払っている。眼科にも月1回ぐらいは通っており、2回目となる来月4日の注射代金は3割負担で5万数千円、総額は10数万円の注射だ。歯医者では先々月、28万円の入歯をつくった。いずれも不本意だが、医師の勧めに従っている。
 こんなことをいつまで続けるのだろう? 申し訳ないことに私も今すぐには死にそうもなく、「団塊の世代の高齢化で(日本の)75歳以上の人口は25年で2179万人に増える見込み」(同紙)とある。老人が元気なほど日本は破滅に向かうのではないか?

 しかし開き直って考えてみると、日本は世界第2の経済大国だ。今でこそ嫌われる老人も、戦後を働き続け、日本を経済大国に押し上げた戦士たちだ。老後の医療費ぐらい稼ぎだしてきたのではないのか?
 どうも富は一部に偏ってため込まれているようだし、大企業がため込んだ内部留保は300兆円に及ぶといわれている。その内部留保を稼ぎ出すために働き続けた企業戦士たちのために、少しぐらい吐き出してもいいのではないか?
 何とかうまくやって、老人に肩身の狭い思いをさせない方法はないのか…?


『ラ・ボエーム』公演から1か月 … 名場面をしのぶ

2014-08-25 13:39:05 | 文化(音楽、絵画、映画)


 先月の25日は二日間の『ラ・ボエーム』公演を打ち上げた日…、あれからもう1か月経ったのかと思うと早い。そして、いまだに顔を合わせる人から「素晴らしいオペラだった!」と好評の言葉をかけられる。フェイスブックなどを見ても、出演者たちの周辺でも話題になっているようだ。
 オペラには必ず名場面があるが、『ラ・ボエーム』も事欠かない。中でも観衆を泣かせる「ミミが息を引き取る場面」はその最たるものの一つであろう。先日も娘とO氏がビデオの編集をしながら、「やはりこのような場面になると歌手も最高の顔をするんだなあ」と話し合ってるのを聞いた。
 第1幕で、初めて出会ったミミとロドルフォが暗闇の中で失くした鍵を探す場面がある。ミミを帰したくないロドルフォは鍵を見つけるがそれをポケットにしまい見つからないふりをする。しかし暗闇の中でもミミはそれに気づいていた。
 4幕で死を間近に迎えたミミは、ロドルフォの胸に抱かれてその鍵の場面にふれる。、「愛しいあなた 今だから言うわ あなたは すぐに見つけたくせに…」と。それに対しロドルフォは、

  「僕は運命の手助けをしたのさ」

と歌い上げる。何て素敵な言葉、男らしい顔だち…、また、それを聞くミミのおだやかな表情…。


24日のロドルフォ(寺田宗永)とミミ(高橋絵里)

25日のロドルフォ(青地英幸)とミミ(稲盛慈恵)

 1幕の写真も1枚掲げておこう。お互いの紹介を終えて二人は恋に陥ちる。ロドルフォは、「麗しき貴女よ 貴女とともに僕は夢を見続けたい」と呼びかけ二人は歌う。
   「愛よ あなたの命ずるままに」
      「甘美な心に魂が震える」……

       

    


マエケン天晴れ … 広島に希望をつなぐ

2014-08-23 19:41:13 | スポーツ


 久々の快挙である。ペナントレースの後半に入って広島カープの望みは絶たれたかに見えた。加えて集中豪雨による土砂災害で、広島は重い空気に包まれていた。多くの人の命が失われた。その弔いの喪章をつけて、広島カープのエースは立ちはだかった。
 
 広島カープという球団は、日本のプロ野球球団の中で唯一の市民球団である。昭和23年発足以来、市民の身銭で支えられてきた球団である。選手の平均給与は、金持ち球団読売巨人軍の2分の1といわれる。だからこそ広島市民は愛し続け、支え続けてきた。それだけに、苦しい時ほどカープの勝利を祈り求めてきたのだ。
 その期待の応えて、前田健太は当面の敵、阪神タイガースを完封した。土砂災害で亡くなった人たちの冥福を祈り喪章をつけて、広島市民が一番求めた「カープの勝利」をもたらした。これ以上に広島市民を勇気づけるものがあっただろうか?
 これぞエースである。ここぞ、という時にその期待に応える! しかも、今季初の完投完封をこの時に成し遂げる。
 球宴明けから4試合、勝ち星がなかった。特に前回は3回6失点と無惨であった。だから昨日の勝利後、彼は「最悪な姿を見せていたので、今日は完封をしなければいけなかった」と言った。しかし、「…しなければいけなかった」と思っても、そう簡単に完投完封などできるものではあるまい。球界屈指の力量とともに並々ならぬ気迫を必要とするのではないか?
 
 何が彼を勝利に導いたのか? 思わぬ災害から立ち上がろうとする市民の熱意と、それに応えようとする市民球団広島カープのエースの自覚が、それを成し遂げたのではないか。

       


広島の土砂災害を憂う … 人は何処に住めばいいのか?

2014-08-22 11:38:18 | 時局雑感


 広島の集中豪雨による土砂災害のニュースが終日流されている。想像を絶する惨状に胸が痛む。
 30年前のことだが、広島には6年半住んだ。懐かしい地名が出てくるたびに当時を思い出す。子供3人は幼稚園から高校まで各校に通い多感な時期を過ごした。臼杵、東京に次ぐ第3の故郷だ。

 これは単なる天災だろうか? 私が住んだ当時の広島は政令指定都市になったばかりで、どんどん開発を進めていた。100万都市となって躍動感にあふれていたが、当然のことながら奥地へ奥地へ、つまり山を削り谷をさかのぼって住宅を建てていった。
 そのような都市建設がすべて間違っていると短絡的なことは言わない。しかし人類は自分の都合に合わせて自然を破壊しすぎてきたのではないか? そもそも最近の集中豪雨は「かつて経験したことのない」ものばかりだ。それが広島のような「かつて見たことのない」惨状を生み出すのであるが、そのような雨こそ地球温暖化などを通じて人類自らが作り出してきたのではないか?
 人類は自ら犯した罪の所為で、住むところまで失ってきたようだ。海岸に住めば想定外の津波が来る。山際に住めば経験したこともない雨で土砂災害に見舞われる。広大な平野を襲う竜巻の頻度も増してきた。どこに住めばいいのか? すべては自ら犯した罪による人災ではないのか?
 中でも原発事故は人災の最たるものだ。始末の仕方も分からずに使い始めた原発を、想定外の自然現象がいつ破壊するかわからない! その時こそ人間はこの地上に住むところを失うのだ。


最悪の日…

2014-08-20 16:41:29 | 時局雑感


 今日は東京医大眼科と赤羽歯科の双方を予約しておいた。同じ新宿西口にあるので、どうせ行かなければならない治療をハシゴにしたのだ。9時半から眼科、11時から歯科と…。
 大体病院ほど時間のかかるところはない。特に東京医大の眼科は人気がいいらしく、予約時間の30分前に着いて、それから1時間半はかかるのが通常だ。
 朝8時15分には家を出て、9時には東京医大に着く予定で京王線に乗り込む。ところが、二つ先の桜上水駅に着いたところで電車が動かない。まもなくアナウンスがあり、「人身事故で京王線は全線運転を見合わせ」とのことだ。この種の事故は通常何時間も処理に要する。しばらく模様を見たが同じ放送の繰り返しで動く気配もないので、電車を降りて甲州街道まで出てタクシーを狙う。ところが同じ考えの人間ばかりでタクシーなど捕まる気配もない。
 猛暑の中で熱中症の不安を抱き、近くの喫茶店で体を冷やす。そのうち4~50分経ったので駅に行くと「9時半には動く見込み」という。腹を決めて乗り込むと、やがて動き始め1時間と20分遅れぐらいで新宿に着いた。
 もちろん予約時間を過ぎている。事情を告げると受け付けてくれたので次の歯科医をキャンセルして目の検査を受ける。
 これがまたよくない。自覚はしていたのだが、視力は0.9から0.7に下がる。医師の診断は「むくみ指数は403から383に下っているが、正常値の250をかなりオーバー、視力も低下しているので注射を薦める」というものだ。覚悟はしていたのでOKする。
 出足から躓いた悪い日に、悪いことはすべて負い込ませることにしたのだ。もちろん、視力低下の自覚症状から腹を決めていたこともあるが。


戦争体験の風化について

2014-08-17 17:39:10 | 政治経済


 終戦記念日(8月15日)を迎えて第二次大戦を振り返る報道が続いている。戦後69年を経て、日本人の79%は戦後生まれとなり、いわゆる戦争体験者は5人に一人となってしまった。当然のことながら戦争は遠い昔の話となり、その語り部は居なくなる。
 こうして戦争体験は風化してしてきているのか? 安倍政権が新たな戦争の道を露わにしているのも、そのような背景があるのかもしれない。
 しかし戦争体験は前の大戦だけではない。第二次大戦後も、世界中で戦火の消えた日はないと言われている。今も中東やウクライナで戦火を交わしている。毎日何十何百の人々が命を落としている。
 そして何よりも、我が国自体が、そのような戦争にいつでも参加できる体制を整えつつある。戦争の話が風化することはないのではないか? むしろ69年も前の話よりも現在の戦争の怖さをもっと語らねばいけないのではないか?

 日々世界中で行われている戦争で、世界の若者たちは闘っている。その若者たちは当然多くの命を失っているが、帰還した兵士たちの恐ろしい記録もある。
 アメリカの、イラク・アフガン戦争帰還兵は、1日平均22人が自殺、3人に1人が精神疾患になっているという記録がある。1日平均22人の自殺とは想像を絶する数字である。またイラクに派兵された日本の自衛隊員のうち、1~3割が精神不調、28人が自殺したという記録もある。いわゆる後方支援で戦火も交えず、1人も殺しも殺されもしなかったにもかかわらずである。
 戦争を風化させない話は周囲に充満しているのではないか?


国立劇場で歌舞伎を愉しむ

2014-08-15 10:19:32 | 文化(音楽、絵画、映画)

 昨日は娘のオペラ公演慰労を兼ねて、親子で国立劇場の歌舞伎を観てきた。公演の名称は、「昭和26年 国立劇場歌舞伎俳優研修修了生・既成者研修発表会 第20回稚魚の会・歌舞伎会合同公演」という長い名前である。
 聞けばこの人たちは、いわゆる大歌舞伎の血統派の人々ではなく、真に歌舞伎が好きでこの道に入った人たちであるが、血統派でないだけに決して大歌舞伎で主役を演じることはないという。その人たちが年に1回、晴れて主役を演じて研修の成果を発表すのがこの催しであるそうな。会場からは演技の度に「○○屋!」などの声がかかっていたが、それだけに彼らのひたむきな演技を応援する人も多いのだろう。
 私が昨日見る契機となった中村梅乃さんも、中学生の時から「どうしてもやりたい」とこの道に入ったと聞いたが、舞台(菅原伝授手習鑑)では「松王丸女房千代」と「御台園生の前」という大役を演じ、その立ち居振る舞い、女形としての美しさ、声の張りともども見事な演技であった。

 『菅原伝授手習鑑』は、ご存じ、大宰府に流された菅原道真の息子菅秀才を、敵方藤原時平の手兵から守ろうとする物語。最後はわが子を身代りにして菅秀才を守るのであるが、その身代わりの子の親が敵方に仕える松王丸であったことに観衆は驚き涙する。いわゆる忠義のためにわが子をも供する、子もまた親の意を悟り孝行に徹する…という日本人の中に長く流れる忠孝精神の物語である。

 この物語の「車引」、「賀の祝」、「寺子屋」三幕を見事に演じた歌舞伎会・稚魚の会の人たちに拍手を送る。大歌舞伎では脇役しか演じえないこの人たちにもっと出番をつくることはできないのだろうか? 料金は大歌舞伎1万5千円前後、昨日は3千5百円、実に5分の一だ。この値段の公演が広まれば、歌舞伎はもっともっと普及するのではないか。

                        


セミの幼虫は地上に出ることができるか?

2014-08-13 14:37:06 | 時局雑感



 昨日、近くの松沢病院の中を散歩した。広大な敷地内に入るやツクツクボウシやミンミンゼミの大合唱に迎えられた。久しぶりの蝉しぐれに会って、我が家の庭を始め最近セミの声の少ないことに気付いた。
 セミの幼虫は地中で数年から十数年を過ごす。アブラゼミで平均6年と言われる。地中で孵化を繰り返し成長した幼虫は、時を得て地上に這い出し、樹木に登って羽化し、晴れてセミとなって約1か月の地上生涯を謳歌するという。
 正に雌伏○○年を経て、それに比してあまりにも短い地上生活を送るだけに、あのように鳴き叫ぶのかもしれない。もっとも、セミの鳴くのはオスで、メスを呼び寄せるためにあらん限り鳴くという。生殖のためのみ――生まれた子は再び長い土中の生活を送るのであるが、その子孫を残さんがためのみ短い命を全力で生きるのだ。

 家族の夕食で、最近セミの声を聴くことが少なくなったと話題になった。我が家の庭でも、以前はかなり騒がしかった。幼虫の抜け殻を見ることもあったが最近はない。見れば周囲はほとんどコンクリートで固められており、わが庭など猫の額だ。
 コンクリートに固められ、セミの幼虫は地上に出ることができないのではないかと言うのだ。これは恐ろしい話だ。数年か十数年前、産み付けられた卵は孵化して幼虫となり地中にもぐり、何年も成長を重ね満を持して地上を伺うと、当時の柔らかい土は堅いコンクリートに変わっている。
 その幼虫はどうするのだろうか?
 出口を探し回ってやがて息絶えるのだろうか?
 こんな恐ろしい話があるだろうか?

         


大相撲桝席A券購入奮闘記

2014-08-11 13:53:59 | スポーツ


 大相撲を特に愛好しているわけではないが、ほとんど毎場所テレビ観戦は続けている。この度、ひょんなことから国技館に出かけ、テレビならずこの目で見届けようということになった。(視力は相当落ちているが)
 実際に観戦したのは、もう数十年も前になる。まだ大鵬が入幕早々のころの九州場所と、そのあと東京場所を一度見たが、いずれも最後方の椅子席での観戦だった。今回は、一度くらい桝席に座り込み、じっくり観戦しようということになった。
 9月14日初日の9月場所の券の発売は8月9日からで、インターネットか電話で申し込めるらしい。ネットを動かしてみるがどうもうまく動かない。電話にしようと思い念のため前日の8日に相撲案内所に架けてみると、「明日の10時から受け付けるので、10時に電話せよ」とのこと。
 もたもたしていると売切れるに違いないと思い、10時きっかりに電話しようと20分ほど前から電話口に座る。前日の電話で「千秋楽はじめ後半からと土日の順で売り切れる」と聞いていたので、それはあきらめ「5日目(18日)の4人枡席Aの向正面」と決めて、申し込みを準備する。
 ところが、10時きっかりに架けるると既に電話はつながらず、「こちらはKDD、お架けになった電話は混雑中…しばらく時間をおいて架けろ」と、何度かけても埒があかない。
 ついにたまりかねて娘を呼び、ネットの申し込みをやってもらう。ところがこちらはスイスイ動いて、前掲の入場券が予約できた。時に10時21分。クレジット決済の方は券の発送が遅くなるとのコメントがあったが、翌日の昨夜、佐川急便が配送してくれた。
 開けてみると「【5日目】9月18日1階桝席A東5側3」なる券が4枚入っている。取扱い相撲茶屋は紀乃国家、「当日は正面入り口から入り『2番 紀乃国家』までお越しください。お席まで案内します」と、担当のご婦人の名前まで記されてある。
 「東5側3」とは、東の5列目3桝という意味だろうか? 残念なのは申し込んだ向正面でないことだが、これも予約確定メールに「方面については要望にお応えできない場合がある」とあったので、まあ東で良しとしよう。10時ピッタリにメールしたら向正面だっただろうか?
 何事もやってみなければ分からない事ばかりだ。

      
 


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