旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

金融機関のあり方 … みずほ銀行の醜態と城南信用金庫の生き方

2013-10-30 13:02:51 | 政治経済

 

 元都市銀行に勤めた者として、みずほ銀行の暴力団関係者への融資問題に対する対応に胸を痛めている。その責任逃れ、無責任体制、保身主義は、社会の公器たる銀行経営者の資格の片鱗も見えず、まさに醜態と言うしかない。
 その中で、先日、城南信用金庫理事長吉原毅氏の講演を聞いて、城南信金の理念と吉原氏の生き方に感動した。
 城南信金は、「中小企業の健全な育成発展」、「豊かな国民生活の実現」、「地域社会繁栄への奉仕」を経営理念とし、「人を大切にし、思いやりを大切にする経営」を経営方針としているが加えて、脱原発宣言を行い、東日本大震災の復興支援の活動も続け、吉原理事長はその先頭に立っている。
 講演会の演題は、「原発に頼らない社会を目指して」というもので、吉原氏は「原子力エネルギーには未来はない」、「つけを未来に残してはいけない」と、原発ゼロを訴え続けた。
 何よりも驚いたのは、金融機関のトップがそのような活動をするにはそれなりの覚悟が要ること、そのため理事長の任期を限り(あと2年)、給与も支店長並みに引き下げたという。
 「役員の給与は多くてはいけない。高給を取り、いつまでも勤められるから保身に走る。言いたいことも言えなくなる」、「経営理念や経営方針は、言葉ではなく具体的に実践されねばならない」と氏は語った。
 みずほ銀の経営陣とのあまりの差に驚いたが、このような経営トップが現れる限り、まだ日本にも未来があると思った。


点描主義の画家たち … クレラー=ミューラー美術館展

2013-10-28 13:33:20 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 オランダのクレラー=ミューラー美術館展を見るために国立新美術館に出かけた。「印象派を超えて 点描の画家たち ~ゴッホ、スーラからモンドリアンまで」という長い副題がついた絵画展であった。
 点描画には不思議な魅力を感じていたので、一度じっくり見たいという思いがあった。ちょうど日蘭協会がこの美術展に関する講演会を開いてくれた。講師は国立新美術館企画室長で主任研究員の長屋光枝氏。実に丁寧な講演で、その一時間のお話に続いて展覧会を観賞したので非常によくわかった。

 点描とは、簡単に言えばこのようなことらしい。
 これまでの絵画は絵の具を混ぜ合わせていろいろな色を出し描かれてきた。点描は絵の具を混ぜ合わせることなく、原色のまま、隣り合わせに点を打っていき、鑑賞者の網膜の中でその点が混ざり合っていろいろな色になっていく…。
 そもそも印象派は、戸外に光を求め、カンバスに原色を打って光と空気を表現してきた。スーラやシニャックは、その印象派の筆融分割をさらに超えて科学的、合理的な点にまで分割していったということだ。
 だから点描主義は分割主義とも呼ばれる。スーラは自分の画法を点描主義と呼ばれることを嫌い、分割主義と主張していたという。

 確かに、距離を置いて見ると光り輝く様々な色に見えるが、画面に近づくとすべてが原色の点で、色を分割した原点がそこにあるというのだろう。画家はその原点を見つけ出しカンバスに打っていき、見る人は網膜の中でその点を混ぜ合わせ様々な色(絵)を見ていくのだろう。
 長屋氏の講演ともども大変興味のある展覧会であった。
 


第5回山桜桃の会 … 各地の珍味と酒 in 『吉本』

2013-10-26 15:31:14 | 

 

 昨夜は、台風27号の前夜ではあったが「山桜桃の会」を開いた。当初は関東直撃の予報で延期も考えたが、沖縄付近で停滞してずれ込む見込みとなった。台風のせっかくの粋な計らいを無にしてはいけないと実行することになったのだ。
 今回のテーマは、「各地の珍味と多様な日本酒」だ。会場に選んだ新宿『吉本』は、そのテーマにうってつけのお店。メニューにあるように全国13の珍味が用意されている。それを「6点盛り」にして3皿出してもらった。(二人に一皿)

  
       

 北は北海道釧路の「蟹内子」から南は長崎の「生からすみ」まで実に多彩だ。しかも岡山の「ままかり」に添えられてあったきゅうりには、きれいな細工が施されてあった。(月と兎?)

     

 料理はそのほか刺身盛り合わせと長野のしおイカ、キノコの煮びたしと続いた。酒は、まず「山桜桃」で乾杯のあと、『吉本』独特の以下3点セット…、「くどき上手、上喜
元、田村の雄町セット」、「清泉を始めとした越後セット」、「初亀、滝自慢、墨廼江セット」、私の好きな「黒牛、昨(ざく)、呼友セット」…全12銘柄。最後は恒例の「田酒」のお燗でしめくくり。(東北、越後、静岡、三重、和歌山の酒と多彩)

 つまり、北から南までの、13銘柄の酒と13銘柄の珍味でたっぷり日本を味わったというわけ。前回の本稿で書いた「和食が世界遺産に」という実感を地でいって、みんな大満足でした。
 なお、写真はメンバーのM.Mさん撮影。きれいな写真ありがとう。


「和食」がユネスコの無形文化遺産へ

2013-10-24 14:43:01 | 

 

 政府がユネスコの無形文化遺産に提案した「和食 日本人の伝統的な食文化」が、事前審査で認められることになったと報じられている。
 その内容としては、「四季や地理的多様性による新鮮な山海の幸」、「自然の美しさを表した盛り付け」、「正月や田植えなどとの密接な関係」が強調されているという。(23日付日経新聞38面)
 これはうれしいニュースである。食と関係する無形文化遺産としては、「フランスの美食術、スペインやイタリアなどの地中海料理、メキシコの伝統料理、トルコのケシケキ(麦がゆ)の伝統がすでに登録されている」(同上)というので、日本の和食も、いよいよ世界のトップレベルの食として評価されたことになる。

 和食が、日本の四季の移ろいや自然の多様性につれ、また正月や田植えなどの行事にかかわり、様々に作られ盛り付けられる点が評価されたことがうれしい。
 実は日本酒も、純米酒のウェイトが高まるに
つれ、味も品種も多様化してきて、その飲み方も含めて今ほど花咲いた時期はない。四季折々の多様な料理とあいまって、多様な日本酒が様々に飲まれる時代が来ると思う。
 食中酒としての日本酒は、和食と切ってもきれない関係にある。世界文化遺産に引けを取らない日本酒として、ますます磨きをかけねばなるまい。


人の善意に生きる年齢

2013-10-22 14:19:18 | 時局雑感

 

 昨夜は弟と、わらび座の歌舞音曲劇「げんない」の映画を見るために池袋に出かけた。終了したのは10時を回っていたが、腹が減ったので近くの炭火焼き屋で飲み、食事を終えて新宿に着いたのは12時であった。
 幸い、京王線の最後の快速に間に合ったので飛び乗ると、夜中というのにけっこう満員、吊革にぶら下がっていると前の若い女性が「どうぞ」と席を譲ってくれた。私は「いやいや、年寄りも足を鍛えなければなりませんから…」などと言いながら謝絶したのだが、執拗に薦められ譲ってもらった。

 酒の酔いも加わった疲れで、正直言ってこの座席はうれしかった。しかし、この女性もこの時間ともなれば疲れているに相違ないし、「どこまで行くのだろうか? こんな夜中に年寄りが乗ってくるなんて迷惑だろうな…?」などと気になった。
 彼女は、私の降りるひとつ前の駅で降りた。私がその背中に向かって「ありがとうございました。助かりました」と礼を述べると、彼女はニッコリと振り返り、軽く会釈して降りて行った。実に美しい笑顔で、清々しいそぶりであった。

 近頃、席を譲られることが多くなり、むしろ反発したくなることもあるのだが、素直に人の善意を受け入れて生きる年齢になったのであろう。因みに私は、78歳と6か月である。

                              

 


広島カープ 散る

2013-10-19 11:11:08 | スポーツ

 

 広島カープファンよ泣くな! カープは全シーズンを通じよく戦った。その最後の勢いは阪神までには通じたが、巨人には通じなかった。
 ほとんど1点差だと思っている。2回戦は3対0であったが、マエケンの1球が相手のへなちょこホームランになっただけだ。打った本人も「入るとは思わなかった」と言っている。9回に、キラかエルドレッドか梵に一発(ヒットでもいい)が出ておれば、試合はどうなったかわからない。
 しかし、それが出るほど巨人は甘くない。

 それを阻むのが「巨人の壁」だ。財力、人力、伝統、人気…分厚い権力の壁だ。どうしても打ち破りたい壁だ。それを唯一の市民球団広島カープが打ち破るところに夢がある。
 あと2、3年かかるだろう。来年2位、再来年優勝してようやくその壁を破る時が来る。昨夜すべてを終えたマエケンの発言、「これが今の実力の差。しかしチームの力は確実にレベルアップしている」という言葉がそれを示している。

 カープファンよ泣くな! その時を待とう!


格差拡大、貧困層の増大を憂う

2013-10-18 14:20:28 | 政治経済

 

 厚生労働省は11日、3年ごとに行っている所得再分配調査を公表した。その中で、所得格差を示す「ジニ係数」が示されたが、それによると所得格差は過去最大になったという。(平均0.5536で、前回より0.0218悪化)
 日本のジニ係数は1984年以降上昇(悪化)し続けてており、厚労省はその主因を高齢化の進展とみている。それも要因の一つかもしれないが、私は80年代後半から90年代にかけて吹き荒れた新自由主義の風潮、その上に立って推し進められた小泉・竹中路線…規制緩和と競争主義…中産階級の崩壊と貧困層の増大…が格差を広げていると思っている。
 竹中平蔵氏などは口を開けば「努力する者が報われる社会」と叫ぶ。しかし、どのくらい格差が付けば満足するというのか? 先日の政府発表によれば、「日本のワーキングプアー(働いても年収200万円以下の貧困層)は1000万人を超えた」状況が続いている。そんな格差をつけた貧困層を見下ろして、彼らは「報われた」と思うのだろうか?

 格差なんて2、3倍もあればいいではないか。 自分の努力により社会全体が裕福になれば、それこそ「報われた」と言えるのではないのか?
 何よりも貧困の増大は社会不安を生み出す。最近のテレビも新聞も、暗い、いやな事件でいっぱいだ。それらには、これまたさまざまな背景があるのであろうが、最大の原因は貧困の増大にあると思う。
 努力が報われる社会もいいが、一生懸命働いても食えない…、そんな貧困だけはない社会にしたい。
 


化学兵器廃絶で、米露は大国の役割を果たせ

2013-10-15 11:02:10 | 政治経済

 

 広島カープのCS活躍に浮かれている間にも、重大なニュースが次々に報道されていた。中でもノーベル平和賞がOPCW(化学兵器禁止機関)に送られたことだ。
 平和賞候補にはパキスタンの少女マララさんなどが上がっていたが、あえてこの機関が選ばれた動機は、シリア問題に端を発した化学兵器の全面禁止を後押ししようという意図があると報じられている。
 つまり未批准国のイスラエルやミャンマーなど、未加盟国の北朝鮮などの加盟促進、また加盟はしているが全廃の期限を守っていない米国とロシアの全面廃棄を促す狙いがあるというのだ。

 驚いたのは、シリアに全面廃棄を促している米露は、中でも廃棄しない場合は軍事介入も辞さないと脅しをかけている米国は、自らは廃棄していないのだ。
 核兵器についてもこれら大国には、抑止力論なるものを持ち出して、「自分は持ってもいいがほかの国は持ってはいけない」という理屈がある。核兵器にしても化学兵器にしても、これら大国が自ら廃棄を実践しないで全廃の道が開けるだろうか?

 振り返れば第二次大戦後、国境紛争や内戦を含め世界に戦火の絶えることはなかったが、一国が他国に地上部隊まで送り込んで戦争をしたのは、アメリカの朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争、それにロシア(ソ連)のアフガニスタン戦争ぐらいのものである。
 一番危険なのは米露の二大国ではないのか? それに核兵器や化学兵器を持たせておいていいのか?


広島カープ ファイナルステージへ

2013-10-13 17:16:19 | スポーツ

 

 広島カープが、ついに悲願を果たした。阪神に二連勝、巨人とのファイナルステージへ進出した。
 今日の試合は、第一戦以上にカープらしい闘いぶりであった。野村監督のいう全員野球を教科書通りに展開した。攻走守すべてにわたってカープ野球ができた。
 ここぞ、という時に期待通りのプレイを見せてくれた。。こんな広島カープらしい、気持ちよ試合はなかった。両外人が同点打と勝ち越し打で役割を果たした。その前の丸、菊池、梵が味のある技を随所に見せた。
 特に梵の好打、攻守、好走塁には目を見張るものがあった。カープ野球のお手本を見せてくれた。

 文句なし! 今宵は美酒に酔おう。


広島カープ CSで先勝 … マエケンが投げてキラが打った

2013-10-12 18:07:13 | スポーツ

 

 カープが勝った!
 16年ぶりのAクラス、初めてのCSで第一戦を勝った!
 阪神に8対1 文句ない勝利!
 エース前田健太が7回1失点と投げ抜き、主砲キラが3ランを放った。
 これ以上のカープがあろうか。 今シーズン後半戦の勢いのままだ!
 何も書くことはない。エースと主砲の雄姿のみを掲げておく

    
      マエケン 7回1失点の好投
    
    四番打者のキラ 3ランで勝負を決める

  試合を終えて
       
    

   


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