旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

セミの幼虫は地上に出ることができるか?

2014-08-13 14:37:06 | 時局雑感



 昨日、近くの松沢病院の中を散歩した。広大な敷地内に入るやツクツクボウシやミンミンゼミの大合唱に迎えられた。久しぶりの蝉しぐれに会って、我が家の庭を始め最近セミの声の少ないことに気付いた。
 セミの幼虫は地中で数年から十数年を過ごす。アブラゼミで平均6年と言われる。地中で孵化を繰り返し成長した幼虫は、時を得て地上に這い出し、樹木に登って羽化し、晴れてセミとなって約1か月の地上生涯を謳歌するという。
 正に雌伏○○年を経て、それに比してあまりにも短い地上生活を送るだけに、あのように鳴き叫ぶのかもしれない。もっとも、セミの鳴くのはオスで、メスを呼び寄せるためにあらん限り鳴くという。生殖のためのみ――生まれた子は再び長い土中の生活を送るのであるが、その子孫を残さんがためのみ短い命を全力で生きるのだ。

 家族の夕食で、最近セミの声を聴くことが少なくなったと話題になった。我が家の庭でも、以前はかなり騒がしかった。幼虫の抜け殻を見ることもあったが最近はない。見れば周囲はほとんどコンクリートで固められており、わが庭など猫の額だ。
 コンクリートに固められ、セミの幼虫は地上に出ることができないのではないかと言うのだ。これは恐ろしい話だ。数年か十数年前、産み付けられた卵は孵化して幼虫となり地中にもぐり、何年も成長を重ね満を持して地上を伺うと、当時の柔らかい土は堅いコンクリートに変わっている。
 その幼虫はどうするのだろうか?
 出口を探し回ってやがて息絶えるのだろうか?
 こんな恐ろしい話があるだろうか?

         


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