旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

広島カープのリーグ二連覇は可能か?

2017-07-31 14:28:58 | スポーツ



 今季のプロ野球も、残り試合が50試合を割り込んだ。われらが広島カープの快進撃に気をよくしている。昨夜までで60勝を挙げ、残り試合48試合であるから、これを1勝1敗でいけば24勝となるので勝数84となり、優勝のにおいがしてくる。しかし84勝で優勝することができるのだろうか?
 2位阪神は49勝で52試合を残すので、35勝17敗で84勝、DeNAは47勝で50試合を残し、37勝13敗で84勝、巨人は44勝で50試合を残すにで、40勝10敗で84勝に到達する。おおざっぱにいえば、阪神は2勝1敗ペース、DeNAは3勝1敗ペース、巨人は4勝1敗ペースで残り試合を戦えば84勝に到達する。
 4勝1敗ペースは大変だが、なんといっても巨人の歴史と資力、選手層の厚みを考えれな何が起こるかわからない。DeNAも爆発力を持つので3勝1敗のペースは可能かもしれない。阪神の2勝1敗ペースなど、いざとなれば十分に考えられる。ということは、カープは今後を1勝1敗のペースではダメだということだ。
 幸いにして、後半戦のカープは4カードを2勝1敗で勝ち進んできた。このペースを守りきることができるかどうかが、カープの優勝を保証するといえる。そしてこれは大変なペースなのだ。カープの優勝はまだまだ遠い!

 「2位に10ゲーム差だ。カープの優勝は決まりだよ」とみんなに言われる。しかしファン心理というものは以上の通りで、何とか優勝できないかと思って如上のようなケチな計算を繰り返し、むしろ不安に駆られる。
 カープの監督や選手にとって、こんな計算などとっくに頭に入っているだろうし、私が抱くような不安など何の役にも立つまい。「そんなつまらないことを考えていないで、球場に足を運んで、一声でも応援してください」と言われるに違いない。


故郷を懐かしむ酒 … 大分麦焼酎

2017-07-26 15:53:47 | 



 私の晩酌は、季節を問わず殆ど日本酒、いわゆる清酒である。夏でも酒によっては燗をして飲むことすらある。飲み屋に行っても、注文するのは常に日本酒だ。ビールも好きだが、「とりあえずビール」などもやらない。乾杯の場合も私だけは日本酒ということが多い。
 昨夜も近くの飲み屋で好きな日本酒を飲んでいたが、最後にもう1本注文しようとして、メニューの焼酎の欄に「大分麦焼酎二階堂」とあるのが目に留まって急に飲みたくなった。理由は簡単、この蔵の倅が私と大学で同期であり、そのことを思い出したからである。思い出しはしたが、彼とは親しくはなく、4年間を通じてほとんど言葉を交わしたこともなかった。にもかかわらず懐かしく思い出したのである。
 「…どげえしちょんかのう? 二階堂は…」(どうしているだろうか? 彼は…)
しかも、大分の方言で思い出したのである。
 私は、「二階堂麦焼酎をストレートで1杯くれ。それとお冷を」、と注文した。二階堂君には悪いが、もっとおいしい焼酎はいくらでもある。しかし昨夜の「二階堂」は美味しかった。それは単なる味とか香りとかと別の要素があったのだろう。これも齢のせいだろうか?

 ふるさとの訛(なまり)なつかし
 停車場(ていしゃば)の人ごみの中に
 そを聴きにゆく                  石川啄木





猛暑、豪雨、荒れた世相…

2017-07-18 14:34:36 | 時局雑感



 テレビや各紙が、連日異常気象と災害の様子を報じている。中でも、昨年来の地震に続く九州地方の豪雨災害に胸を痛めている。九州育ちの私にとって、子供のころから慣れ親しんだ町の名前が、その惨状とともに次々と報じられるからである。
 世の中も荒れている。殺人を伴うすさんだ事件が日常茶飯事のように起こる。それら庶民生活に全く無能力な政治の世界も荒れている。安倍内閣は支持率の急落(危険水域という30%を割り込んだ!)に慌てふためいている。自ら墓穴を掘ったのであるから慌てることもないのだが…。国際政治も、北朝鮮の核戦略に慌てている。「俺は持っているが、お前は持ってはいけない」という説得力のない大国が、核廃絶にいかに無能力であるかが証明されるばかりだ。それに対し、コスタリカなど小国122か国が「核兵器禁止条約」を採択し、核兵器に悪の烙印を押した。この条約は、人間的、人類的道理に沿っているだけに、いぶし銀のような力を発揮してくるのではないか?

 朝から、テレビが「今日の東京は午後は雨。降水確率60%」と報じていたが、連日の猛暑と晴れ渡った空の様子から信じられない気持ちでいた。豪雨は困るが、本当に少しでも降ってくれないかと期待していたところ、午後2時を過ぎて俄かに暗くなり、やがてぽつりぽつりと降り始めた。そのうち雷鳴がとどろき、わが杉並区高井戸1丁目もそれなりの雨が降った。
 家の前を、傘をかざした人々が足早に歩き去る。その中に、小学校低学年生であろうか、ランドセルを背負い、右手に布袋を提げた子供がずぶぬれになって駆けてい行った。朝家を出るときの天候に騙されて、不用意にも傘を持たずに登校したのかもしれない。いや、家を出るときはお母さんに傘を持たされたが、学校を出るときの明るい空に騙されて、教室に傘を置いてきたのかもしれない。
 このような人をも、自然災害は容赦なく襲う。いや、自然災害だけではない。テロや戦争はもとより、悪政の影響を一番受けるのは、このような弱者であることを歴史は示し続けてきた。核戦争の危機すら含む世相、この「人類滅亡兵器」すら制御できない無能な世相の中で、あの子は果たして守られていくのであろうか?


イタリアンでワインを飲み、七夕の神楽坂を散策 … 7月7日第15回山桜桃の会

2017-07-12 11:35:05 | 



 本来日本酒を追及してきた山桜桃の会であるが、たまにはワインを飲もう、ということになった。その要求に応えるために私の頭を去来したものは、イタリアはサルデーニャ島の「カンノナウCANNONAU」(注)というワインであった。
 (注)統制原産地呼称ワイン(D.O.C)で、イタリアでは2番目に格付けされる高級酒
 すでに20年も前のことであるが、当地の産するタペストリーの買い付けに訪問した際、先方業者たちが開いてくれた歓迎パーティで出されたワインが「カンノナウ」であった。それは、わが一行の代表が、「わが社は日本のハウスメーカーとして年間2万戸を建てている。タペストリーの需要も多い」と発言したことに対し、先方代表が発言した次のような素晴らしい言葉とともに振舞われた。
皆さんの稼ぎたい気持ちはわからいでもないが、われわれは島の文化を守りたい。たくさんの物を作りたいとは思っていない。良いものを作りたいと思っている。この世は物のためにあるのではなく人のためにあるのだ。われわれは人の文化を守りたいと思う。良いものを作ればよい社会になるのだ」

 成長主義・過剰生産・大量消費社会にうずもれて生きる私たちに、強烈な一石を投じたこの言葉を、私は忘れたことはない。同時に頂いた「カンノナウ」の、濃い中身を持ちながらも清々(すがすが)しい飲み口の美味しさとともに…。
 私は、このワインを飲ませる神楽坂3丁目の『ソッリソーSORRISO』を迷わず選んだ。まずはスパークリングワイン(ピアモンテ州産)で乾杯の後、「白身魚ソテーなどの前菜」や「気まぐれサラダ」などでカンノナウの赤を飲む。ピザも、「たっぷり野菜ピザ」と「モッツァレラチーズと半熟卵のピザ」の2種類を取って、文字通りたっぷり食べた。デザートも、イタリアらしい甘味からエスプレッソに至るまで、イタリアンらしく〆た。
  
   左スパークリング、右カンノナウ


   

            

 神楽坂を選んだのには、もう一つ理由があった。その日は七夕! 夜の神楽坂を散策しようというわけだ。気持ち良い酔いにつられて、路地裏を歩いた。世にいう高級料亭が立ち並ぶ神楽坂の路地裏は、歩くだけでも豊かな気持ちになる。いつの日か、このいずれかで宴を張ろうと思いながら……。いやあ、結構な七夕の夜でした。

  
    「コースで1万2千円なの? 入ってみようかしら」(門口のメニューを眺めて)



 

 


「厳しい良識」を突きつけたと都民 … 都議選自民党の歴史的大惨敗

2017-07-05 17:19:19 | 政治経済



 東京都議選において自民党が、57議席(定数127)から23議席へ激減した。過去最低の38議席をも大幅に割り込んだ。その背景は様々あって、選挙直前の各議員の失態(豊田議員の暴言、暴行、稲田防衛大臣の法違反発言、下村都連会長の加計献金疑惑などなど)などが挙げられているが、何よりも、安倍首相の体質を中心にした自民党の傲慢、非民主的な国会運営に向けられたものと思われる。
 即ち、「共謀罪」法案の参院委員会審理省略などによる強行採決、森友、加計学園設立に関する疑惑に対する説明不十分と尊大な態度、これらが一昨年来の「戦争法」審議に見られる非民主的な運営と相まって、国民は、「どうもおかしい」、「このような自民党に政治を任せておいていいのか?」と、根強く思い始めていたのである。たんなる稲田や豊田など個人的な問題ではないところに国民は目を向けていたのである。
 その先端を行く東京都民は、日本国民を代表して、その「厳しい良識」を安倍自民党に突き付けたのである。その厳しさが、過去最低議席の38をはるかにしのぐ23議席という数字だったのである。

 さて、その自民党批判の受け皿は都民ファーストの会に向かったのであるが、この都民ファーストの会は大丈夫なのだろうか? 党首の小池氏はそもそも自民党であったし、中心は元自民党員と、民進党では勝てないと踏んで選挙直前に民進党を離れた連中だ。そのほか多くは急造した小池チルドレンだ。都民の「厳しい良識」に背かぬ会に育ってほしいと願うや切である。
 もう一つ受け皿の役を果たした政党がある。それは共産党だろう。今回の選挙で、議席、得票数、投票率ともに伸びた唯一の既存政党だ。東京の第一党は「無党派層」であるが、出口調査によれば、その無党派層の20%は共産党に入れたようであるので、これは立派に受け皿の役割を果たしたのではないか? 一貫したぶれない主張は、都民にわかりやすく頼もしく映ったのではないか?
 いずれにせよ、都民の厳しい良識がどう生かされるのか…、それこそを注目しなければならない。

 


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