旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

不安を募らせる二つのニュース … 参院選で「改憲勢力2/3うかがう」と、「英EU離脱」

2016-06-25 10:40:28 | 政治経済

 

 昨日は、二つの悪いニュースで心の重い一日であった。
 朝起きると、毎日新聞の世論調査の結果が目に飛び込んできた。参院選の序盤情勢調査の結果、「自民、単独過半数の勢い」でその結果「改憲勢力2/3うかがう」情勢だということだ(同紙一面トップ見出し)。
 戦後民主主義が守り育ててきた貴重な成果はいくつかあるが、その最たるものは、世界に冠たる日本国憲法、とくに9条を中心とした平和条項を守り続けてきたことではないか。自民党は60年前の結党以来、この憲法の改憲を党是としてきたが、長く自民党政治が続くなかでも、この改憲発議の条件だけは許さなかった。私はここに日本国民の誇りを見てきたのであるが、その守りは崩されようとしている。
 午後になって、それに追い打ちをかけるようなニュースが海外から飛び込んできた。
 「イギリスの国民投票でEU離脱派が勝利」というニュースだ。これも私は予想していなかった。いろいろあるが、結局は欧州統一という高い理念が「残留」に導くものと思っていた。世の政治が理念だけで動くという短絡的な思いを持っているつもりはないが、「戦いよりも平和を望む」、「分列よりも統一を願う」という人類普遍の道理は、最後には勝つと思うからだ。
 二度の世界大戦にまみれ、しかも近代兵器による戦争が国民皆殺しを招く惨状を見て、「平和と経済発展」を求めて構築してきたのが、EC―EUの歴史であった。私はその理念を高く評価し、困難はあっても歴史を後戻りさせることはないと信じていた。
 ただ、力の政策でアメリカと軌を一にするイギリスには、他の欧州諸国と異質なものを感じていたが、図らずもそれが芽を吹いたということであろうか? この稿でも何度も書いたが、21世紀は平和と統一を一層進める世紀になるだろうと予想していたが、現実は戦争と分裂の方向を歩いている。これは私の予想が一番外れた側面だが、その恐れがまた露呈したというのだろうか?

 ただ、いずれも全てが確定したわけではない。参議院選挙は始まったばかりだ。情勢はどう動くかわからない。イギリスのEU離脱も、国民の意思が示されたばかりだ。これから2年にわたってEUとの交渉が続く。その中で、長く偉大な歴史を誇るイギリスはじめ欧州諸国が、どんな知恵を働かせるかは分からない。


世の中、悪いニュースばかりでもない

2016-06-17 15:53:09 | 時局雑感

 

 邪悪と善、不正と誠実、禍と福、喜びと悲しみ…、一体世の中には、そのどちらの方が多く営まれているのだろうか? すべてはあざなえる縄のごとしで、双方を絶えず織りなしているのが人の世であろう。
 舛添都知事問題がマスコミのトップを独占し続けていたので、世の中には誠実な歩みなどないのではないかと思っていたら、突如として、イチローの爽やかな雄姿が一面を飾った。
 日本を代表する首都東京の知事にしては、あまりにもミミッチー、ケチケチ私欲問題にウンザリしていた。違法ではないと知り尽くして、バレてもこの程度の金額なら許してもらえると思って国民の血税を含む政治資金を私生活に使ってきたとしか思えない。しかも、進退窮まっても「リオ・オリンピックで旗を受け取る9月まで見逃してくれ」と議会に懇願するに至った。国民は違法性などというよりも、その品性、品格が知事に適さないと言っているのに、その品性を引っ提げてオリンオイック旗を受け取りに行きたいというのだから話にならない。
 舛添都知事の鬱陶しい写真がようやく消えたとき、大記録を打ち立てたイチローの雄姿が紙上を飾った。こちらは、まさに誠実一路、ひたすら身体を鍛え未踏の記録に挑戦し続け、ついにその一つに到達した姿であった。野球選手として求められる走攻守すべてに応えられる身体を磨き続け、到達すべき当然の結果のようにその目標をつかんだ。しかし、イチローにとっては未だ道半ばということだ。
 いまさら記録について書くこともない。その偉業をたたえる記事を、保存のためにいくつか載せさせていただく(いずれも毎日新聞より)

              
     

      
           

 私の周辺でも泣き笑いは交叉している。3回目となる目の注射をして、一日4回の目薬消毒など憂鬱な日々を送っている。81歳2か月…、老いの悲しさが身に染みる。
 と、そこえ初孫遥人が現れる。こちらは生後1年1か月、私の老いに反比例して見るたびに成長を重ねる。部屋も狭しと這い回っていたが、昨日は、ついに立ち上がり、4、5歩歩いた。まさにあざなえる縄のごとしである。

   
    はえば立て、立てば歩けの親心…


オペラ普及団体ミャゴラトーリに朗報 … 杉並区の補助金交付決定

2016-06-10 15:01:39 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 娘が主宰するオペラ普及団体ミャゴラトーリが、杉並区の補助金交付の対象に選ばれた。資金的な後ろ盾のないこの団体は、心ある少数の支援者(現在2社、20数名)の浄財と、ノー・ギャラに近い出演者たちの協力によりオペラつくりを続けておるが、この度ようやく念願かなって杉並区の補助金対象に合格した。審査の対象となった演目は、オペラ『泣いた赤鬼』。ご存じ、浜田廣介の名作童話をオペラにしようというものだ。

 赤鬼は人間が大好きで、人間の子供たちと遊びたくてしようがない。しかし子供たちは一向に赤鬼の家に来てくれない。悲しんでいる赤鬼に対し、親友の青鬼が一計を案じる。「俺が人間の子供たちの中で暴れてやる。お前がその俺を取り押さえれば、みんなお前がいい鬼だと分かって遊びに来てくれるだろう」……赤鬼は、それでは青鬼に悪いと心配するが、ことはその様に運んで、赤鬼と子供たちは仲良くなる。赤鬼は毎日楽しく暮らすが、それ以来青鬼が姿を見せないことに気づく。青鬼の家を訪ねると、そこに張り紙があり、「俺がお前と仲良くすると再び人間の子供たちが怪しみお前を離れる。俺はこの地を去る」とある。赤鬼はかけがえのない友情を失ったことに泣き伏す。

 実は、青鬼の策がなくとも子供たちは赤鬼が好きで、一緒に遊びたかった。しかしその子供たちに常に言い聞かせていた親の言葉は、「赤鬼はいい鬼かもしれないが、鬼は鬼だからね」、という言葉であった。これが人間の子供と鬼を裂き、ひいては赤鬼と青鬼の友情までも裂くのである。
 差別の根源は、この親たちの「教育」にある。ここに着目して、この演題に取り組むことにしたと娘は言っている。差別という人類的課題は、21世紀に至ってもますます重きを増しているように見える。その本質に、私たちはいつ気が付くのだろうか?
 30万円の補助金交付の決定通知に、娘は大喜びをしているが、同時に、この重いテーマに応える取り組みと、どう節約しても100万円はかかるだろうと思われる費用のねん出に、頭を痛めているようである。

     


今年のスポーツ … 見えてきたイチローの3000本、黒田の200勝

2016-06-04 13:03:45 | スポーツ

 

 今年も半ばに差しかかろうとしている。スポーツ界もいろんなことが見えてきた。
 オリンピック問題がスッキリしない。利権がらみ、事件がらみが次々に発覚して、問題の根深さは驚くばかりだ。加えて舛添都知事問題が出てきて、このような品格の持ち主が主導するオリンピックがいよいよ薄汚く見てきた。私は東京オリンピックはなど止めた方がいいのではないかと思っている。保育所問題、学費問題など貧困問題が山積しており、貴重な資金をこちらに回した方が、将来の日本教育界を救うことになるのではないか? 東京オリンピックに向けて頑張っている選手のみなさんには申し訳ないが……。
 それはさておき、今年のスポーツ界にはいくつか期待していた。相撲界では琴奨菊に続く稀勢の里の優勝、野球界では、イチローのメジャー3000本安打、黒田の日米通算200勝、マエケンのメジャー二けた勝利、それから、広島カープのクライマックスシリーズ進出など。
 稀勢の里は相変わらずモタもたしているが、後半に実現するのではないか? そんな予感がする。イチローはスタメンから外されていたので難しいかと思っていたが、このところ固め打ちなどが続いて、あと35本と射程内に収めたと思う。その前にメジャー700盗塁など実現した。これは歴代9位というから立派なものだ。マエケンも4勝を挙げているので何とか行くのではないか?
 問題は黒田だ。すべり出しよく4勝を挙げたので「これは軽い!」と思っていたが、このところ負け続けている。最強チームソフトバンクとはいえ、クリーンアップに3連続ホームランを喫するとは黒田らしくない。まあしかし、あと3,4勝の事だから、ここはベテランの味を見せてくれると確信している。イチロー、黒田…、ともに40歳台期待の星に灯を掲げてほしいものだ。
 一番問題なのはカープであろう。他のチームがもたついている間に、貯金を独り占めして首位に立ったりしていたが、「鯉の季節」の5月が過ぎ、最も苦手な交流戦に入った途端に負けが混み、どんどん貯金を吐き出し始めた。毎年の事だからと観念はしているが、もう少し何とかならないものか。
 しかし、まだ先は長い。一喜一憂するのはやめよう。何が起こるかわからないのがこの世界だ。

  
              


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