旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

底力を見せた須藤慎吾・・・デュパルク歌曲バリトンリサイタル

2020-10-31 13:26:35 | 文化(音楽、絵画、映画)



 今月8日のミャゴラトーリ「ガラ・コンサート」に続き、昨夜の「バリトンリサイタル」で、須藤慎吾という歌手の底力を見せられた思いがした。

 ガラ・コンサートでは、例えば「リゴレット」の、あの有名な四重唱などを歌ったが、ステージの隅に立つだけで、また最初の声を発するだけでその存在感を示した。
 とはいえ、四重唱やデュエットであったが、昨夜は、デュパルクの歌曲13曲を、圧倒的な歌唱力で歌い切った。私はデュパルクというフランスの作曲家を初めて知った。ボードレールなど名だたる詩人の詩を題材にした歌曲で、朗読付きであったのでそれを通して辛うじて理解しながら聞いた。王子ホールの雰囲気も、「旅へのいざない」という孤高の世界にふさわしく、何よりも歌手の歌唱力とすぐれた表現力に、ただ、ただ感動した2時間であった。
 改めてその底力を見せつけられた。

 


 須藤慎吾 練習風景 (首藤史織Facebookより)


『ともしび』につづく『家路』の閉店・・・

2020-10-22 14:32:23 | 文化(音楽、絵画、映画)



 うたごえ居酒屋『家路』から一片のハガキが届いた。時ならぬ時期の来状にイヤな予感を抱きながら文面を見ると、不安は的中、それは閉店のお知らせであった。
 『ともしび』66年に続き、『家路』も42年の幕を下ろす。その知らせに接し、戦後民主主義の最後の一角が、音を立てて崩れ落ちる響きを聞いた。その音は静かだがいつまでも鳴り響いた。
 うたごえ運動はその歴史的使命を終えたのであろう。ただ、『家路』は『ともしび』の分身でありながら、「うたとピアノと友だちと」をテーマに掲げたユニークな居酒屋で、単なる歌声喫茶と性格を異にしていた。だから、あの‘飲み屋激戦区’の新宿で42年もの営業を可能にしたのであろう。もちろん、経営にあたったP子さんの「語りと弾き歌い」という、類いまれな才能がそれを可能にしたのであるが。
 『家路』という屋号が示すように、帰路につく多くの働く人たちを、P子さんは語りと弾き歌いで42年間癒し続けた。
 
 戦後ともった巨大な灯が、また一つ消えた。


 


森下の勝利(新人王への道)を総力を挙げて阻んだ広島カープ

2020-10-17 19:46:59 | スポーツ



 今日の「広島・中日戦」は、中日柳、広島森下という明治大学の先輩後輩対決という因縁の展開で好試合(少なくとも7回表まで)が進められた。広島の森下は今日を勝てば9勝目となり、新人王にかなり近づくと思われた。

 期待に応えて森下は7回まで中日を1点に抑え、味方の2点に助けられて9勝目に向かっていた。しかも7回投げて投球数は96球、従来の森下の実績からしてもう1回(8回)は十分に投げられる展開であった。
 ところが、7回裏の攻撃で広島は先頭打者が出塁すると次の森下を三好に変えた。バントで2塁に送るためだ。つまり森下を引っ込めたのである。「ここで点を取って、8,9回を、ほりえ、フランスワで抑える」計画に見えた。
 しかし不安は的中、森下を変えてまで送った走者は打ち続く凡退で返せず、次の8回表の中日の攻撃は、ほりえ、フランスアのだらしない投球を打ちのめし、一挙に4点を挙げて森下から勝利を奪った。
 可哀そうな森下…。7回まで1点に抑えた好投を、寄ってたかってつぶされたのだ!
 この敗戦の責任はだれか? A級戦犯は佐々岡監督の采配だ。あの交代はどうしても納得できない。B級戦犯は救援投手陣だ。申し合わせたように二人で4点を献上して森下の勝利投手の権利を打ち消した。C級戦犯は打撃陣だ。森下を変えてまで取りに行った点を、何としても取ろうとする気迫もなかった。
  何故、森下をこうまでして引きずりおろさねばならないのだろうか?

(なお、これは一カープファンの妄想であり事実とは無関係であるのでので念のため)


「高クォリティ!」、「最高に贅沢なコンサート!」・・・ミャゴラトーリ『ガラ・コンサート』に高い評価

2020-10-10 13:17:39 | 文化(音楽、絵画、映画)



 娘が主宰するオペラ普及団体ミャゴラトーリは、昨年暮れから取り組んだ6月のオペラ公演『秘密の結婚』が、コロナ禍で直前の中止を余儀なくされるなど苦悩を続けていたが、心ある支援者の方々から「がんばって!」、「オペラに灯を消さないで!」と多額の支援カンパが寄せられ、「何とかこれに応えなければ」と取り組んできたのがこのコンサート。
 内容は、過去7年間にわたり公演してきたオペラ(「セヴィリアの理髪師」、「ラ・ボエーム」、「カヴァレリア・ルスティァーナ」、「カプレーティとモンテッキ」、「リゴレット」、「ドン・パスクアーレ」、「愛の妙薬」)のハイライトシーンを、9人の歌手が、ソロ、デュエット、四重奏などで歌うというもの。
 しかもその歌手が、国光ともこ(ソプラノ)、須藤慎吾(バリトン)を始め、ソプラノの高橋絵理、メゾソプラノの中島郁子、向田由美子、テノールの寺田宗永、所谷直生、バリトン薮内俊哉、バスバリトン大澤恒夫という、実力ではトップ水準を行く歌手たちである。
 加えてピアノが浅野菜生子、合唱指揮柴田真郁、解説岩田達宗(演出家)という顔ぶれ。これ以上の贅沢な構成が他にあろうか? これを、コロナによる入場制限もあり150人の観客で聴いたのだ(収容人員500人の小金井宮地楽器委ホール)
 二幕のはじめとフィナーレの二つの全員合唱「行け、わが想いよ、黄金の翼に乗って」(ナブッコ)と「愛だけがこたえ」(フィガロの結婚)を加え延3時間、私は、歌い上げられる愛や悲しみ、希望の彼方に心を奪われ続け、他事を思う余裕はなかった。

 
 フィナーレで観客に挨拶する歌手たち

 ピアニスト、指揮者、解説者も含めて

 
フィナーレで喜びのあまり手をつないだ歌手たちは消毒しながら退場。
コロナ対策も万全でした。


 


中秋の名月

2020-10-02 15:37:38 | 時局雑感



 中秋の名月というので、妻と家の周囲を歩いた。コロナで久しく散歩もしていなかったが、月の魅力も大したものだ。やはり日本人なのかなあ?
  ほとんど同じ時刻に写真を撮ったのだが、一枚はほぼ白色で、もう一枚は月の模様が映っていた。自動カメラなので全く自動に撮ったが、深度や速度、倍率などが微妙に違うのだろうか? それとも単なる手振れの問題か? 一応二枚を掲げておく(カメラは Canon PowerShtot  SX620HS)

 

  


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