旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

戦争体験の風化について

2014-08-17 17:39:10 | 政治経済


 終戦記念日(8月15日)を迎えて第二次大戦を振り返る報道が続いている。戦後69年を経て、日本人の79%は戦後生まれとなり、いわゆる戦争体験者は5人に一人となってしまった。当然のことながら戦争は遠い昔の話となり、その語り部は居なくなる。
 こうして戦争体験は風化してしてきているのか? 安倍政権が新たな戦争の道を露わにしているのも、そのような背景があるのかもしれない。
 しかし戦争体験は前の大戦だけではない。第二次大戦後も、世界中で戦火の消えた日はないと言われている。今も中東やウクライナで戦火を交わしている。毎日何十何百の人々が命を落としている。
 そして何よりも、我が国自体が、そのような戦争にいつでも参加できる体制を整えつつある。戦争の話が風化することはないのではないか? むしろ69年も前の話よりも現在の戦争の怖さをもっと語らねばいけないのではないか?

 日々世界中で行われている戦争で、世界の若者たちは闘っている。その若者たちは当然多くの命を失っているが、帰還した兵士たちの恐ろしい記録もある。
 アメリカの、イラク・アフガン戦争帰還兵は、1日平均22人が自殺、3人に1人が精神疾患になっているという記録がある。1日平均22人の自殺とは想像を絶する数字である。またイラクに派兵された日本の自衛隊員のうち、1~3割が精神不調、28人が自殺したという記録もある。いわゆる後方支援で戦火も交えず、1人も殺しも殺されもしなかったにもかかわらずである。
 戦争を風化させない話は周囲に充満しているのではないか?


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