旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

人生の新たな段階(つづき)

2013-07-30 14:22:47 | 時局雑感

 

 五木寛之か誰かが、人生を就学期、就業期、老後期の三つに分けて書いていたように思う。(それぞれ難しい言葉で呼んでいたが) 確かに学業を終えるまでの期と、家族を含めて生きていくために働き金を稼ぐ期と、それを終えて自分のために生きる期に分けるには意味があるような気がする。

 これに従い振り返ると、大学を出るまでの22年間が就学期で、以降今月までの約56年間が就業期で、これから何年生きるか知らないが、残された短い時間が老後期、つまり自分の時間ということになる。
 ところが私の場合少し違う。M銀行時代の30年間は確かに就業期という感があるが、その後の26年間は、確かに家族を含め生きるために稼ぎ、会社に縛られて働きもしたが、同時に、自分のために生きた充実感が残っている。
 会社経営にかなり主体的に臨んだし、何よりもこの間、自分の趣味を相当に開花させた。年一回は海外を訪ね、国内の全県を回ってその地の酒と食、その地の文化に触れてきた。
 それらをまとめて、酒の本三冊と旅の本二冊を出した。本の内容は大したことはないが、自分なりには面白かった。ここ6年、ブログを書き続け、年ごとに製本したものが六冊に及んでいる。

 会社のためにも頑張ったつもりでいるが、この26年は前掲の老後期、つまり自分の時間をかなり生きてきた自負がある。
 そうすると、これからはどのような段階になるのだろうか? もっと新しい段階が何か開けているのだろうか? 時間は短いだろうが、それが楽しみだ。


人生の新たな段階

2013-07-28 16:52:56 | 時局雑感

 

 第二の人生とか人生の終末期とか、人生にもいろんな段階があるようだ。一体どんな分け方が一番いいのだろうか?
 実は、先日の株主総会で、M社の取締役を退任した。つれて常勤してきた総務部長も辞めたので、今後顧問として週一回程度の出社はあるが、定例的な仕事はなくなる。文字通り老後生活に入ることになったのである。

 思えば大学を出て22歳でM銀行に入行し30年勤務、Mホームに移り14年、現在のM社に転じて12年であるので、実に56年のお勤め稼業であった。中身としては、銀行時代は全くのサラリーマン、Mホーム時代はファイナンス会社の常務取締役として経営管理、M社は実弟の経営する会社でもあり、数百万円と言えども株も保有してのお手伝いであるから、ややオーナー的事業運営を担ったといえる。
 銀行時代は勉強にはなったが面白味はほとんどなかった。それに比してあと2社は充実していた。特に現在のM社では、身の縮む思いもたびたびであった。
 それだけに個人生活の充実したのも、あと2社の時代であった。海外を含め大いに旅をし、酒の仕事に携わり、著書5冊を出版するなど執筆も続けた。
 そしていよいよ老後生活を迎えることになったが、このような人生はどう区切り、それぞれをどう呼べばいいのだろうか?


安達太良・岳温泉の旅(つづき)

2013-07-25 12:31:02 | 

 

 「山びこの会」は総勢70数名、うち33名の参加であるから立派な動員力だ。大広間に集まった夜の懇親会はにぎやかで楽しい。
 恒例により全員が発言する。山に登れない私は、山の事がしゃべれないので、『智恵子抄』の中の「樹下の二人」の一部を朗読した。何と言っても、ここは高村光太郎と智恵子の世界だ。

   あれが阿多多羅山
     あの光るのが阿武隈川

 ここはあなたの生まれたふるさと、
 あの小さな白壁の点々はあなたのうちの酒蔵。
 それでは足をのびのびと投げ出して、
 このがらんと晴れ渡った北国の木の香に満ちた空気を吸おう。
 あなたそのもののようなこのひやりと快い、
 すんなりと弾力ある雰囲気に肌を洗おう。
   ………

 東北はまだ梅雨のさなかで、智恵子が「本当の空」と言った安達太良山の上に広がる青空は見えなかったが、それなりに智恵子の世界へ浸った。
 翌日は岳温泉の周辺を散策した。鏡池、緑池をめぐり、温泉街をぶらついた。

  
  
           鏡ケ池と緑ケ池
  
     これは何という花なんだろう?
       
   
  


「山びこの会」安達太良・岳温泉の旅

2013-07-24 09:47:05 | 

 

 安達太良・岳温泉の旅から無事に帰ってきました。

 実はこの「旅」は、「山びこの会」の年中計画の一つで、いわば登山。それを「旅」と書くところに私の限界がある。そもそも最初から安達太良山頂を目指す意思を持たず、本来はこの山行に参加する資格はないのである。
 ところが、心豊かな会の人たちは、「山に登れなくても、温泉に入るだけでいいから参加するように」と、私のような不埒な人間の参加を許してくれた。しかも、参加者を「安達太良山登頂組」、「途中で引き返す初心者組」、「自然遊歩道散策組」の三組に分けて、体力や経験に応じて参加しやすいように配慮してくれたのである。
 もちろん私は、第三班の「遊歩道組」であるが、それも、ゴンドラリフトの終点(標高1350m)から山頂に向かう木道の部分を往復1時間ぐらい歩いただけで、ゴンドラを降りたあとの「滝めぐり」の方は起伏も激しいと聞いたので省略した。
 実に情けない話であるが、それでも十分に満足した。みんなの元気な姿に触れたこと、標高1300m以上の「山の空気」に触れたこと、温泉にゆっくりつかり夜の宴会を楽しんだこと、二日目の岳温泉周辺を散策したこと…。
 またひとつ思い出の旅を残すことができた。

  
  ゴンドラリフト「あだたらエキスプレス」終点で出発準備
     
           山頂を目指す第一般の出発
  
    第三班も頂上に続く木道をしばらく歩く
 
自然遊歩道組は8名(私の他もう1名写ってないなあ)
面倒を見てくれた関田さんありがとうございました
       


参院選、自民圧勝の裏で鮮明な対立軸を示した東京都民

2013-07-22 13:27:44 | 政治経済

 

 参院選ではマスコミ各紙の予想通り自民党が圧勝した。国民はその道を選んだのだから、その結果に文句をつけるつもりはない。ただ、このところの自民党の動きや首脳陣の発言から、日本の将来につき不安が過る。

 近時の日本を覆う暗い事件は、その根底に底知れぬ貧困問題がある。雇用の問題、働いても食えない問題などなど根深い貧困問題の解決策は自民党の政策の中には見当たらない。
 原発再開、憲法改正の動きは将来不安の最たるものだ。これらを声高に叫ぶ勢力が、衆参両院選で圧勝した結果は何とも怖い。

 選挙の詳しい結果はもっとよく見なければわからない。しかし東京でも与党が勝った。しかも自民党の2議席獲得は27年ぶりだ。どうなっているんだろう。
 ただ、自公の3議席に対する残る2議席が、中間政党や第三極ではなく共産党と無所属の山本太郎氏であったことは救われた。この二人はともに30才台で、反自民の主張でほとんど一致している。
 つまり、対立点が鮮明になった点では際立った結果を示している。首都東京都民の意識は、自民の圧勝を許した反面、その対立軸も鮮明に示したといえよう。
 今後の政局を占う特徴点ではないか?


何か新しい出会いがあるか? … 安達太良・岳温泉の旅

2013-07-19 18:18:46 | 

 

 猛暑が続いたが、今日はカラリとしてそう暑さを感じない。明日から福島に出かけるが、東北も梅雨の中休みで太陽がさすようだ。猛暑の中休みの東京から、梅雨の中休みの東北へ……。

 昨年白馬五竜のお花畑に行った「山びこの会」の旅に、今年も加えてもらう。山には登らないで温泉を楽しむという不埒な参加者であるが、それも快く受け入れてくれる。
 山の会の趣旨からすれば顰蹙ものかもしれないが、このような機会をとらえて親しい人と行動を共にし、少しでも老いを防ぎたいと思う。それを受け入れてくれることがうれしい。

 昨年は、「ヒマラヤンブルー」や「エーデルワイス」などに初めて出会った。今年も何か素敵な出会いがあるだろうか?
 何と言っても「智恵子抄」の舞台だから、その空気の一端に触れるだけでもいいだろう。

 


子供たちの豊かな感性に、オペラの未来を託す

2013-07-17 18:12:06 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 昨年の『秘密の結婚』を終えて、「オペラは広まるか?」というブログを書いた。(2012.8.10) ある音楽評論家の「日本のクラシックファンは人口の1%で、オペラファンはそのまた1%…」という話から、日本にオペラファンは1万2千人しかいないことを知る。今回の『秘密の結婚』には240人の人が来てくれたが、これで数十人はファンが増えてくれただろうか?…という記事であった。
 今回(『セヴィリアの理髪師』)はそれに倍する4百数十名の方々が来てくれた。そのうちの百名近くは、「親子無料招待」、今年は杉並区の後援を受けて親子招待者が増え、前述してきたように子供たちのいい反応で雰囲気は盛り上がった。
 「去年は途中でちょっと飽きたりしたが、今年は最後まで集中してみていた」というお母さんの報告などが相次いだ。
 特に驚いたのは、「最後にロジーナと伯爵が結ばれた時は、ホッとして涙が出た」とお母さんに話した子供がいたということだ。子供は、誤解からロジーナと伯爵がうまくいってないことにハラハラしていたらしく、最後に誤解が解けてホッとしたというのだ。
 それで涙を流す子供がいる限り、オペラは広まっていくのではないか? 無料招待は、当面の営業収入にはつながらなかったが、将来のオペラファンに対する投資となったであろう。子供たちの豊かな感性に期待する.

 
        
             

       

     
      舞台を終えて、おどけてみせる出演者たち
     


みんなに喜んで頂いた『セヴィリアの理髪師』

2013-07-15 12:32:40 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 二日目も「座・高円寺」はほぼ満席となり、みんなに大変喜んで頂いた。口々に、「年ごとに進歩している姿がよく見える」、「今後の出しものが楽しみだ」と言ってくれた。中には「最後は涙が出ました」と言って帰られた方もいた。有難いことだ。
 特に、昨日も書いたが、子供の反応の良さに驚きの声が多かった。「子供は大人より一歩先に反応して、笑ったり驚いたりしていた」、「小道具なども含めて、よくぞあそこまで持って行った」と称賛してくれた。「親子で見る初めてのオペラ」というのがそもそものコンセプトであったこのシリーズ、企画した娘としても冥利に尽きるものがあろう。
 これらの貴重なご意見に応えていかねば行かねばなるまい。

 ともあれ、それを表現したのは出演者たちである。それぞれ個性的な歌手たちと役者にご登場願おう。

  
   アルマヴィーヴァ伯爵(寺田宗永)
  
    ロジーナ(里中トヨコ)
 
   フィガロ(薮内俊弥)
  
    バルトロ(押見春喜)
   
  台本・演出 兼バジリオ(大澤恒夫)
 
   ピアノ巨瀬励起     ベルタ(黒田大介)
 
舞台まわし役のアンブロージョ(岩田元)とHarca(藤村はるか)


                     

 


オペラ『セヴィリアの理髪師』、好評のうちに初日を終わる

2013-07-14 11:45:54 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 猛暑の中で開演を迎えた初日は、おかげ様で会場の「座・高円寺」を満席にしてくれた。幅広い各層の方々のご支援に心から感謝申し上げる次第。
 いろいろなご意見をいただいたが、「日本語セリフでつなぐ原語公演オペラ」というシリーズも、3回を迎えて技術的にも高まってきたと、大方の好評をいただいた。
 特に、招待した子供たちが実によい反応を示してくれて、騒いだりするどころか完全にストーリーに溶け込んでくれた。子供たちの笑い声や驚きの声などが、むしろ物語を盛り上げてくれた。
 かなり艶っぽい大人の物語であるが、子供は恋の筋道などそれなりに理解し、大人と違う感覚でストーリーを追っているのかもしれない。それも、脚本、演出、舞台装置や小道具に及ぶスタッフの苦労の表れだ、というれしい感想もいただいた。
 先ずは名場面のいくつかを掲げておく。

  
     
        
    
              
   


猛暑の中のハードな日程

2013-07-12 10:59:25 | 時局雑感

 

 異常な猛暑が続く…。最高気温39度が何日も続いている地域があるという。地球は一体どうなっていくんだろう。
 その中で、年甲斐もなくハードな日程が続く。今日は午後2時の新幹線で名古屋に向かい、「名古屋純米酒フェスティバル」を挙行して日帰りで帰京する。家に着くのは12時を過ぎるだろう。
 翌13、14日は娘のオペラ「セヴィリアの理髪師」の公演だ。たくさんの先輩、後輩、知人、友人の方々にご来場いただくので、ぶったるんではいられない。
 次の週は株主総会に向けての役員会や会計監査があり、週末は「安達太良・岳温泉旅行」だ。(私は登山はしないが)

注意すべきは、
①純米酒フェスティバルで飲みすぎないこと。
②オペラでは写真を撮りまくったりはしゃぎまわらないこと。
③安達太良はひたすら温泉に浸かって疲労回復に努めること。
 山を歩こうとか、酒を飲もうとか決して思ってはならない!

 3点とも実に面白くなく、実現の道はかなり険しいが……


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