旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

平穏な年の瀬…、これでいいのかなあ?

2013-12-31 14:16:53 | 時局雑感

 

 昨日のうちに恒例のガラス拭きと掃除機かけを終え、一日飾りにならないように玄関扉にお飾りも下げた。今日はあまりやることもない。
 カレンダーを架け替え、玄関周りを掃き清めた。清めた、というほどのことではないが。快晴無風、気温も平均気温に戻ったらしく、まさに平穏な暮れだ。

 株は上がり企業収益は好調だと世間はさわいでいる。有効求人倍率も1.0となり、一時のように年越し村の炊き出しに列をなすこともないようだ。本当の実態はどうか知らないが、これらも平穏を感じさせる。

 今年は弟の会社の役職も辞し、顧問として週一回出勤しているが責任ある立場を離れた。55年続いたサラリーマン生活から解放された年だ。そのことも平穏な年の暮れを感じさせる一因かもしれない。

 しかし、なぜか「これでいいのかなあ?」という感じが残る。それが55年のサラリーマン生活でしみついた私の貧乏性から出る感じならいいのだが…。

   
        わが書斎にもやっと花が…


今年を振りける … 「平成の四半世紀」は何だったのか?

2013-12-30 14:36:02 | 時局雑感


 今年は平成25年…、平成もすでに四半世紀を経たのだ。某民間テレビも平成の総めくりを映じていたが、今年は、この平成という時代を集大成したような年に思えてきた。

 「平成の25年っていいことは何もなかったのではないか?」と娘と話し合った。バブルがはじけ経済は低迷を続け、失われた20年などと言われた。高度経済成長時代に築きあげた中間層は解体され、一部の富裕層と大多数の貧困層に分かれた。
 給料は下がり続け、ワーキングプアーなどという真面目に働いても貧困にあえぐ層が生まれた。若者に職はなく、将来に夢や希望を抱くことはできなくなった。特に平成生まれの若者は、貧乏が当たり前で豊かな生活など知らないので、頑張れば生活が良くなるなんて思えないのだ。

 同時に発生してきたのは政官財の不祥事だ。汚職や脱税、はては食品偽装など食べ物にまでゴマカシの手が伸びた。毎日テレビに映るのは、会社の社長や財界、政界のお偉さんが、禿げ頭を並べて頭を下げる姿ばかりだ。これを見る若者たちは、ますます白けてきただろう。

 平成25年のちょうど半ばに21世紀を迎えた。21世紀は平和と繁栄の世紀になるだろうと何となく思っていたのだが、事態はそれとは逆であった。各地の紛争、拡大するテロ…、これに合わせるように自民党政権は右傾化を強める。

 こうして今年は、以上の事がすべて起ったような一年であった。このままでは、新しい年に夢も希望もない。しかし、いくらおとなしい国民でも、そういつまでも黙ってはいないだろう。
 そこにかすかな希望を繋いで新しい年を迎えよう。


今年を振り返る … 世界文化遺産の和食を傷つける食品偽装

2013-12-29 14:08:26 | 時局雑感

 

 今年のうれしい出来事の一つに、和食が世界文化遺産に登録されたことがある。その理由の一つ、「和食が四季折々の、また様々な行事に合わせて食される」という多様な性格が、私が追い求めてきた日本酒の多様性(その種類、飲まれ方)と共通するものがあるからだ。
 これを機に、食中酒としての日本酒がますます多様に花咲くことを期待してやまない。
 一方で相変わらず続く食品偽装にうんざりした。そしてそれは日本酒の中にも数多く現れた。こうなってくると食べ物も飲み物も、大半が偽装されていると思わざるを得ない。 毎日食べているもの、飲んでいるもののほとんどはニセモノと思った方がいいだろう。これほど悲しいことはないが。和食が文化遺産になったなどと喜んではいられない。

 その様な中で、娘は「ホンモノのオペラを広めたい」と東奔西走している。記述(14日)の通り新幹線代も出ない貧乏オペラ部隊は、渥美半島の彼方にある学校での公演に、出演者が自ら運転する大型レンタカーで往復してきた。子供たちの喜んだ感想文には恐らくウソはないだろうから、それを読む限り娘たちの公演はホンモノだったのだろう。
 娘とは今年、「本物のオペラ感覚を磨くためにも日本の伝統芸能を見直そう」と、歌舞伎、薪能を各1回、落語を4回観賞した。日本人にイタリアオペラを理解してもらうためには、日本の伝統文化の本髄を知る必要もあると思ったからだ。
 儲け第一主義からニセモノ売りが横行する。そうならないためには、絶えずホンモノに接して感覚を磨いておく必要があろう。
 ニセモノとホンモノのはざまに立つ日本文化は、まさにその岐路にある。


今年を振り返る … 自然界も政治経済界も大荒れ

2013-12-28 13:46:23 | 政治経済

 

 アルジェリアの日本人を含む大規模人質事件に始まり、今年も危険な方向を暗示させる事件が相次いだ。アフリカの民主化運動は何となく遠い国の事のように思ってきたが、突如日本人が巻き込まれるなど、世界は狭くなってきている。
 近いところでは中国と北朝鮮が不穏だ。中国は国内矛盾解決のためには経済発展と民主化が避けられず、しかし時に及んで内なる不満を外に向けて発散させようとする。尖閣や領空圏問題など、いやな予感がしてきた。北朝鮮に至っては突如身内の粛清など、まだこのような水準の国があったのかと思わせるほどで、何とか解放に向けて軟着陸させる方法はないのか?
 もっと危険なのは挑発に乗る安倍内閣かもしれない。秘密保護法、集団的自衛権承認、軍備拡大…、ここにきて靖国神社参拝とは、少し子供じみてきたのではないか?

 自然界も黙っていない。台風の数は例年になく多く30号に及んだ。とくにその30号は風速90mでフィリピンを襲う(死者不明8千人)など常識の範囲を超えてきた。
 日本を襲った他の台風も「かつて経験したことのない雨量」(気象庁)を伴い、伊豆大島や京都桂川流域などに「経験したことのない」被害をもたらした。竜巻も埼玉県などを吹き荒れた。竜巻などはアメリカの砂漠に起こるものだと思っていたら隣りの埼玉県まで迫ってきた。
 関東を襲うとされる直下型地震を思うと身の毛がよだつ。

  
    咲き続ける「バラ王子」のバラ


一年の終わりに向けて

2013-12-25 11:28:00 | 時局雑感

 

 年末に向けて整理を続けている。返事を出し忘れている相手はいないか? 提出書類に忘れはないか? …意外にあるもので、ここにきてかなり整理ができた。
 年賀状も出した。100枚に抑えようと思ったが137枚になって反省しているが、かつての300枚からすれば格段に減ったし、未だ出すべき人がいるのは喜ぶべきことかもしれない。
 冬至の夜から柚子湯に浸かり邪気も払っている。邪気だらけで全部は払え切れないが…。一昨夜は恒例の息子のXmasコンサートに出かけ、昨夜は鶏肉を焼いてイブも祝った。キリストとは関係ないが。

 まだ行事は続く。明日はM夫妻と食事会だ。仕事を離れて趣味の話で盛り上がろう、ということになっている。こちらは娘と3人なのでオペラの話となり、Mさんからはマラソンの話を聞こう。
 明後日は会社の納会だ。私は仕事はほとんどしてないが、納会には出かけねばなるまい。
 今年を振り返るのはそのあとにしよう。


純米酒大賞『出羽桜つや姫』と広島かきに舌つづみ

2013-12-23 10:19:46 | 

 

 純米酒大賞制定委員会が選ぶ「2013年度純米酒大賞」に選ばれた『出羽桜つや姫』を入手することができた。
 実はその発表会に参加して、利きあて会でこの酒を利きあてたが、じゃんけんに敗れて入手することができなかった。悔しがった私を見かねたのか主催者のN氏が一本分けてくれたのだ。
 折しも広島から恒例のかきが届いた。二男の嫁の実家が広島の呉で、毎年暮れにいなると新鮮な殻つきかきとむき身を贈ってくれるのだ。
 娘のオペラ集団の中心メンバーO氏は、このかきに目がない。しかも酒好きだ。この度の愛知県田原市の学校公演で、出演のうえ往復レンタカーを運転した労に報いるため、ちょうど娘との打ち合わせに来た氏も加えて、昨夜かきを食った。

 焼きたての殻つきかきをこじ開け、醤油とカボスを垂らして一口に食べる。甘く豊満な味と広島の海の潮香が口中に広がる。波静かな呉の海に浮かぶカキ筏(いかだ)が目に浮かぶ…。
 これに純米酒大賞『出羽桜つや姫』の、豊かな米の味を生かしながらスッキリ仕上げた透明感がピッタリ合った。
 いやー、幸せでした。


寒い日が続く … 東京は雹(ひょう)まじりの初雪

2013-12-21 10:25:51 | 時局雑感

 

 昨日は週一回の出勤で浜松町まで出かけたが、寒さが身に染みた。晴れ間がのぞいたかと思うと一転してかき曇り、みぞれや雹に混じって初雪も降ったようだ。こう荒れては初雪という季節感もわかない。
 昔の冬は、だんだん寒くなって何とも自然に初雪が降り、積もったり消えたりしながらだんだん暖かくなって春に向かった。あまり激動という感じはなかった。
 政治も経済もいつ何が起こるかわからない激動の時代だ。自然界もそれに合わせて人心をひきつけるためには、従来のような穏やかな変化では済まないのだろう。
 日本の四季の移ろいは、本来は穏やかなものではないのか? いつの間にか春が来ていた…、風の音に気がつけば秋が来ていた…、というように。
 人の手による自然破壊が進んでいるのであろう。

  
  「田原市のバラ王子」から娘に届いたバラ


年末らしくなってきた … 猪瀬辞職から年賀状書きまで

2013-12-19 10:04:28 | 時局雑感

 

 この12月は諸行事が山積した。7、8日の「はりま酒の旅」に始まり忘年会が打ち続き、昨夜の「臼杵・阿蘇・久住の旅」(先月末)の打ち上げ会をもって一段落したが、あと二つ三つ残っている。
 情けないことに昨日は眼科、今日は内科と定期検診も続く。医療費を使いながらそれにより長生きする…、病院への道すがら、拡大を続ける日本の老人医療費問題に思いをはせる。

 いよいよ切羽詰ってきたので、今日こそ年賀状書きを始めようと思っていたら、猪瀬都知事の辞任など都政の方も慌ただしくなってきた。猪瀬が辞めようとどうしようと、心静かに年賀状を書けばいいのではあるが…。
 そもそも猪瀬なる男は、政治家の収賄事件などを追求してきた人間ではなかったのか? それが権力に近づくと一転して金に手を染めるとは、政治というか権力というか、その恐ろしさに身が縮む。
 「美濃部さんみたいな都知事候補いないかなあ」と、ワイフと娘と話し合った。かつての夢多き時代を思い起こすのが精いっぱいか…。

 さあ、今日こそ年賀状を書こう。


日本酒のふるさと「はりま」を訪ねる旅

2013-12-16 14:14:49 | 

 

 暮れになってハードだが内容の濃い旅が続いた。九州から帰って一週間、今度は日本酒のふるさと「はりま」を訪ねる旅に出かけた。
 このツアーは、朝8時30分に新大阪駅をバスで出発し、一泊した翌日夕刻7時半に新大阪駅に帰着するという日程だった。関西の人には当たり前の日程だが、東京から参加した私たちは、6時始発の「のぞみ」に乗り(自宅を4時50分出発)、8時25分着くやそのままバスに乗り込み、翌日は20時17分の「のぞみ」で東京に向かい自宅に着いたのは24時前というハードなものだった。
 しかし中身は濃かった。一泊二日で五つの酒蔵と三つのお城を訪ね、「山田錦の館」や古い街並みを散策、夜は播磨温泉の名館『銀波荘』に泊まり、露天風呂から瀬戸内海を見渡した。
 しかもこのツアーが、地元自治体や酒造組合の協賛を受けJTBが旅行新商品を開発しようとするモニターツアーであったため、和酒ソムリエあおい有紀さんがコーディネーターとして同行された上に、極めて安価な費用で参加できたことも充実感を高めてくれた。

 ところで、なぜ「はりま…播磨」は日本酒のふるさとか? 次の四つの理由が説明された。すなわち①酒米山田錦のふるさと、②日本一の大酒飲み母利太兵衛(黒田節のモデル)の生まれ故郷、③未だこの地に20を超す酒蔵がありそれぞれ個性的な酒を造っている、④播磨風土記に日本酒が生まれた地と書かれている、以上である。
 とにかくいい旅であった。このような要素は全国各地に探せばあるだろう。こんな企画が次々に打ち出され、全国の日本酒に目が向けられることを祈って止まない。

   


小学校でオペラ公演 … ミャゴラトーリ本年最終公演

2013-12-14 10:51:47 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 娘の主宰するオペラ創作集団ミャゴラトーリが、愛知県田原市の中山小学校に招かれて『愛の妙薬』を公演した。娘が手がけ続けている「日本語セリフでつなぐ原語公演」という演奏で、アリアや合唱の言葉(イタリア語)がわからなくても、子供たちにも理解してもらえるという試みだ。
 全校生徒229人と父兄も多数参加して学校の講堂で演じたが、生徒たちは熱心に聴き、各所で笑い声を発し、終了後司会者が「面白かった人」と問いかけたら8割の生徒が勢いよく手を挙げたという。
 校長先生はじめ関係者からも評価されたようで、地元紙三紙が取材のうえ記事にしてくれた。

 

 ただ、公演の裏ばなしは大変だ。少ない公演料でやりくりするために、新幹線代も倹約して、スタッフ・キャストともレンタカーで往復した。運転も出演者たちだ。
 田原市といえば渥美半島の彼方だ。しかし、小道具を積み込み、自ら運転してでも「オペラを広めたい」という心意気に敬意を表する。
 一昨夜11時、ぐったりして帰ってきた娘と一同を見て、文化運動…中でもまだまだ理解の乏しいオペラ普及活動の大変さを痛感した。


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