8月も終わろうとしている。記録的な猛暑はウソのように去って、一足飛びに冷たい秋が来た。まだ8月というのに、秋冷の時節となった。もっとも、立秋ははるか前(8月8日)に迎えたので、天は、自然のままに取り計らっているよ、と言うのかもしれない。それにしては、その前の猛暑も「自然のまま」にしてほしかったと言いたくなるが。
世界陸上は、またしてもウサイン・ボルトで燃えに燃えている。勝つべき者が勝っていると言えばおしまいだが、日本選手は不甲斐ないのではないか? 日本だけ秋風が吹いているわけではあるまいが、冷え切ってしまっているのではないか?
経済も怪しくなった。株価2万円を維持して好調に見えたが、季節通りに一気に急落した。少し盛り返してはいるが、中国経済はもとより、不安材料は数えきれない。アベノミクスにも秋風が吹いてきたのではないか?
政治はどうか? 戦争法案をめぐる議論は白熱化している。様々な質問に政府はまともに答えていない。同じことの繰り返しで答えにならず、審議が続くにつれて国民は反対の意向を深めている。違憲法案をめぐる国民の反対運動は燃え盛ってきた。
ここだけ秋風は吹いていない。「戦争だけはしない」、「戦場には誰も送らない」…、これこそ戦後民主主義の基調であり、今、それが問われているから国民は燃えているのであろう。この過半の意思(注)を踏みにじって、万が一強行採決により法案が成立しても、この国民の意思が燃え続けている以上、法案を実行させることはないだろう。
あなたは燃えているか?
(注)各報道の世論調査によれば、衆院の強行採決反対は7割、
戦争法案に反対は6割以上となっている。