旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

総選挙最大の争点は何か?

2014-11-30 17:14:03 | 政治経済


 突如現れた総選挙は、国民にどんな選択を要求しているのであろうか? 消費増税、集団的自衛権、原発再稼働、沖縄基地問題……、課題は山積しているが、私は、最大の問題は貧困の問題ではないかと思っている。
 何度も書いてきたが、戦後のの高度成長を生き抜き、相応の富と分厚い中間層を生み出し、それにより一定の安定社会日本を築き上げた自負を持つ者として、現在の貧困層の現出は想像していなかった。勤労者6千5百万人のうち、ワーキングプアーと呼ばれる年収2百何円以下が2千万人に達するような社会が何故発生したのか? いつから日本はその様な社会になったのか?
 ワーキングプアーと呼ばれる層には、おそらく子供の教育を十分に行う余裕はないだろう。そこには貧困が再生産されていくだろう。そのような社会だけは許さない、というのが高度成長を築いてきた者の誇りであった。その誇りはどこかに持って行かれた。
 アベノミクスのもとで、大企業の利益はますます増大している。資産家は増えてきている。その対極にワーキングプアーを生み続けるような社会を許すのかどうか? これこそが選挙の争点ではないか?
 どんな理屈があろうと、貧困を生み続けるような社会を許してはならない。


お酒いろいろ

2014-11-28 13:54:55 | 


 私は通常、晩酌にしても外食にしても日本酒を飲むことが多いが、その場に及んではいろいろな酒を飲む。またいろんな酒があるから楽しいのだ。
 このところ里山とのかかわりが続き、スローライフ定例会の「さんかさろん」では「掛川里山栗焼酎」を愉しんだ(21日付ブログ)。次は長野市郊外の里山に本当に出かけ、その帰途、地酒「川中島」の特別純米酒「鞍骨城」を購入して飲んだ(26日付)。
 昨夜、娘がパスタを茹でチーズを揚げるというので、これは焼酎でも日本酒でもないとワインを取り出した。9月両国に大相撲見物に出かけ、そこで購入した「国技館」というワインが冷蔵庫にあることを思い出したからだ。
 実は相撲茶屋には純米酒がなく、日本酒はそれほど立派でなかったので、ワインも大したことはないと思い放置しておいたものだ。ところがこのワインはそこそこのものであった。ラベルをよく見ると「フランスのテーブルワイン」と書いてある。「国技館」という名称なのにフランス産なのである。テーブルワインというのは決して高ランクのワインではなく、いわば普通酒のようなものだが、さすがワイン先進国フランスだけあって、立派に飲める酒であった。
 「日本の国技を演じる場所で、しかも『国技館』と銘打つにもかかわらず何故フランスワインだ」、とひとしきり議論になったが、甲州ワインを使えばほかの地の人に悪いし、波風立たないようにフランスワインにしたのであろうという結論になった。

 日本酒、焼酎、ワイン…、先日近くの中華料理屋では15年物の紹興酒が美味しかったし、多様な酒が多様な料理と飲まれること、これこそ食文化と言えるのであろう。

 
左から栗焼酎「自ら」、特別純米酒「鞍骨城」、
フランステーブルワイン「国技館」


気になる長野北部地震の被災地

2014-11-26 10:31:32 | 


 冷たい雨が降っている。昨夜は屋根を打つ激しい雨音に何度も目が覚めた。深度6弱の強震に襲われた長野北部を、雨の災害が襲っていないか心配だ。

 前回も書いたように、あの日私は小春日和の里山で美味しいりんごを摘んで、心豊かな時を過ごした。その後も至福の時は続いた。セーラさんのおすすめもあり、松代町の温泉に浸かろうと車を進めていると酒販店が見つかる。立ち寄ってみると、予て飲みたいと思っていた酒千蔵野の「川中島」があったのだ。
 それは坂口酒店という店で、聞けば酒千蔵野の蔵はすぐ近くにあるとのことだ。この蔵の美人杜氏千野麻里子さん名入りの銘酒『鞍骨城』を購入した。酒名は、中世にこの地を治めた清野氏の居城の名をとったという。酒米「ひとごこち」を59%まで磨いた特別純米酒で、説明書きにある通り、「味わい深く旨味とコクのある酒」であった。
 加えて、坂口酒店さんの絶妙なご案内を受けて「効能抜群、ひなびた温泉宿」一陽館の湯にたっぷり浸かった。宿の説明によれば、日本5指に入る効能で、「効能を保つために、入浴後は水浴びはもちろん、24時間は風呂に入るな」という。源泉の上に構えたという7メートルの湯舟といい、茶褐色の露天風呂といい、これぞ湯治場、という雰囲気であった。
 長野を訪ねる人に助言を一つ。「長野インターに乗り入れる前に、坂口酒店でその地の酒を買い、一陽館で一風呂浴びるべし」


 ただ、このような至福の時を過ごしただけに、地震を避けて東京に逃げ帰ったようで、長野の人に申し訳ない気がしてならない。地震が、温泉を出て6時間後の出来事であっただけに。


りんごは無事であろうか? … 「ウチのりんご収穫祭」と長野地震

2014-11-23 14:17:19 | 


 今朝目覚めて長野地震のニュースに驚いている。何故なら、その地震の6時間前まで私は長野市に居たからだ。
 昨日は、早朝6時40分に迎えに来てくれた弟と長野に向かった。セーラ・カミングスさんが営む長野市郊外若穂保科のりんご園で開く「ウチのりんご収穫祭」に参加するためだ。弟がそのりんご園の1本の収穫権を保有しているからだ。
 快晴無風の信濃の国、小春日和の里山で、「これが“ウチのりんご”」と1本の木を指定し、たわわに実るりんごを摘む作業は、何とも心を豊かにしてくれた。

 
      
        見事なりんごに目を見はり
    
      もぎたて、蜜の滴るりんごにかぶりつく…
   
   採りもとったり…、私はせいぜい一箱だったが。


 美しい里山風景をいくつか掲げておきます。

     
         

 
お酒造りを卒業し新たなふるさと再生に取り組むセーラさん
 
 セーラさんの活躍を祈って記念撮影(午後2時)

 ところが、この写真の8時間後、この美しい地を震度6弱の地震が襲った。テレビに映る惨状に胸を痛めている。「すごく揺れたが、大丈夫」というセーラさんの言葉を伝え聞いてホッとしているが、今年もうち続いた自然災害のとどめを刺された気がした。
 私たちが長野市を離れたのは午後4時…、その6時間後の事であった。

   

 

 


掛川里山栗焼酎「自ら」について

2014-11-21 15:07:23 | 


 スローライフ学会の「さんか・さろん」で、『栗焼酎づくり奮闘記』という講演を聞いてきた。実に楽しい話であった。講師の長谷川八重さんはスローライフ掛川に属し、生涯学習活動などをつづけながら、地域の人々と地元の里山に実る栗を使って栗焼酎を造って6年になるという。
 地元…里山…栗林…焼酎…と何とも言えない物語性がその底辺を流れる。できた焼酎を名づけて「自ら(みずから、おのずから)」と呼ぶ。二つの読み方を左右にふってあるのも面白い。

 世界に蒸留酒は数多いが、日本の焼酎はその多様性において群を抜く。焼酎は、4,5百年前、蒸留技術とともに南から伝わってきたに相違ないが、先ずは南端の沖縄では、中国伝来の黒麹とタイのくず米を主原料にして「泡盛」を造った。鹿児島に渡ると、米はとれないがイモが豊富なのでそれを主原料に、日本伝来の黄麹を使って「イモ焼酎」を、熊本に来ると球磨川流域に多くとれる米を主原料に「米焼酎」(球磨焼酎)をつくり、なお北上して大分、壱岐地方になると、そこに豊富な麦を使って「麦焼酎」を造った。日本人はその地の産物を使って多様な酒を造ってきたのだ。
 時移り所変わって、山陽道から東海道を進むと掛川という街があり、そこには未だ里山が残り栗林が広がっていた。土地の人たちは里山を守り育て、その贈り物で酒を造った。これまた、多様な日本食文化の一つの姿というべきであろう。
 因みに、原材料は米・米麹・栗であり、今年は、米120キロと主原料の栗200キロで500本の焼酎を造った。栗の採取には30人ぐらいの有志が参加するそうで、里山に広がる栗林で栗を拾い、皮をむきに奮闘する姿が目に浮かぶ。
 ほのかに栗の甘みがただよい、マイルドで何の抵抗もなく飲めるやさしい焼酎である。都会の、特に女性に喜ばれる酒ではないか。

    
     栗焼酎「自ら」と長谷川八重さん


品位なき自己都合・利己主義解散

2014-11-19 15:50:18 | 政治経済


 今日の毎日新聞朝刊一面に、末次省三政治部長がコラムを書いている。それによると今日11月19日はリンカーンがあの有名な演説、「人民の人民による人民のための政治」を行って151年目にあたるそうだ。つまり、1863年11月19日にアメリカは民主主義の新しい一歩を記したのだ。
 コラムは、それに対比して今回の安倍解散を皮肉った自民ベテラン議員の言葉、「安倍晋三の安倍晋三による安倍晋三のための選挙」という言葉を引用している。民主主義の鑑のような言葉と、その対極ともいえる利己主義の塊のような言葉は、対比するのも恥ずかしいが、リンカーン演説から151年を経た日本の「民主主義の水準」に、改めて愕然とする思いであった。
 何の大義も、何の争点も示されず、ただ「今なら勝てる」、「ボロの出ないうちに」という魂胆だけが目につく解散総選挙を、膨大な国費を使ってやる首相を許しておいていいのか?
 争点は示されないが、大変な争点がある。このような政治を許すかどうかという争点だ。このような品位のない人間を首相にしておいていいのかという争点だ。
 国民は、どんなに忙しくても、どんなに寒くても、この争点に断を下さねばなるまい。


沖縄県民の民意に日本国民はどう応えるのか … 沖縄県知事選について

2014-11-17 13:23:20 | 政治経済


 普天間基地の辺野古移設を最大の争点として争われた沖縄県知事選で、移設反対を掲げた翁長氏が圧勝した。名護市長選挙などに続き移設反対の民意はほぼ確定した感があるが、今回の選挙を特徴づけるものとしては、保守対革新の構図ではなく、保守も含むオール沖縄の総意として翁長氏が勝ったことにあるだろう。
 すなわち、翁長氏が掲げた「イデオロギーより(沖縄の)アイデンティティー」、つまり沖縄の存在理由として「基地ノー」の意思が示されたことである。これを全国民は、日本国民としてどう受け止めればいいのだろうか。かつてない重い課題を日本国民は突きつけられたのではないか?

 民意の反映の一つとして各紙の受け止め方があると思うが、今朝の読売、日経、毎日、東京、赤旗の5紙に目を通した。いずれも一面にとり上げていたが、毎日、東京、赤旗の3紙はトップ横全面抜きの見出し、読売、日経の2紙は中段縦書きの見出しでかなり違う。
 また、いずれも社説を掲げていたが、その主張するところは以下のごとく相当な隔たりがあった。
・読売、「辺野古移設を停滞させるな」 … (民意は無視せよというのか?)
・日経、「今こそ政府と沖縄は話し合うときだ」 … (日経らしい良識ぶり?)
・毎日、「辺野古移設に審判、白紙に戻して再交渉を」
・東京、「新基地拒否の重い選択、『基地依存』は死語に、安倍内閣も『不信任』」
・赤旗、「県民の不屈の魂を示した勝利、『新基地ノー』揺るがず」

 一つの選挙結果について、これだけの差がある。東京新聞に至っては5面にわたり詳細にとり上げており、それぞれ中味を読むほどとらえ方の差がある。国民はこれらを読みながらどのような世論を形成していくのだろうか?
 じっくりと考えてみたい問題である。


穏やかな好天がつづく

2014-11-16 12:21:49 | 時局雑感


 美しい秋空の日がつづく。立冬を過ぎて10日を経つので、秋空というより“初冬の好天”と呼んだ方がいいのかもしれない。穏やかさも、初冬という季節感から来るのだろう。世間は突如吹き始めた解散風で騒がしいが、その慌ただしさをなだめるような穏やかな日々だ。
 近くの松沢病院の中を散歩すると、秋の装いをこらした樹々が美しく、その上に広がる青空が爽やかだ。一年で一番空が高く美しい季節なのだ。

 
      
           

 甲州街道のケヤキもいっそう色づいてきた。Kさん宅の庭には、大宮八幡宮の菊花品評会を終えた花々が並べられてあったので、写真を撮らせてもらった。「今年はあまりいい出来ではなかった。盛りも過ぎているし…」ということであったが。

    
               

       


正常値に戻った肝機能 … お酒と肝臓について

2014-11-14 15:06:18 | 

 9月の下旬に体調を崩し、検査の結果肝機能の低下が指摘されていた。1か月の経過観察が言い渡されて、その結果が昨日判明。結果はすべて正常値に戻っていた。ウィスル性肝炎検査も異常なしということだ。
 この間、酒は飲み続けたが量は抑えてきた。医師の指示が、「飲みすぎないで普通の量に抑えること」であったし、周囲の意見が「あなたの普通は普通ではないので今までの半分以下にしなさい」ということだったので、半分まではいかなかったがそれなりに抑えたのだ。
 それが効果をもたらしたのかどうかはわからない。私の判断では、夏場の過密スケジュールからきた疲れが取れて、正常な状態に復したからだと思っている。つまり、アルコールとの直接の原因はなかったのではないかということだ。
 とかく肝臓の最大の敵は酒ということになっている。それが事実なら、検査の結果肝機能の低下が出ている以上、医者はアルコールを禁じたはずだ。「飲みすぎないで普通にせよ」という医者の指示は、「通常の量なら肝臓に影響なし」ということではないのか。
 それと関係あるかどうか知らないが、2、3日前のテレビ「試してがってん」で、肝臓がんの原因としてアルコールの影響は5%しかない、と報じていた。大半の原因は肝炎ウィルスなどであるらしい。肝臓と酒はあまり関係ないのではないか?

 人間はすべて、あらゆる現象を自分に都合よく解釈する。肝臓の不倶戴天の敵のように言われる酒を愛するものとしては、何とかこの関係を断ち切ろうとする。もちろん、大量の飲酒が肝臓を破壊することは幾多の例が示している。要は「通常」なら「よい」のであろう。
 自然体でストレスのない状態が、健康には一番ではないのか。


カバン購入奮闘記

2014-11-12 14:45:26 | 時局雑感


 長年使ったカバンのジッパーが壊れた。今や週1回の出勤程度でもあり、必要物の持ち運びには紙袋でもよい。しかしそれでは何となく締まらないので、簡単で便利なカバンを探しに出かけた。
 先ずデパートのいくと、安くても3,4万円の高級品しか置いてない。週1回使うかどうかわからいのに高級品である必要はない。紙袋の代わりを探しているのだ。売り子は、「立派な革製品で長くもちますよ」と薦めるが、カバンはもってもこちらの命がもたないのだ。
 最近のデパートは、高級品相手と中国、韓国の大量買い相手だということだ。最早「百貨店」の性格はなく、庶民の役には立たないらしい。丸井などに行っても同じ様相であった。それでは、と街に出る。昔の新宿通りなどにはたくさんのカバン屋などがあった記憶があるので歩いてみたが、すべて大型店舗に変わっていて、昔のような店はない。
 おそらく、行くところに行けばカバン屋などは腐るほどあり、目移りして困るぐらいあるのかもしれないが、新宿駅周辺で見つけることはできなかった。ワイフの勘で東急ハンズ(高島屋に隣接)に入りようやく見つけた。かなりの広さのカバンコーナーがあり、何千円という安いものから高級品まで並んでいる。
 その中から選んだのが、「マンハッタンパッセージ」というなかなか機能豊かなカバン。メインルームはA4サイズ書類がゆったり入り、もう一つのジッパーポケットには、携帯や筆記用具、パスポートや定期券入れなどが収まる多段式ポケットが10個ついている(写真)、背面にはマガジンポケットもあり通勤者には便利だ。お代は1万3千円、大変結構でございました。
 これを探すのに数千歩は歩き、老人にはいい散歩にもなりました。

    


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