旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

家の30年点検とメンテナンス

2020-08-31 10:40:27 | 時局雑感



 現在の自宅を新築したのは1991年7月、三井ホームに転職して4年目のことであった。既に筑後29年が経過し30年目に入っている。時をまたず三井ホームから30年点検(無料)の知らせが来たので,、先日点検を受けた。
 その結果は、当面使用上の問題はないが、この家を本来の寿命である50年から6,70年保つには、今の時点で以下のメンテナンスを施すべしと、4ページに及ぶ明細付きで総額480万円の見積書が来た。最大の費用は屋根の補強で、今後の長期使用に耐えるためと「カバー工法工事」(足場工事を含め約2百万円)を薦める。点検(屋根、外壁から床下まで約1時間半)は無料であるが、本命である「家屋の長期維持」には高額の金がかかるのだ。
 しかし、例えばマンションでも、管理費と共に修繕積立金なるものが徴収され何十年ごとの大掛かりな補修の費用に充てられている。月1万円とすれば、30年で360万円となるので、3階建ての戸建てとなれば、4,5百万円は仕方ないのかもしれない。
 問題は、この家が今後何年使われるかである。われわれ夫婦の寿命はせいぜい5~10年であるので、その後3人の子供が売却分割すとすれば、高額をかけるのなんてつまらない。ここはひとつ子供たちの意見も聞いておく必要がありそうだ。


コロナ感染者数は何を意味しているか?

2020-08-26 14:16:29 | 時局雑感



 毎日午後3時か4時ごろになると、「東京都のコロナ感染者数」なるものがテレビに流れる。「今日は300人を超えた!」とか「何日ぶりに100人台になった」などのアナウンスに、みんな一喜一憂している。
 考えてみれば、この数字は何を意味しているのだろうか? それは、たまたまその何日か前に検査をした対象の中の感染者数に過ぎないだろう。検査数が多ければ一定の比率で感染者数も多くなるだろう。しかも、歌舞伎町などの感染者の多い地域を集中的に検査すれば、これまた感染者数は多く出るだろう。周辺地区の、あまり感染者が多くないだろう地域ばかり検査すれば、当然ながら小さい数が出るだろう。
 特殊な方法があって、1千万都民の全員を毎日一定の時刻に検査できれば、その結果はほぼ正確と言えるかもしれない。我々は、極めて不確実な数字に一喜一憂しているのではないか?
 加えてその数字におびえて、この暑いのにマスクなどして出歩き、その結果熱中症になり(全てマスクのせいなどとは言わないが)、コロナよりはるかに多く熱中症で死ぬ。
 何か間違っているのではないか?


コロナの夏

2020-08-19 11:09:00 | 時局雑感



 何もない日々が続き、8月も下旬を迎えようとしている。それでなくても話題の少ない老夫婦の会話は、いつも「…あ~あ、どこにもいかなかったヮ…」という妻の言葉で終わる。
 妻の言う「どこにも…」という「何処」は、けっして大旅行や大パーティを意味してはいない。若いころは夏山に登ったり家族旅行をしたり、せめて日帰りの海水浴ぐらいには出かけたものだ。今やそれどころではない。デパートへの買い物やレストランでの食事にも出かけずに終わりそうだ。
 その原因は、すべてとは言わないがコロナにありそうだ。ちょっとした注意を怠らなければ、食事やデパートに出かけるぐらいは問題ないと思うが、なんだかその気になれない。
 残り少ない老後の貴重な時間を、コロナに奪われた、という感がある。いや、動かぬ自分をコロナのせいにしているのかもしれない。それこそ老いの証拠であろうが…。


歌姫が届けてくれた西瓜

2020-08-12 11:52:48 | 時局雑感



 昨日は、群馬の桐生や伊勢崎で40度を超え、東京でも37度に達した。今年一番の暑さにウンざりしていると、娘に一本の電話がかかった。オペラ歌手の高橋絵理さんからだ。そして、こともあろうに「故郷(くに)から西瓜が届いた。とても一人では食べきれないので、少しだけど今から持っていく」と言うのだ。
 彼女は仙川に住み、わが八幡山から遠くはないが、何といってもこの暑さだ。にわかに信じがたかったが、しばらくすると「ピン、ポーン」とチャイムが鳴る。彼女は重そうな西瓜を玄関先に置いて、「ちょっと用事があるので…」と、事も無げに帰って行った。
 いや~、この西瓜は美味しかった。私はガキの頃から西瓜はよく食べてきた。母の里が農家で広大な西瓜畑を営んでいたからだ。適当な甘みと十分な水分で腹を満たしてきた思い出が深い。しかし今日の西瓜は格別の味がした。西瓜独特の甘味と喉を越す清涼感が“豊かな味”として凝縮していた。
 彼女の故郷は秋田県の横手市である。彼女はこのような豊かな味の中で育ち、いまや二期会の星と呼ばれるような声量豊かなソプラノ歌手に育った。娘の主宰するミャゴラトーリの公演にも常連として出演してくれている。同時に、自然の産物を近所の人々と分かち合って食べる、というう田舎の風習は、いまも持ち合わせているのであろう。
 思わぬ暑さを忘れさせてくれる出来事であった。

 
                
        みんなで、たくさん食べました。

  
  五島財団オペラ新人研修成果発表リサイタルのちらしより
    


75年間は草木も生えぬ・・・まさに不毛の核廃絶への道

2020-08-06 13:54:16 | 政治経済



 今日は75回目の原爆記念日である。たった一発の原爆で廃墟と化した広島は、その惨状の激しさから、今後75年間は草木も生えぬだろう、と言われた。
 広島は、草木はおろか、日本を代表する文化、産業都市としてよみがえった。市内を流れる七つの川は、美しい周囲の山々を映し、爆心地となった平和公園は、濃き緑に覆われている。風光と産物にも恵まれ、広島はいまや世界へ誇る都市と言えよう。
 ただ、広島の悲願である核廃絶の道は、依然として閉ざされている。それどころか、核兵器の質は当時の何百、何千倍に高められ、保有国も増加の一途を辿っている。
 強国は「抑止力」の名のもとにこれを増強し、小国はこれを「窮鼠猫を噛む」道具として、いずれも手放す気配はない。一度核を持った国は、自ら手放すことは絶対にないのではないかと、背筋の凍る思いだ。この道は、まさに75年を超えて草木の一本も生えぬ不毛の道だ。
 ただ、国連で、これらの国々を除く過半数の国が「核兵器禁止条約」を結び、着々とその批准が進められていることに一筋の光を見るのであるが……。


投票ボタン

blogram投票ボタン